1911 : 夢の国・亞洲文化宮

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1911

20111107

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2011年/中国・香港/2時間3分(劇場で鑑賞)
総監督  成 龍(ジャッキー・チェン)
監 督  張 黎(チャン・リー)
原 題  辛亥革命 / Xinhai Revolution
出 演
成龍(ジャッキー・チェン) 趙文瑄(ウィンストン・チャオ)
李冰冰(リー・ビンビン)孫淳(スン・チュン)陳沖(ジョアン・チェン)
胡歌(フー・ゴー)寧靜(ニン・ジン)余少群(ユィ・シャオチュン)
王子文(ワン・ズーウェン)姜武(ジャン・ウー)黃志忠(ホァン・ジーチョン)
房祖名(ジェイシー・チャン)杜宇航(デニス・トー)梅婷(メイ・ティン)
     

<あらすじ>
20世紀初頭の中国清朝は衰退の一途をたどっていた。危機感を募らせる革命家たちは、孫文(趙文瑄)を中心に決起。1911年4月、孫文の右腕である黄興(成龍)は広州の総督府を襲撃するが、激しい銃撃戦で多くの仲間を失い敗退する。このとき彼を支えたのが後の妻、徐宗漢(李冰冰)だった。同年10月には湖南省武昌で再び革命の銃声が鳴り響く。清朝側は袁世凱(孫淳)に革命軍の鎮圧を要請。激しい戦いの中、各省は次々と独立していった。やがて孫文は選挙により中華民国の臨時大総統に就任する。このとき彼は、皇帝を退位させた者に大総統の地位を譲ることを宣言する。

<感想など>
ここ1~2年で、孫文を主人公とした作品を三作観たことになる。『孫文~百年先を見た男』、『孫文の義士団(ボディーガード&アサシンズ)』、そして今回の『1911』である。『孫文』と『1911』はともに趙文瑄が孫文を演じている。前者の孫文は白が映える引き締まった体型をしており、後者の彼は重厚で恰幅があった。孫文の思想を主としたこの二作品に対し『孫文の義士団』はアクション重視のエンタメ作品。鑑賞後に、そうした違いを考えるのは楽しいものだ。それぞれ雰囲気は異なるが、革命烈士に対する賛美の気持ち、革命家たちの「滅私」は大きな共通点だと思う。

最初に当時の状況を映し出す手法はわかりやすかった。列強諸国がじわじわと中国を侵食していく様子が頭に叩き込まれる。次は秋瑾(寧靜)が刑場に赴く場面。なるほど、秋瑾のキャラクターと寧靜は合っている、でも年齢が違うかなあと思いながらやつれメイクの彼女に見入る。導入部分が丁寧だったからか、集中力が途切れることはなかった。

黄興に孫文が付随している感覚になることがあった。前線で指揮を執る黄興の方が、海外を巡って説く孫文よりも強い印象を受けるのだ。実際、袁世凱に大総統の地位を譲ろうとする孫文を、黄興が強く非難した時、黄興の言の方に説得力を感じた。ジャッキー・チェンの演技自体に、凄みがあったことも、そう感じる一因かもしれない。もちろん、孫文になりきっている趙文瑄は、彼ならではの迫力に満ちて、主役の貫録十分である。二人は車の両輪だ。

革命側、朝廷側、そして袁世凱側の立場や関係性が細かく描かれており、歴史に対する真摯な姿勢がうかがわれる。だからこそ、もう少し予備知識を仕入れておくべきだった。人物名が表示されても、知った名はわずかである。徐宗漢、林覚民(胡歌)、張振武(房祖名)は、知っていればよかったと思った人物の一部。徐宗漢は革命家だったというが、映画の中では黄興の支えの立場しか描かれていないのが少し残念。

袁世凱は予想よりも可愛げがあった。(笑)思い描いていた彼は、もっと脂ぎって目がぎょろっとしていて、顔を背けたくなるような、嫌な人物である。皿の上にドカンと大きなお尻をのせるところや、息子をたたくところなどは、喜劇タッチに見え笑ってしまった。おそらく、今回描かれない第二革命以後で、いやらしさを存分に発揮してくれることだろう。(笑)

汪兆銘(余少群)の出番が少なかったのは残念。孫文と袁世凱との間で交渉する場面がちらっと出てきたが、存在感はあまりない。袁世凱が皇帝の退位を迫った背景に、汪兆銘の働きがあったのは確実なのだから、もう少し丁寧に描いてほしかった。線の細さも気になるところ。もっとも、売国奴扱いされた面があることから、こうした描写が精いっぱいなのかもしれない。

脇役で目についたのが、清国駐英大使の娘唐曼柔を演じた王子文。きっと孫文に惹かれたのだろう。父親のビンタを食らっても孫文をサポートする姿勢が健気で、つい応援したくなる。可愛らしい外見の中に、凛とした面が感じられて好印象だった。

隆裕皇太后(陳沖)と宣統帝溥儀が登場すると、やや息抜きができた。(笑)清朝の最期を看取った皇后とのことだが、悲壮感はない。屈託のない溥儀も同様。泣けば周囲がひれ伏す光景が何ともユーモラスだ。革命家や袁世凱に比べ、朝廷側が軽く描かれているのも特徴的。

「妻との決別書」と呼ばれる、林覚民から妻陳意映(梅婷)にあてた手紙の文字が、観終わった今も頭から離れない。書き手である林覚民は前半で姿を消してしまったが、彼の想いは最後まで貫かれていた。海辺ではしゃぐ革命家たちの姿は、今の若者と大して変わらない。その前半の光景がフラッシュバックする。

