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燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘

20130106

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2010年/香港/1時間36分(劇場で鑑賞)
監 督  郭子健(デレク・クォック)
     鄭思傑(クレメント・チェン)
原 題  打擂台Gallants
出 演  黄又南(ウォン・ヤンナム) 陳觀泰(チェン・クァンタイ)
     梁小龍(ブルース・リャン) 泰迪羅賓(テディ・ロビン)
     賈暁晨(ジア・シャオチェン) 邵音音(シウ・ヤムヤム)

<あらすじ>
不動産会社勤務のゲンチョン(黄又南)は村の土地買収を命じられるが、出先でトラブルに巻き込まれる。そのとき助けてくれたのが、武術家のソン(梁小龍)だった。彼は同じ武術家のセン(陳觀泰)、クェイ(賈暁晨)という少女の3人で「羅記茶館」を切り盛りしていた。師匠のロー(泰迪羅賓)は30年も意識が戻らず、道場の「羅新門」は閉鎖されたままだ。そんなある晩、ゲンチョンのトラブル相手が土地契約書を奪いに侵入してきて、ソンもセンも大ピンチ。すると突如ローが眠りから覚める。

<感想など>
今年の初鑑賞作品!!
「クンフー映画に愛をこめた大オマージュ作品」と銘打っての公開。出演者たちの若い時代をよく知る方々の中には感無量という声も多い中、功夫映画を好きになってから日が浅い私のような者にも、十分、いや十二分に楽しめる作品だった。たぶん、ストーリーの骨格がしっかりしていて、どの年代にも共感できるからだろう。

まず、勤務先で叱られてばかりいる主人公のダメダメぶりがかなり誇張される。でも達人に出会った彼は、強くなりたい一心で弟子入りを懇願。一見軟弱だがかなりしつこい。(笑)そしてローに二人の弟子と勘違いされたおかげで、メキメキ上達。人間的魅力も出てくる。細マッチョの黄又南だからこそ出せる変化だ。体脂肪ってものがあるんだろうか?と思わせる体つきには驚愕!(笑)

ソンもセンも、一見ただの<おじさん>なのに戦うとなると豹変。でも小柄な師匠の前では、さらに小さな子供みたいになってしまうところが可愛い。(笑:失礼!)どちらも大けがを抱えながらの格闘で、彼らの顔が歪むたびにこちらも痛くなる。でもなぜか、絶対に負けない!と自信を持ってしまうのだ。一方、師匠のテンションの高さには、弟子たち同様ついていくのがやっと。(笑)あんなふうに溌剌と生きていきたい。

師匠の「戦わなければ負けない。戦うのなら勝て!」という言葉は何度か出てきて、こちらの頭にも刻み付けられる。<相手を打ち負かすこと=勝利>ではないことも教えてくれた。年齢のせいであきらめていたことに再度挑戦してみようか、と思わせる展開だった。

ところで私には、武術大会を主催するチン役の陳惠敏(チャーリー・チャン)がツボ。しばらく前に観たTVドラマ『長纓在手』でヒロインを守る宦官役が素敵だった。その後ネットで若き日の出演作などを検索してしまったほど。こんなふうに魅せるおじさんたちが出演する作品を公開すると、昔の姿を観たい!という人たちが大勢出てくるのではないだろうか。

<追記>
この日、初回を目指して駆けつけた時間は、上映の15分前。劇場の外まで伸びた行列はなかなかなか縮まらない。上映時刻を遅らせる旨のアナウンスが何回かあって、ようやく15分遅れの11:15に開始となった。かなり前から並んだ方々は怒っているのでは?と思ったがどうだったのだろう。少なくとも自分の周りでは怒りの声は聞こえなかった。ところでその後の「大魔術師“X”のダブル・トリック」も補助席が出たほどの盛況ぶり。自然にテンションも上がり、たまにはそういう環境に身を置くのもいいな、と思った。

いただいたポスター(上の写真)を貼ったら、この方面に全く関心のない家族たちが「なにこれ?」と笑いながら反応していた。

最愛

20121221

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2011年/香港/1時間40分(《冬の香港傑作映画まつり》で鑑賞)
監 督  顧長衛(グー・チャンウェイ)
原 題  最愛
英 題  LOVE FOR LIFE
原 作  閻連科『丁莊夢』(谷川徹訳『丁庄の夢』)
出 演  郭富城 (アーロン・クォック)  章子怡(チャン・ツィイー)
     濮存昕(プー・ツンシン) 陶澤如(タオ・ザール)
     蔣雯麗(ジアン・ウェンリー) 孫海英(スン・ハイイン)
     王寶强(ワン・バオチアン) 

