トッカンVS勤労商工会 : 夢の国・亞洲文化宮

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トッカンVS勤労商工会

20111103



著 者:高殿 円
出版社:早川書房
刊 行:2011年5月

<あらすじ>
大衆食堂の店主唐川成吉が自殺する。妻詠子は、東京国税局京橋税務署の徴収官鏡雅愛(カガミマサチカ)の恫喝が原因だとして、勤労商工会の弁護士吹雪敦(フブキアツシ)を見方に、訴えに出る構えだ。鏡付きの徴収官、ぐー子こと鈴宮深樹(スズミヤミキ)は心配で仕方がない。そんな中、彼女は同僚の錨喜理子(イカリキリコ)から振られた計画倒産の案件に悪戦苦闘。しかし偶然知り合った鏡の幼なじみ本屋敷真事(ホンヤシキマコト)、里美輝秋(サトミテルアキ)の大きな援護に支えられ、何とか窮地を切り抜ける。

<感想など>
『トッカン―特別国税徴収官』の続編。前回から1年たって、主人公ぐー子は26歳。上司の鏡は相変わらずで、所長の清里、同僚の鍋島、錦野、錨らに囲まれて日々奮闘する。今回は夏の盛りで、こちらまで汗が噴き出してきそうだ。(もう秋なのに。)

税務署と言えばお固いイメージしかない。当事者になったことがないのでよくわからないが、本書には徴収官の仕事や仕事観が詳しく、リアルに描写され、臨場感たっぷりだ。けれども仮に自分がこれから就職を考える身だとして、この仕事に就きたいか?と問われたらちょっと引いてしまいそうだ。差し押さえなどは、図太い神経の持ち主が体力勝負で挑む仕事。ぐー子の悪戦苦闘ぶりには恐れおののいてしまう。

夫が自殺に追い込まれた恨みから、半狂乱で訴えに出る妻の詠子。しかしその裏には想像もつかない真相が隠されていた。サスペンス仕立てだが、終わってみると、なあんだ!という感じ。その解明と並行して、ぐー子は計画倒産を阻止すべく奔走する。敵方とも思える弁護士吹雪敦の助言が功を奏して、案件は一件落着。仕事を振った錨は、意外な顔を見せる。そこにも謎が隠されている。徴収官という仕事の内容から、職場の人間関係まで、飽きさせない要素が満ち溢れている。もう一つのテーマは「女性と仕事」だと思う。

独り立ちしようとするぐー子の成長物語であるが、気になることがいくつかある。ピンチの時には必ず誰かが助けてくれることだ。鏡の友人だったり、鏡の天敵だったり、また古参の女性職員だったり。彼女の周りにはいつも頼れる人がいる。ドジで間抜けな性格が好意的に描かれているが、甘やかし過ぎの感が否めない。ああ私、完全にお局様の眼だわ。ちやほやされる女の子が嫌いなのだ。(笑)

前の物語でも述べたが、ぐー子と鏡の関係は、『図書館戦争』シリーズの主人公カップルそのものだ。怪我した鏡をぐー子が見舞う場面などは、全く同じテイストである。三角関係を思わせる場面もある。吹雪がぐー子に対し好意を露わにするのを見た鏡は、吹雪の名刺をびりびりに引き裂く。もしかして嫉妬?何だか面白くない。強い男が頼りない女を「おまえ」呼ばわりして怒鳴りまくる展開にも飽きた。というか、自分がそういう扱いをされたくないのである。実在の職種を扱う物語だから、見方が厳しくなっているのかもしれない。(図書館シリーズでは何でも許せた:笑)

とは言え、続編があるのなら読んでみたい。今回「図太く」を念頭に成功したぐー子。これからどんな試練が待ち構えているのだろう。キツイことを言ったけれど、主人公の成長は気になるところだ。

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