年下の男の子 : 夢の国・亞洲文化宮

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年下の男の子

20111129

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著 者:五十嵐貴久
出版社: 実業之日本社(文庫)
刊 行: 2011年4月

<あらすじ>
川村晶子は銘和乳業の広報課に勤務する37歳。児島達郎は青葉ピー・アール社の契約社員で23歳。トラブルの発生で徹夜勤務をした二人は、夜が明けるころにはすっかりうちとけていた。後に児島君は出入り業者として晶子の業務に携わるようになる。彼は頻繁に晶子にメールを送り、ついには彼女の引っ越しを手伝うまでに。晶子は彼の攻勢にうろたえる。何せ14歳もの年齢差があるのだ。どう考えても無理!と。

<感想など>
なぬ?キャンディーズの『年下の男の子』かい?と思いながら読んでいったが、まったく違った。こちらの彼は頭をなでなでしてあげたくなるような男の子ではなかった。むしろその逆。相手を守りぬくぞ(とは言ってないがきっと彼はそう思っている)という気概に満ちた、逞しい男の子であった。表面的にはナイーブに見えるかもしれないが。

主人公の一人称が使われているので、彼女目線である。どうせおばさんだからとか、こんなに年齢差があったら無理、などと、すべて決めつけるような口調になっている。ならばあんたより一回り以上年上の私は何なのよ、おばあさんかえ?と、つい突っ込みたくなる。二人の恋愛に対しても、まあ勝手にやってくれ、と、投げやりな気持ちになった。

でも意外と集中してしまった。企業の複雑な人間関係がリアルで、まるで自分がそこに放り込まれたような感覚になる。そして何より、プッシュを繰り返す男の子を応援したくなってしまったのだ。その相手には特別魅力を感じなかったのだけれど。(もしかして私は彼女に嫉妬してる?:笑)

自分の願いを成就させるため、彼は努力に努力を重ねる。きっと相当無理しているのだろう。相手から駄目と言われればすぐにあきらめてしまうケースが多い中、彼は自分の「好き」を前面に出して、あの手この手を使う。その背景には、相手も自分を好きなはず、という強い自信がありそうだ。でなければ、ストーカー行為とも受け取られかねない一連の行動はとれないはず。この物語は、女性の成功譚というよりは、むしろ男性の成長譚ではないだろうか、などとちょっと照れながら(なぜ私が?)思うのである。彼目線の物語も読んでみたい。

先日の『For You』と同じ作者だから、何かかぶっている事項はないものかと思っていたら、晶子が、『For You』に登場したフィル・ウォン主演の、『愛についての物語』のDVDを鑑賞する場面があった。全く関連のない二編の小説だが、共通点があると楽しいものだ。

最後に登場した児島君のお父さんの言葉から、児島君の育った過程が目に映るようだった。彼の両親が登場するのはほんの一時ではあるが、特に父親の懐の深さが印象的だ。確か不在がちだと児島君は言っていたが、子どもと深くかかわっているのがよくわかる。児島君は愛されて育ったのだなあと思った。

最初から映像化を意識しているのだろう。二人は完ぺきな美男美女である。男性の身長、体つき、さらに女性のスリーサイズまで、外見の描写はかなり細かい。けれどそれとは裏腹に、内面のキャラクターは大ざっぱな気がした。

終わってみれば「ごちそうさま」な物語。でも何かが物足りない。何だろう。予想通りの結果だったからだろうか。それとも児島君のアタックが終わって緊張感が薄れたからだろうか。まあ、どうでもいいや。

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