<あらすじ>
僕は、道端に落ちていた毒入りトマトを食べて死んでしまった。まだ12歳だった。HIV感染が蔓延したこの村で、売血のリーダーだったお父さん(濮存昕)は、深い恨みを買っていたのだ。責任を感じたおじいちゃん(陶澤如)は勤め先の小学校を開放し、家で厄介者扱いされている感染者の面倒を見ることになった。お父さんの弟、つまり僕のおじさん(郭富城)もその中の一人だ。ある日、おじさんのいとこのお嫁さん(章子怡)が来て、二人は急接近。そんな中で泥棒騒ぎが起こる。

<感想など>
公機関を通じての売血が原因で、「エイズ村」と呼ばれることになった地域が舞台である。

原作を三分の二まで読んで鑑賞。亡くなった少年の語り、幻想的な雰囲気、弦の音色と歌声に、原作を「観ている」感覚になった。鑑賞後に続きを読むと、映画、原作の両方が頭の中で混ざり合って不思議な気分。映画の予備知識を仕入れた上で読んだからだろう。恋人となる二人の顔は、完全に郭富城、章子怡。でも濮存昕は想像外だった。

さてその濮存昕。善人のイメージしかないこの人が、見事なまでに酷い人物になりきっていた。濮存昕と知らなければ気付かなかっただろう。役作りのためか、今までより一回り大きくなっていた。横になでつけた長めの髪からは、脂ぎった臭いが漂ってくるようだ。近づかないで!と言いたくなる。さすが役者だ。

そのほかにも、役者魂のぶつかり合いには目が釘付けだ。33歳の章子怡は約10歳若い役柄を、そして、47歳の郭富城は何と20代後半の役柄を、ごく自然に演じているのだ。機関車の前を突っ走る彼は、完全に若者である。また、死の淵で喘ぐ男と、水で冷やした体で男の熱を下げようとする女の肉弾戦は、凄まじいとしか言いようがない。最初出会った当時は、互いに配偶者から相手にされない寂しさと溢れるばかりの肉欲で、結ばれたとしか思えなかった二人。しかし時間がたつにつれ、互いにかけがえのない存在となっていく。どちらが先に死ぬか、という問答は重かった。彼らよりも長い時を生きる観客にとっても、考えさせられるテーマだった。

関連サイトによると、監督は150分の長さを100分にしたのだという。濮存昕演じる長男の部分を大幅にカットしたというのが、非常に残念。売血、棺桶商売、さらに死者同士の結婚斡旋(この部分は原作)で儲けに儲けた悪徳業者の顛末はあまりにも酷く、スクリーンで晒すわけにはいかない、ということか。結果的に映し出されたのは、重い、重い、ラブストーリーである。

最後に。感染しなかった長男だが、結局社会の風潮に全身を汚されたのだなあと思うと、暗澹たる気分になった。これは原作の読後感でもある。

独身の行方

20121022

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2011年/香港/1時間55分(「2012東京・中国映画週間」で鑑賞)
監 督  杜琪峰(ジョニー・トー)
原 題  單身男女
英 題  Don't Go Breaking My Heart
出 演  高圓圓(カオ・ユァンユァン) 吳彥祖(ダニエル・ウー) 
     古天樂(ルイス・クー) 尹子維(テレンス・イン)
     林雪 (ラム・シュー) 李詩韻 (セレナ・リー)
     賈曉晨 (ジャー・シャオチェン)

<あらすじ>
香港の証券会社で働く程子欣(高圓圓)のマンションには、元カレ(尹子維)の荷物が置きっぱなしで、中でも厄介なのが蛙だった。ある時、交通事故に遭いそうになったところを助けてくれた男(方啓宏:吳彥祖)に再会し、元カレの荷物すべてを渡す。建築家である彼はその後スランプから脱し、子欣の会社の前のビルにオフィスを構える。彼は今も蛙を大事に飼育していた。

金融界の大物、張申然(古天樂)は、向かいの窓から見える程子欣を想い続けている。そしてついに窓越しにデートの約束を果たしたが、程子欣の階下にいた女性の誤解と自身の誘惑に弱い気質から、誤ちを犯してしまう。やがて彼は程子欣の会社の社長となり、彼女に猛アタック。子欣の気持ちも彼に傾いていた。

