父後七日 : 夢の国・亞洲文化宮

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父後七日

20111112



2009年/台湾/1時間32分/台湾版DVD
監 督  王育麟(ワン・ユーリン)劉梓潔(エッセイ・リウ)
原 作  劉梓潔(エッセイ・リウ)
英 題  Seven Days in Heaven
邦 題  父の初七日/お父ちゃんの初七日
出 演  王莉雯(ワン・リーウェン)呉朋奉(ウー・ポンフォン)
     陳家祥(チェン・ジャーシャン) 太 保(タイ・バオ)
     陳泰樺(チェン・タイファー)張詩盈(チャン・シーイン)
     王安(ワン・アンチー)

<あらすじ>
父(太保)が亡くなった。台北で働く阿梅(王莉雯)は急きょ帰省し、兄大志(陳家祥)、従弟の小庄(陳泰樺)らと共に葬儀を執り行う。父の死から野辺送りまでの七日間、彼らは道士阿義(呉朋奉)の細かい指示に従って、忙しい時間を過ごす。阿義はパートナーの阿琴(張詩盈)と共に葬祭業を切り盛りしている。小庄は自称詩人の阿義に憧れ、「兄貴」と呼んで懐く。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます。)
昨年福岡の映画祭で上映された時の邦題は『お父ちゃんの初七日』。来年3月からは順次公開の予定で、タイトルは『父の初七日』。観終わった印象では、前者のタイトルの方が好きかな。

説明文以外ほとんどが台湾語。聞き取れないので字幕が頼りである。言葉の掛け合いもあって、停止させながらゆっくりと鑑賞。前半、父を乗せた救急車が葬儀場に向かう途中で回想シーンに入る。父親は食事の席で皆にこんな薀蓄を披露する。救急車のサイレンには「有医~有医~(ウ~イ~ウ~イ~)」と「無医~無医~(ウ~イ~ウ~イ~)」の二種類あって、それぞれ声色が違う。前者は「道をあけろ」の意味。では後者は? このとき彼は、自分が近い将来後者に乗るとは思いもしなかっただろう。台湾語では同じような発音なのだなと、一つ学んだ。

七日間、まるで分刻みのスケジュールで行われる儀式は、珍しい光景の連続である。阿梅は食事中でも、歯磨きの途中でも、道士から「哭け!」と言われたらすぐさま棺にかぶさって号泣しなければならない。ほかにも、紙銭を作ったり人を迎えたりと、兄共々大忙し。

葬儀の光景には、笑っていいものかと悩んでしまうこともしばしば。鼓笛隊のおばさんたちは阿琴が連れてきたのだろう。ではサングラスのおじさんたちは?父の仲間?それとも葬儀屋関係の仕事人?山と積まれた炭酸飲料の缶があんなふうに噴出して崩れるなんてこと、実際あるのだろうか? まさか、あの世に旅立とうとするお父さんの仕業だったりして…。疑問符の連続である。

お父さんの回想シーン、特に阿梅とのバイク二人乗りには目頭が熱くなった。彼女も同様に違いないが、涙は見せない。母親を早く亡くし、家族三人苦しくも明るく生きてきた過程がよくわかる。年頃の娘にありがちな、父親に対する反抗心も見られない。勉強ができる娘は、夜市で生計を立てる父、兄にとっても誇りなのだろう。娘もまた、家族の気持ちがよくわかっている。

葬儀が終わって四か月ほどたったとき、阿梅は突然涙にくれる。葬儀の七日間は、彼らにとってどんな時間だったのだろう。涙も流せないほど目まぐるしい状況は、傍目には酷に映った。でも時間を経て突然あふれ出る涙を見たら、あの煩雑とも受け取れる儀式には、亡き人をより印象づける作用があるように思えてきた。別れではなく、いつもそばにいるよという、亡き人の声が聞こえてくるようだ。

ところで、仕事では細々としたしきたりを説く道士の阿義が、社会の規則(例えば禁煙区域を設けること)を極端に嫌う様子が面白かった。線香とタバコを一緒に備える(本当はそういうしきたりはない?)光景が、今ふと目に浮かんだ。「ラ~ラ~ラリラ~…♪」という呪文みたいな音楽と道士の派手な装束が、いつまでも頭の中を駆け巡って離れてくれず、ちょっと困っている。(笑)

trackback

父の初七日(父後七日) :龍眼日記 Longan Diary

台湾中部の彰化県。父親(太保:タイポー)が亡くなり台北で働く娘の アメイ(王莉雯:ワン・リーウェン)が帰省する。 兄のタージ(陳家祥:チェン・ジャーシャン)、大学生の従弟シャオチュアン (陳泰樺:チェン・タイファー)とともに7日間に渡る父の葬儀が始ま?...

