明りを灯す人 : 夢の国・亞洲文化宮

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明りを灯す人

20120604



2010年/キルギス・フランス・ドイツ・イタリア・オランダ/1時間20分(レンタルDVD)
監 督  アクタン・アリム・クバト
原 題  SVET-AKETHE /LIGHT THIEF
出 演  アクタン・アリム・クバト
     タアライカン・アバゾバ
     アスカット・スライマノフ

<あらすじ>
キルギスのある村に「明り屋さん」と呼ばれている男(アクタン・アリム・クバト)がいた。電気工である彼は、村のアンテナの修理や配線を一手に引き受け、村民から信頼されている。電気料金を払えない家庭のために盗電配線をして捕まったこともあった。あるとき村出身の男が選挙のため帰郷し、村民の支持を集めようと活動を始める。風力発電計画を聞いた明り屋さんも、念願がかなうと喜ぶ。反対派だった市長の死後、男は中国からの出資者を招くが、席上でのあまりにも破廉恥な催しに、明り屋さんの怒りが爆発。宴会場の電源を切ってしまう。

<感想など>
舞台となるキルギスは、中央アジアの山間部に位置し、カザフスタン、中国、タジキスタン、ウズベキスタンと国境を接する国。歴史的には、匈奴、突厥、唐、モンゴル、ロシアの支配下にあり、旧ソ連からの独立は1991年である。

こうした背景を調べるうちに、画面に映る真っ青な空と豊かな自然の裏側に、厳しい現実が立ちはだかっていることがわかる。主人公の妻や娘たちの表情は明るいが、妻が「あなたの収入が途絶えたら生活できない」と言うように、生活はかなり苦しそうだ。男児がいないことを悲観して友人に頼むシーンは奇異に感じたが、働き手不足の深刻な状況を物語っていると思えば、彼を責めるわけにもいかない。

また、主人公が会った老婆は、子ども夫婦は出稼ぎに行ったきり戻らず、孫娘の収入が頼りで申し訳ないと訴える。その孫娘の仕事内容(過剰な露出)からも、女性の仕事が限られている状況がうかがえる。貧しさからの脱却という渇望が、前面に映し出されている。

その貧困をどうしたら克服できるのか。近代化推進をはかるベクザットも、反対する市長も、どちらも村のためを考えている点では共通している。しかし巨大資本に頼ろうとする者と、これが村の幸福を奪うと批判する者は、おそらく平行線をたどるばかりだろう。そうした矛盾を抱える地域は、ここばかりではあるまい。

一番印象的だったのは、高い木に登って動けなくなった少年を、明り屋さんが助けた場面だった。少年はいつも明り屋さんの仕事を眺め、憧れと尊敬のまなざしを向けていた。彼が明り屋さんを継ぐ人物として大成してくれたら、と思わずにはいられない。

結末は悲惨だが、後味は悪くない。心に残るのは澄み切った青空と人々の笑顔である。苦境と同時に、高みを目指す意志の強さが描かれているかもしれない。

明り屋さんが泉谷しげるさんと重なって見えた。著名な演技派俳優だと確信していたら、何と監督自身だったとは…。朴訥とした姿からは、メガホンを握る姿がどうしても想像できないのである。

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