<感想など>
男二人女一人の三角関係を描いた作品では、女性の方に共感できないケースが多かったが、今回は違った。真面目で不器用な彼女を保護者の立場で見ているような気分だったからだ。プレイボーイの張申然と、誠意にあふれる方啓宏。できれば方啓宏の方を選んでほしいと願う私。でも彼女の心は申然の方を向いており、不安でいっぱいになる。あの人は狼だからやめておきなさい!と心の中でつぶやく。(笑)

転機は蛙だろう。その結末には思わず小声で「あっ」と言ってしまった。それは自分だけではなかったようだ。この顛末を実況中継していた部長(林雪)と、動画にくぎづけとなっている程子欣の姿もまたおかしい。故郷蘇州にいる程子欣が、香港の方啓宏にズキューンとなると、この二人を後押ししたい気分。特に方啓宏には発破をかけたくなった。

前半は、大の大人がオフィスの窓にポストイットを花の形に貼ったり、窓越しに身振り手振りで伝え合ったりする姿がほほえましく、思わず笑ってしまった。後半は、運が向いてきた方啓宏と、何とか彼女を奪回しようとする張申然との合戦模様が、時に笑いを誘う。自分のために男たちがこんな死闘を繰り返すなんて…とウットリする女子も多いことだろうが、彼女の場合はそれどころではなく追い詰められている様子だ。真面目な程子欣は終始自分の本心と対話して、どちらかに決めなければならないと考えている。

さあ、彼女はどちらを選ぶのだろう。

最後は一瞬、『盗聴犯~死のインサイダー取引~』の古天樂がかぶって、もしや飛び降りるのでは?とドキドキしたが、彼は無事地球に戻ったようで安心した。(笑)

「2012東京・中国映画週間」で2作目となる作品。劇場はほぼ満席、終始笑い声が飛び交い、和やかな雰囲気だった。字幕さえよければ最高だったのに。

盗聴犯~死のインサイダー取引~

20120827



2009年/香港/1時間40分(劇場で鑑賞)
原 題  竊聽風雲
英 題  Overheard
監 督  麥兆輝(アラン・マック)  莊文強(フェリックス・チョン)
出 演  劉青雲(ラウ・チンワン) 古天樂(ルイス・クー)
     呉彦祖(ダニエル・ウー) 張静初(チャン・ジンチュー)
     方中信(アレックス・フォン)王敏德(マイケル・ウォン)

<あらすじ>
ジョン(劉青雲)、ヨン(古天樂)、マックス(呉彦祖)は港警察情報課の刑事。株の不正取引の疑いがある企業とその社長の監視を続けている。ある日株価高騰の情報を得たヨンとマックスは、誘惑に負け株取引を始めてしまう。末期癌のヨンには重病の息子がおり、家族に残す金が必要だった。マックスは婚約相手が富豪であることに劣等感を持っていた。最初は止めに入ったジョンも、上司グォン(方中信)の妻マンディ(張静初)と不倫関係を続ける中、すべてを隠し通す決心をする。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます)
今回の3人が『盗聴犯~狙われたブローカー』の3人とは別人とわかっているのに、なぜか比較してしまった。呉彦祖の役柄は全く違う。古天樂の役柄は厚い情と不器用さが共通点。そして劉青雲の役柄はかなりの部分、重なって見えた。何を考えているのかわからない作為の人、という点だ。ブローカーの彼は出所した後に生きる道を見出している。今回の彼は大物逮捕に大きく貢献する。裁かれるのだろうが今後も生きていくのだ。

ジョンの一番の謎は、上司(しかも親友?)の妻と逢引きを重ねながら平然としているところだ。元恋人同士の再燃らしいが、なんとも理解に苦しむ行動である。マンディの「自宅は夫からもらった」という台詞からは、愛情よりも物を優先したようにも受け取れる。とすれば、両者の一連の行動は計画的離婚に向けての道のりとも思える。一見蛇足のような展開だが、2人の人間性を暗示する意味で重要な部分と言えるかもしれない。

そんなジョンに比べると、ヨンはわかりやすい。家庭を大事にする彼は、勤務が夜に集中することに不満を抱いている。犯罪に手を染めたのも家族のためだ。切羽詰まった面持ちに、こちらの感情も揺さぶられる。

最も冷静に見えるマックスの意外な激情は興味深かった。ただ一つわからなかったのは、彼の「その後」である。車に乗っているのを見つかったところまではわかるのだが、あの後どうなったのだろう。見落としてしまったのだろうか。このモヤモヤをなんとかしたい。