「父の初七日」 :TK.blog

『父の初七日』   父後七日  SEVEN DAYS IN HEAVEN 製作年:2010年 製作国:台湾 監督・製作:ワン・ユーリン(王育麟) 原作・脚本・監督:エッセイ・リウ(劉梓潔) 出演者:ワン・リーウェ...

コメント

やっと公開です

孔雀の森さん、こんばんは。
これ、日本語字幕がなかったら私は完全にお手上げでした。
全編ほぼ台湾語でしたものね。
お父さん役の太保は私にとっては嬉しいキャスティングでしたが、
まさか彼がいいお父さんを演じる日がやってくるとは思いもしませんでした。
あの冒頭の病院での片付けのシーンがやけにリアルで。
お父さんがベッドから眺めていたであろう窓からの風景やら
看護士さん(恋人の!)との会話やら・・・想像してしまっては切なくて。
そしてあのバイクの2人乗りのシーンは一番心に残るシーンでした。
お葬式に7日もかかるなんて・・・と最初は思っていたのですが、
観終えてみればこんなふうに最期の最期に故人としっかり向き合う7日間は
何ものにもかえ難い時間だな、と思えました。

興味深い7日間

sabunoriさん、こんにちは♪
日本語字幕で鑑賞したいと思いつつ、逃してしまいそうな感じです。
近くに来たら必ず観に行きたいです。
さてこの作品、告別式に至るまでの1週間は、本当に驚きの
連続でしたね。
太保さんは今回が初対面で、どんな作品に出演していたのか全く
知らないのですが、かなり違う役柄だったのかしら。
今後鑑賞する作品に出てきたらチェックしてみたいです。

>あの冒頭の病院での片付けのシーンがやけにリアルで。
そうでしたね。
病院での日常風景といった雰囲気で、職員たちの慣れた動きに
冷たさを感じました。

お父さんの回想シーンが7日間の中に挿入されていて、
だんだん、その人となりがわかっていくところがよかったです。
私もバイクのシーンには胸が熱くなりました。

「泣き女」の、仕事と日常のきっぱりとした区別も興味深かったです。


1人になった時、悲しみがこみ上げてくるんですよね。

GWに台湾に行った時、台湾人の知り合いに
本当に「有医~有医~」と「無医~無医~」と2種類あるのか
聞いたんです。でも知らないって^^;
これは彰化ならでは?それともお父さんのジョーク的な小話?
歳の若い知り合いなので、その子が知らないだけかな?
うーん、謎です。

最初の方でアイーが従弟に話す血縁関係の説明は難しすぎました~(><)。
アチン、アイー、彼の元恋人、従弟の血筋の繋がりが
よく理解できず頭の中がこんがらがってしまいましたが、
途中でやっと理解できた次第。意外と簡単でした(笑)。

>山と積まれた炭酸飲料の缶があんなふうに噴出して崩れるなんてこと実際あるのだろうか?

ねー、缶が破裂するなんてどんだけ暑いねんっ!
って突っ込みそうになっちゃいました(笑)。
でも台湾の暑さならあり得そうです。

殆どが台湾語で、素朴感がある郷土映画のような雰囲気の作品で
なかなか興味深く鑑賞しました^^

盛りだくさんの7日間でした。

TKATさん、こんにちは♪
台湾に行かれたのですね!
あの「ウ~イ~」のところ、お父さんが場を盛り上げ、その人柄が
感じられました。
「有」も「無」も「ウ」に聞こえるんですね。
あんなこと言って笑わせてたくせに~と、ちょっとしんみりしてしまいます。

血縁関係については、わざと複雑に言っていたような…。
あの徒弟の男の子、かわいいなあと思いながら見ていました。
アイーにとっては息子みたいなものですな~(笑)

あの葬儀は、7日間束縛される身内も大変だけど、葬儀屋の方にも
いろいろあるんだなあ、と感じました。
もしあの7日の間に別の依頼があったらどう対処するんだろう、とか、
実入りはどれだけなんだろう…などなど、描かれていないことまで
心配してしまいました。

感情を揺さぶられる作品でした。
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Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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