モルフェウスの領域 : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

モルフェウスの領域

20120405

ryoiki.jpg

著 者:海堂 尊
出版社:角川書店
刊行年:2010年12月

<あらすじ>
未来科学探求センターに勤務する日比野涼子は、日夜“凍眠”中の少年の生命を維持する業務にあたっている。少年の名は佐々木アツシ。網膜芽腫により残った左目(右目は5歳で摘出)を摘出する危機に直面した9歳の彼は、特効薬の開発を待ちながら“凍眠”する選択をしたのだった。この“凍眠”は『時限立法 人体特殊凍眠法』成立の元で承認されており、その裏付けとなる『凍眠八法』を打ち出したのは、ゲーム理論の大家、曽根崎伸一郎である。涼子はその中に矛盾を感じ、2年の推敲を経たメール文を曽根崎に送る。

<感想など>
海堂作品はいつもボールを投げかけてくる。今回は、“凍眠”(コールド・スリープ)と倫理をどうとらえるか?というボールだった。前半は曽根崎理論に対峙する涼子の姿が描かれているが、正直言って難解である。高度な理論の応酬に、あ~も~ついていけませ~ん、と匙を投げてしまう私。(笑)“凍眠”させてもらい、高度な知識をたたき込んでほしいもんだ…と思う人もいるかも知れない。おっと、金さえ出せば頭脳が買える、なんて考える輩の出現こそ大問題だ!!

わずか9歳の子供に人生の判断をさせること。高額な医療費のために離婚し、養育を放棄した両親。“凍眠”中の成長操作。薬の認可が容易にできない現状。霞が関の闇。様々な問題がちりばめられ、未来への問題提議となっている。

世界のシステムを動かすのは政治家でも学者でもなく、ごく一部の隠れた、超優秀な頭脳なのかも。そしてその頭脳が人工的に作られる時代がくるのは、遠い未来ではないのかも…と思うと怖くなる。

後半は、目覚めたアツシを取り巻く人間模様に惹きつけられ、一気に読んだ。5年間アツシと共に過ごした涼子の複雑な気持ちと、彼女を見つめるアツシの眼。彼らは今後どんな人生を歩むのだろう。そしてあの西野という男は、善人?それとも悪人?そんなに単純に判断できない人物であるのは確かだ。でも涼子にしても西野にしても、お互い出会ったことで、変化したのは事実。今後の楽しみがさらに増えた。

今回もこれまでの作品を思い出させる場面があって懐かしかった。
その一つが『医学のたまご』。そうか、アツシはこういう経緯を経てスーパー高校生になったのね。中学生になっていた薫クンは、本書ではまだ幼児である。
また、涼子は『ジェネラルルージュの凱旋』での火事で、病院に運び込まれた一人だったという。その時の詳細はまた続編(きっとあるでしょうね)で明らかになるのかしら。

今後は、小夜ちゃんと瑞人の登場、アツシと瑞人の対面に期待大!!それから、涼子が出会った酒飲みの腕利きって、あの人(T?)でしょうね!彼にも是非再登場してほしい!


trackback

「モルフェウスの領域」 海堂尊 :TK.blog

『モルフェウスの領域』  著者:海堂尊  出版社:角川書店 <簡単なあらすじ> 日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。東城大学医学部から委託された資料整理の傍...

コメント

睡眠学習すごすぎです!

こんばんは♪
人間の凍眠というか、冷凍ものはSF小説やアメリカ映画でも
題材になってる作品がありますが、これらは何も考えず
気楽に読めたり観れたりした記憶が…。
海堂さんの手にかかると医学的要素が基本にあるのはもちろんのこと、
問題提議や倫理ががっつり入っているので、難しい内容の時が時々ありますよね。
何か訴えるものがひしひしと伝わってきます^^;

といっても医学的には難しい内容でも、ストーリー的には
読ませてくれるのでやっぱり海堂作品は毎回楽しみにしちゃうw

>それから、涼子が出会った酒飲みの腕利きって、あの人(?)でしょうね!

そうそう"あの人"!私も1年前の自分の感想に同じようなことを書いたのですが、
ネタバレせず"あの人"と書いたもんだから、私が誰のことを指して言ったのか
今ではすっかり忘れてしまってます。。どうしようもないですな、はは^^;

冬眠させておいたもので…

TKATさん、こんにちは♪
海堂作品の中でも、この物語は忘れやすい部類ではないかと思います。
実は読んだのは一か月ほど前で、しばらくたって感想を書きはじめ、
ようやく今になってアップした次第です。
文章を“冬眠”させていた間に、記憶の方は曖昧になってしまいました。
書いているときには、“あの人”について、何となくあの人かな?と、
該当書籍をめくったり、ネットを検索したりしていました。
そんなことをしているうちに、ありゃりゃ、まんまと海堂さんのワナに
引っかかったかなと思ったのです。
読者の記憶が薄くなった頃合を見計らって次の投球に入るのね、と。(笑)
すると、再読する人も出てきて作品の印象がより強くなったりして。

>何か訴えるものがひしひしと伝わってきます^^;
だから、難しくても頑張って読もうと思います!!(なんてね…)
次はどんな難解な問題が出てくるのかしら。

また、新作品がいろいろと出ているようで、楽しみが増えました。
非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。