主眼は職務を逸脱した警察官の転落に置かれているが、一方で生活者としての男たちの描写にも興味をそそられる。ヨンは良き家庭人でありたいとする思いに溢れている。これから家庭を築こうというマックスは「逆玉の輿」の立場が苦しそうで、結婚生活に不安を抱いているのがわかる。ジョンの場合は、指輪と花束を持っていくシーンを見ても、彼女に対して本気なのかどうかよくわからない。そしてマンディの夫グォンには、中間管理職の悲哀が漂っている。上司と部下の間でサンドイッチ状態、妻は部下と不倫中…。なんて悲惨なのだろう。彼はちっとも悪くないのに。

潜入調査の緊迫感あふれる場面や、株価高騰にわきかえる人々の姿に目を奪われながら、人間の奥底に潜む魔物にドキリとさせられる。何かのはずみでタガが外れてしまうこともあるのだ、なんて思うと、ちょっと震えがきた。


盗聴犯~狙われたブローカー~

20120806



2011年/香港/2時間1分(劇場で鑑賞)
原 題  竊聽風雲2
英 題  Overheard 2
監 督  麥兆輝(アラン・マック)  莊文強(フェリックス・チョン)
出 演  劉青雲(ラウ・チンワン) 古天樂(ルイス・クー)
     呉彦祖(ダニエル・ウー) 曾 江(ケネス・ツァン)
     胡 楓(ウー・フォン) 葉 璇(ミッシェル・イップ)
     焦 姣(チャオ・チャオ) 黃 奕(ホァン・イー)

<あらすじ>
香港警察の刑事ホー(古天樂)は、株ブローカーのロー(劉青雲)の交通事故を調べる中で、車に高性能の盗聴器が仕掛けられてあるのを発見。ローに面会するがなぜか彼は頑なな態度である。やがてホーは、ローの背後にジョー(呉彦祖)という退役軍人の存在をつかむ。彼はアルツハイマーの母(焦姣)を介護しながら、ローの周囲を監視していた。警察側に追い詰められたジョーは次々と事件を起こす。そんな中、かつて株取引で巨万の富を得た「地主會」の存在が浮かび上がる。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます)
最初、白髪交じりの刑事が古天樂とはすぐに気付かなかった。絞りに絞った北大路欣也、に見えた。私の見た範囲では「軽いノリの兄ちゃん」のイメージが強く、今回の役柄はかなり意外。でもステキだ。

株取引の知識があれば一層楽しめるのだろうが、それがなくても値動きの緊迫した雰囲気や歴史的背景は伝わってきて、興味が持続した。また、劉青雲、古天樂、呉彦祖の織り成す人間模様に、後半曾江の重厚さが加わって、男たちの人間ドラマとして楽しめる。それに比べ女性たちの背景が薄い気がした。ローの妻(黃奕)やホーの妻(葉璇)は、解説で初めて立場を知った。でもウェートを置く部分に差をつけていると考えれば納得できる設定だ。

前半のローは謎めいた存在である。会社では威厳を保つが、奥さんの前では大人しい。狙われていることに気づきながら刑事の前では知らん顔をする。また「地主會」の面々の前ではヘコヘコするばかりで会社での態度とはまるで違う。周囲の圧力に抗えず、良心を封印して堕ちていった凄腕ディーラー。いろいろありそうな人物像にますます興味がわく。

ホーは正義感の塊のような存在で揺るぎがない。「盗聴犯」に投げられても傷つけられてもひるまないところがいかにも警察官、という感じ。そんな彼にも、悔いの残る過去があるようだ。出所したばかりの奥さんとの経緯については、ぜひその詳細を知りたくなる。なお、ジョーを救った後の詰めが甘すぎて、自分の首を絞めることにもなる。明らかに失態だが、そんな彼の人間味は好きだ。

作品の見どころの一つが、激しいカーアクションである。ジョーに追われるローの見事なハンドルさばきに始まり、ジョーのバイクの曲乗りにも釘づけだ。一体何台廃車になったのだろう?