最後は、プロパガンダ的雰囲気の中で、昨今の情勢を念頭に、平和への希求が説かれていた。予想していた締めだった。

映像、音楽、ストーリー展開のいずれにも惹きつけられた。エンドロールで流れる歌は、歌詞をじっくりきこうという気持ちにさせてくれた。終わり方がややきれいすぎる感もあるけれど、こういう後味は好きだ。
私にとっては、今年のベストテンに入る作品だった。

trackback

1911(辛亥革命) :龍眼日記 Longan Diary

清朝末期の中国。 衰退の一途をたどる現状から祖国を救うため革命に燃える孫文 (趙文瑄:ウィンストン・チャオ)と彼の右腕ともいえる黄興(成龍:ジャッキー・チェン)。 武装蜂起失敗を繰り返し、多くの仲間を失いながらも新しい中国の夜明けを志す 彼らの姿を描?...

「1911」 :TK.blog

『1911』  辛亥革命  XINHAI REVOLUTION 製作年:2011年 製作国:中国/香港 総監督:ジャッキー・チェン(成龍) 監督:チャン・リー(張黎) 出演者:ジャッキー・チェン(成龍)、ウィンス...

コメント

孫文映画3作目ですね

孔雀の森さん、こんばんは。
おぉっ今年のベスト10入り確定ですか!
私ももっと知識があったら更に楽しめたと思うとちょっと残念でした。
(孔雀の森さんがお持ちの知識の1/10にも満たない私の知識ではちょっとキツカッタです)
海辺ではしゃぐ若い革命家たちのシーンはとても印象的でしたね。
無理であることはわかるのですが彼ら1人1人の人生についても
もっと知りたかったです。

歴史映画は作り手も鑑賞者もたいへん。

sabunoriさん、こんにちは♪
歴史作品を観るたびに思うのは、どちらもたいへんだなあ、ということです。
今回のように実在の人物が大勢出てくる作品では、
制作側にはその人を短時間でわからせる手際が求められ、
鑑賞側は「理解せねば」という緊張感を強いられてるような気がして。
いったん目を離したら、ちんぷんかんぷんになってしまいそう!!
アクションメインの作品なら、そちらの方で楽しめるのでしょうが。
今回は吹き替え版がお勧めという、sabunoriさんのご意見、とても
よくわかります。
細かい字幕があっという間に消えてしまい、困りました。
おっしゃるように、若者たちの背景も知りたかったですね。
革命に身を投じようとする気持ちが、どこから生じたのか、
今の若者に理解できるのでしょうか。
(すでに若者ではない自分にもよくわからないのですが…)
趙文瑄(ウィンストン・チャオ)主演の孫文関係作品、これからもつくられるのかしら~

エンターテインメント!

こんばんは!
またもやこの周辺の歴史背景を全く勉強せずに観てしまいました^^;
でも今回は、歴史に疎い私でも堪能できた作品だったかもです。
国のため、未来のために自らの命を犠牲にしてまで立ち向かう
若者たちが、新たな国のために多くの命が犠牲になったという事実が
よくわかりました。

>袁世凱は予想よりも可愛げがあった。(笑)思い描いていた彼は、もっと脂ぎって目がぎょろっとしていて、顔を背けたくなるような、嫌な人物である。

そうなんですか!?袁世凱は映像の中でしか知らないのですが、
『赤い星の生まれ』では周潤發が演じており、
それほどイヤな人物には描かれてなかったです。
やはり映画ではその人物の詳細を描くには限界があるんでしょうねー。

中国歴史は奥深すぎて難しいですな(><。)。
でもハマれば面白いだろうなーと改めて思いした。
でも歴史が深すぎてどこから勉強すればいいのか迷っちゃいます。
やはり初心者はまずは三国志からかしらん?

「赤い星の生まれ」も観たい☆

TKATさん、こんにちは♪
若者の命が散っていく過程は、観ていて悲しかったです。
過酷な状況で信念を貫く人々というのは、説得力があると思いました。
現代の若者、見よ!なんて言いたくなっちゃいますよ。(笑)

歴史上の人物を知る手掛かりは、小説や映像作品が多いと思います。
袁世凱についても、これまでに読んだり観たりした作品の影響が強く、
自分の中でイメージが作り上げられている気がします。
また、軍閥に対しては、よい印象はありません。
小説も映像作品も作り手の解釈や感情が多分に入っているため、
受け手もそれらに引きずられてしまいます。
今TKATさんから『赤い星の生まれ』での袁世凱を周潤發が演じていると
きいて、ちょっとびっくりしましたが、それは作り手の解釈なのだと思うと
納得!です。
歴史書や資料をひもといて、自分なりの解釈ができればいいのですが、
なかなかそこまでできないのも実情です。

三国志(三国志演義)は登場人物のキャラクターがはっきりしていて
親しみやすかったです。
とはいえ最近全然触れていないのでかなり忘れてしまいましたが。

今回のレビューで、前もって人物を知っておけばよかった、と書きましたが、
今思うと、かえってまっさらな状態で臨むのもいいかな、と。
後でパンフを読んで、ああ、こういう人なのか、と思うことで
印象が強くなった人もいます。(特に林覚民クン。)

『赤い星の生まれ』のDVDを買おうかな~と思っているところです。

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Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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