盗聴する姿と、母を介護する姿とのギャップが大きいジョー。その狙いを早く知りたくて気が急いた。親を想う子の頭には、いつしか憎しみが渦巻いて、悲劇的な結末へとひた走る。最後はただただ執念としか言いようがない。登場した時から破滅的な顛末を約束されていたような人物だった。近くですすり泣く声が聞こえたが、その気持ちもよくわかる。

母が入院する病院の院長も、ジョーの不穏な動きに気づいており、彼の周辺はすべてがミステリアス。最後の方で病院のある実態がわかったときは、こんなのアリ?と疑問符が脳を飛び交うと同時に、刺激的だった。新たなスタッフが加わった今後を、ぜひ見たいものだ。

2時間余りの長丁場とは気づかないほど、サービス満点のストーリー展開だった。

ハッピーイヤーズ・イブ

20120628



2011年/香港/1時間44分(レンタルDVD)
監 督  夏永康(ウィン・シャ) 陳國輝(トニー・チャン)
原 題  全球熱戀
英 題  Love In Space
出 演
劉若英(レネ・リウ) 郭富城 (アーロン・クォック)  桂綸鎂(グイ・ルンメイ)
陳奕迅(イーソン・チャン) 楊頴(アンジェラベイビー) 井柏然(ジン・ボーラン)
徐帆(シュー・ファン) 劉家輝(リュー・チャーフィー) 杜汶澤(チャップマン・トゥ)

<あらすじ>
黄家の三姉妹はそれぞれ恋愛に苦慮している。長女ローズ(劉若英)は元カレ(郭富城)と共に宇宙ステーションで作業にあたっている。二人は今なお未練を引きずっているが、なかなか進展しない。次女リリー(桂綸鎂)は前の恋人が詐欺師だったことが原因で潔癖症になり、カウンセリングに通っている。偶然出会った清掃業の男(陳奕迅)とは相思相愛だが、自分の潔癖症が足かせになると考え身を引く。三女ピオニー(楊頴)は大根役者脱却のため、カフェでバイトを始める。そこで出会った若者(井柏然)とはよい雰囲気になるが、有名女優であることは伏せたままだ。やがて舞台のため彼女は店を去る。

<感想など>
最近レンタルショップで一週間OKのアジア新作ものが目について、思わず手を伸ばしてしまう。ショップの戦略にまんまとはまったかな。本作はさきの『ホット・サマー・デイズ』と同じ監督で、共通の出演者も多いことから、関連があるのかと思ったらそうではなかった。(赤いクマさんは再登場だったが)舞台は宇宙規模(笑)に広がり、色彩感もストーリー性も場面展開もパワーアップした感じだ。

さてその内容とは?
各恋愛の、始まり(あるいは再燃)、盛り上がり、挫折、ハッピーエンドという過程が、舞台をくるくる変えながら同時進行していく。お母さん(徐帆)と末娘のマネージャー(劉金山)とのエピソードも添えられ、軽く楽しめる作品となっている。

今回の一押し胸キュンも、前回同様若者カップルだった。『全城熱恋』で初々しかった楊頴&井柏然が、今回は前よりやや大人っぽい恋バナを咲かせてくれた。井柏然のどこか間の抜けた雰囲気には安心でき、好感が持てた。現在人気沸騰中というのもよくわかる。今後要チェックの俳優がまた一人増えた。
quanqiurelian2.jpg

次女の恋路に対しては、画面を見ながら応援し続けた。清掃業者がいい人過ぎるので「ここで捕まえておかなければ!!」と力が入る。天使の格好で先を争う姿、目玉焼きの下のソーセージを置き換えて「スマイル・プレート」にする様子など、心が和むシーンも多い。なぜか桂綸鎂はいつも守ってあげたくなるキャラクターである。劉家輝、陳奕迅の父子も味があってよかった。

宇宙船で元恋人同士が二人きりなんてありえん!などと突っ込んではいけない。業務に差し支える!と怒ってもいけない!これからは宇宙でもどこでも、行動の幅が広がる時代である。(笑)三組の中で一番貫禄のあるカップルといえば、ローズ&マイケルだろう。でも本心をさらけ出すことに躊躇しているところが可愛らしい。(笑)

続編があるならば、母を交えた三姉妹が恋人たちと一緒に食卓を囲む場面を、ぜひ見たいものだ。


夢翔る人/色情男女

20120314



1996年/香港/1時間39分(レンタルDVD)
監 督  爾冬陞(イー・トンシン)
原 題  色情男女/VIVA EROTICA
出 演  張國榮(レスリー・チャン)莫文蔚(カレン・モク)
     舒 淇(スー・チー)羅家英(ロー・ガーイン)
     徐錦江(チョイ・カムコン)秦 沛(チン・プイ)
     劉青雲(ラウ・チンワン)

<あらすじ>
映画監督のシン(張國榮)は、1年ぶりに仕事を依頼され、恋人メイ(莫文蔚)と共に大喜び。しかしそれは彼が目指す芸術作品とは大きくかけ離れたポルノ映画。スタッフとの関係もギクシャクして撮影は捗らない。そんなとき、評判が悪い映画を監督したイー(劉青雲)が自殺し、その反響で興行収入が増える、という出来事が起こる。これをヒントに、プロデューサーのチャン(羅家英)は話題性を狙い路上でのゲリラ撮影を提案。しかし実行した結果、主演女優モニク(舒淇)が怒りを爆発、シンもチャンと言い争い監督降板を宣言する。しばらくたって、シンは亡きイー監督の話を聞いた後、謙虚な気持ちが湧いてくる。

<感想など>
艶かしい場面の連続だが、決して興味本位の作品ではない。低予算でヒットさせろ、という過酷な要求のもと、奮闘する映画人たちの物語である。この『色情男女』がどんな作品に仕上がるのかを楽しみに、画面に見入った。

ドラマが進行するにつれ各人の背景が明らかになる。それぞれが魅力たっぷりで愛しい人たちばかり。

成長著しかったのがモニク。最初は我儘な大根役者だったのが、最後の方では見事な演技を見せる。メイク担当に対し噂話を諫めるシーンには共感した。これも含め、苦労した台湾での少女時代を北京語で話す場面には、実際の経緯は知らないが、役者自身が投影されているように感じられた。

モニクの相手役ワー(徐錦江)は、監督のどんな要求にも応えるプロ意識の高い俳優。街頭で襲うシーンも、女性のつま先(物凄く臭い?)をなめるシーンも、躊躇なく演じる。そんな彼がシンに恋人との関係改善を指南するところは、とてもリアリティがあった。これもまた演じている徐錦江自身の言葉に思えた。

シンの亡き父もまた映画監督だったことは、母親とメイとの会話でわかる。「子どもみたいなもの」と亡き夫を表現する母親は慈愛にあふれ、メイを包みこんでいた。メイの方もシンの母を慕っている。いい関係だなと思う。

最初バラバラだったメンバーがさまざまな困難を経て団結する。そして結果的には最高のシーンが出来上がったわけだが、最後はまるでドキュメンタリーを見ている気分だった。

さて、濡れ場に始まり濡れ場で終わった本作品。最初に比べると、ラストは実に芸術的で、これこそシンの求めていたシーンではなかったか。そう考えていくと、最初のシンとメイの絡みにしても、監督の要求に応えた、プロの役者同士の真摯な演技。全員が高いプロ意識を持っているからこそ、こういう面白い作品が出来上がったのだなと、観終わってしばらくたった今しみじみと思った。

上海ブルース

20120201

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1984年/香港/1時間39分(レンタルDVD)
監 督  徐 克(ツイ・ハーク)
原 題  上海之夜
英 題  Shanghai Blues
出 演  鐘鎮濤(ケニー・ビー) 張艾嘉(シルビア・チャン)
     葉倩文(サリー・イップ) 李麗珍(ロレッタ・リー)
     成奎安(シン・フイオン) 田 青(ティン・チン)

<あらすじ>
1937年、日中戦争さなかの上海。空襲を逃れようと橋の下に逃げ込んだドレミ(鐘鎮濤)とシュウ(張艾嘉)はたちまち恋に落ちる。二人は10年後の再会を約束するが、互いに名前も顔もわからないまま別れてしまう。10年後。ナイトクラブの歌手シュウは、ハプニングから、スリの被害に遭った女性(葉倩文)をアパートの自室に住まわせることに。その日階上に引っ越してきたのは、何とドレミだった。二人は今も10年前の相手を探し続けているのだが、お互い近くにいることに気づかない。

<感想など>
日本で戦後大ヒットしたラジオドラマ『君の名は』をネタにしたという作品。かつて朝の連続TV小説で観たリメイク版には、どよ~んとした湿っぽさが漂い、朝から気が滅入ってしまった。でも本作なら楽しい一日が始まりそう♪ すれ違いが何度となく繰り広げられ、もうこのまま会えない(判明しない)のでは?とあきらめかけていた終了間際、瞬く間のゴールインだった。短い時間にできるだけたくさんのドタバタを詰め込んだ、という感じだ。

物語を牽引するのは、道化役者のドレミ、歌手のシュウ、そして居候の“踏み台”の三人。“踏み台”とは、シャワーを浴びているドレミを覗き見したシュウの“踏み台”になったことからついたあだ名なのだが、本名は最後まで出てこない。彼女にこそ「君の名は?」とききたいところだ。

三人の動きは目まぐるしい。
シュウは夜の上海で逞しく生きる女性である。10年前の約束の場所に行ってみたら、一人の女性が川に身投げしようとしていると思い込み、止めようとしたら自分が川に落ちてしまう。結局その女性に助けられるが、彼女が無一文だときいて面倒を見る羽目になる。きつそうに見えるシュウだが、実にお人好しで情が深い。演じる張艾嘉はほんとに可愛い。破れたドレスを着て踊ったり、泡風呂の中で踊りと歌を披露したりと、殿方の喜びそうなシーンの多いこと、多いこと。

一方の“踏み台”は、ハプニングを利用して相手の隙間に入り込んでしまう、ちゃっかり娘。スリの被害者だが、可哀想な感じがしない。動きが機敏で、いつもハイテンションな彼女には、観ているだけなのについていくのに息切れしそうだ。シュウにとってはお邪魔虫そのもので、しかも恋敵。でもだんだんお互いにかけがえのない存在となっていく。

ドレミは正義感にあふれた好青年。困っている人を見ると反射的に助けようとするところなど、見ていて頼もしいのだが、生来の不器用さで相当損をしていると思う。

“踏み台”さえいなければドレミとシュウはもっと早くゴールインできたはず。でも“踏み台”がいたからこそ、再会の感動もひとしおだったと言えるだろう。“踏み台”のおかげですっかりコメディアン、コメディエンヌになってしまった二人。最初から最後まで、笑いが止まらない『君の名は』だった。

ヒットマン

20111025



1998年/香港/1時間44分(レンタルDVD)
監 督  董[王韋](スティーブン・トン)
原 題  殺手之王
英 題  Hitman
出 演  李連杰(ジェット・リー) 曾志偉(エリック・ツァン)
     任達華(サイモン・ヤム) 梁詠(ジジ・リョン)
     佐原健二  Paul Rapovski

<あらすじ>
香港在住の日本人の富豪、塚本(佐原健二)が殺害される。塚本は生前、殺し屋の手にかかることを想定して、復讐を果たしてくれた者に報酬を与えるという趣旨の『復讐基金』を設立していた。早速、1億米ドルの基金が発動し、殺し屋を倒し大枚を手に入れようとする輩が集まる。フウ(李連杰)もその中の一人だ。彼はルー(曾志偉)という男に雇われる形で情報収集を始める。そんな中、ルーの一人娘、キキ(梁詠)は、悪事に手を染める父に複雑な感情を抱いていた。彼女はフウに、父の目論みを逐一報告するよう依頼する。

<感想など>
冒頭で『炎の天使』と呼ばれる殺し屋の説明が流れる。極悪人だけをターゲットとして報酬は受け取らないのだという。ここで私の頭には、<『炎の天使』=ジェット・リー演じる主人公>という人物背景が刷り込まれてしまった。『炎の天使』の鮮やかな手腕を見た後で、風采の上がらないジェット・リーが現れたものだから、凄腕の殺し屋も普段は冴えないのね~なんて思ってしまったのだ。

母に家を建ててあげようと、殺し屋になる決心をしたフウ。ルーが仕掛けた初仕事も、生来の優しさが枷となって実行に移すことができない。けれども、殺し屋とはおよそかけ離れた性格は、かえってルーの心を惹く。行動を共にするうちに、互いがかけがえのない存在になっていく。

この二人を常にマークしているのが、事件を担当する刑事のチャン(任達華)。そしてフウはチャンの視線をしっかり受け止め、何か言いたげな眼差しを放つ。ここでふと、チャンはひょっとして悪者なのでは?という考えが頭をよぎる。炎の天使も、フウではないようだ。では誰なの?と思い始めた時に、ルーが「炎の天使に間違えられている」なんて言う。炎の天使の正体を知りたいという思いが、最後まで引っ張って行ってくれた。

日本人の奇妙な言動と装い、西欧の殺し屋が使う必殺ビーム、大団円での<炎の天使引き継ぎ>と、首をかしげたくなるようなシーンは多かったが、消化不良にはならなかった。やはりアクションシーンは堪能したし、何よりジェット・リーとエリック・ツァンのコンビが素晴らしかった。あのまま漫才になってしまいそうだ。

なお、懐かしかったのが佐原健二さん。序盤で張りのある声で炎の天使と対峙しているときはよくわからなかったが、遺影で気づいた。小学生のころ、怪獣ものやヒーロー戦隊ものを見ていた頃、お馴染みだった俳優さんだ。私の中では、極悪人は似合わない人である。

『海洋天堂』を観る前にジェット・リー出演作を、と思い立って観た作品。子どもに対する温かいまなざしは、『海洋天堂』のお父さんそのものだったなあ、と感じた。

イザベラ

20110726

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2006年/香港/1時間49分(レンタルDVD)
監 督  彭浩翔(パン・ホーチョン) 
原 題  伊莎貝拉
英 題  Isabella
出 演  杜汶澤(チャップマン・トウ) 梁洛施(イザベラ・リョン)
     黄秋生(アンソニー・ウォン) 曾國祥(デレク・ツァン)
     張致恆(スティーブン・チョン) 

<あらすじ>
1999年、中国返還を間近に控えたマカオ。警官のマー(杜汶澤)はタバコ密輸の嫌疑で停職処分を受け、荒んだ日々を過ごしていた。そんな時初恋の女性によく似た少女(梁洛施)と一夜を共にする。彼女の名はチョン・ビッヤン。彼女は、自分がマーと母親の間に生まれた娘で、母親の死後家賃が払えなくて部屋を追い出されたと話す。飼っている犬が心配だと言う彼女のために、マーは大家と交渉して部屋に入る。ところが愛犬イザベラは大家に捨てられた後で行方不明に。二人は街中にポスターを張って探し始める。

<感想など>
ビッヤンの言葉を額面通り受け止めると、どうしても生理的に受け入れられない物語となってしまう。しかし最初から彼女が「マーは母親の初恋の相手だが自分の父親ではない」のを知っていたと考えれば、合点のいくことが多い。彼女はマーを相手に、母親の初恋を追体験しているように見えるからだ。監督の意図しているところと違うかもしれないが、自分の観方で作品を追っていきたい。

イザベラがいなくなって泣き崩れるビッヤンに、マーは慈しむ眼差しを向ける。今まで抱いたこともない父性愛が、彼の中に芽生えていくのが感じられる場面だった。ビール瓶の上手な割り方を教えたり、バイクの練習に付き合ったりと、父親らしく振舞おうとするその姿が微笑ましい。ビッヤンも楽しそうに娘を演じている。しかしそんな日々も長く続かないことは、十分に予想できる。

マー一人に罪を被せる工作がなされているという。事実を話すか、証言台に立つ者を抹殺するか、海外への逃亡を図るか。結局彼は持っていた銃を捨てる。マーかビッヤンのどちらかが亡くなる物語かと思いこんでいたので、この行動は意外だった。彼が海外逃亡の道を選んだことで、ビッヤンは大喜び。タイ語を勉強したり、品物を買いそろえたりと、準備に余念がない。でもつき合わされる同級生(曾國祥)の気持ちを考えたことはあるのだろうか。なんだかこの男の子、表情が乏しくてとっても不気味。(笑)

マーがビッヤンの実父を訪ねたきっかけは、彼女が自分の血液型をO型と言ったことだろうか。その後出廷の決意を固めたマーが、急に凛々しく見えてきた。ビッヤンを前に、これまでの生い立ちや罪状を洗いざらい語る彼は、果たして彼女を娘としてみているのか、それとも一人の女性としてみているのか。ビッヤンにとっては、彼は一人の男であり、しかも愛する対象である。涙に濡れる眼と震えて歪む真っ赤な唇が、その心を鮮やかに物語っている。

マーが出所した後、二人の関係はどうなるのだろうか。その頃のマカオはすでに中国に返還された後だ。歴史的岐路に立つこの地と、不安定な二人の行く末は、まるで先の見えない線路のようだ。

主役二人の自然な表情と、青味がかった暗い場面が印象的な作品だった。

<追記>(特典映像から)
監督は主演の梁洛施に合わせて脚本を書きなおしたとのこと。梁洛施は、彼女自身が役柄同様、父親を知らずに育った背景を持っており、自分の気持ちを重ね合わせたと話す。共演の杜汶澤に対して「きっといいお父さんになるでしょう」と語る彼女は、可愛らしい娘の表情をしていた。杜汶澤は、コメディ路線中心でやってきて、今回のシリアスな役柄が不安だったと語る。でもそうした真摯な想いが独特の雰囲気を作り上げ、観る者を引き込んだのだと思う。


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