独身男 : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

独身男

20111011

guanggun2.jpg

2010年/中国/1時間34分(しんゆり映画祭で鑑賞)
監 督  郝 杰(ハオ・ジェ)
原 題  光棍児
英 題  Single Man
出 演  楊振君 葉蘭

<あらすじ>
舞台は河北省張家口市管轄の農村部。ヤンをはじめとする四人の中高年男性は、いずれも気儘な独身を貫いているが、将来への心配は尽きない。ヤンは30年前、現在の村長の妻二Y頭と恋仲だったが引き裂かれた経緯がある。それでも二人は密かに関係を持ち続けていた。二Y頭は他の男たちとも関係を持ち、彼らから度々金銭を受け取っていた。そんなある日、ヤンが、四川省出身の若くてきれいな女性を妻に迎える。ところが村の若者、俏三がその女性に一目惚れ。彼女も彼を好きになり、結局俏三の親がヤンに6千元を払って息子の願いをかなえる。ヤンは独身に逆戻り。一方、二Y頭の息子は晴れて河北大学に合格する。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含みます。)
いや~、面白かった!なんて言ったら節操を疑われるだろうか。下ネタのオンパレードだがR指定がつくような場面は一切なし。素人の役者たちが徐々に役柄を自分のものにし、生き生きと演じるようになる。その盛り上がっていく過程が実に面白い!!

彼らの日常を表面的にみれば、欲望のおもむくまま、というとらえ方になるだろう。しかし極端に女性が少ないコミュニティで、長い間平和が保たれてきたことを思うと、不道徳だ、などと単に批判することはできない。

物語では二Y頭の夫である村長の影は薄く、まるでヤンと二Y頭が長年連れ添った夫婦のように見える。村長は妻の行動に気づいているのかいないのか。これだけおおっぴらに妻が夜這いをしていれば、気づかない方がおかしい。もし気づいていないふりをしているとしたら、村長として、妻の行為を認めていることになる。不思議な人間関係だ…。

こうして考えていくと、二Y頭の二人の息子は、本当に夫との子なのか?という素朴な疑問が生まれてくる。さらに、俏三の父は本当に彼の父なのか、また、世代を遡って現在の老人たちの親はどうなのか、などと取り留めもない考えがわいてくる。実際ヤンはこの年になって実父が誰なのかを知らされるのだ。それでも、大して驚いた素振りを見せないところに、うすら寒さを感じた。一体、村の血縁関係、血縁に対する意識はどうなっているのだろう。

独身男たちの一人、六軟は12歳で結婚させられる。当時の「妻」とのやりとりは実に過酷で、彼はその思い出を封印しようとしている。不幸な出来事だが、画面には、その時から明らかになったと思われる彼の同性愛の性向が、喜劇仕立てで映し出される。ヤンは今になってそんな彼を知る。穏やかに余生を過ごすはずの年齢なのに、彼らの日常はいつも刺激的だ。そして理不尽な目にあっても、運命として甘んじてしまう。こういう姿勢が「没法子」につながるのだろうか、とふと思った。

一人の闖入者によりかき乱された村の物語。彼女は去っていくようだが、いったん起きた波乱は収拾がつくのだろうか。でも収拾がつくこともまた、問題ではないか。幸せとはいったい何なのだろう、ということを考えさせられる話だった。

11月11日は「光棍節」(独身男の日)とのこと。日付の「1111」は4本の枯れ枝を意味するのだとか。作品にはこの日を祝うような音楽や歌がたくさん盛り込まれていた。苦しい状況でへたるのではなく、逆に笑い飛ばしてしまおうという、やや自嘲気味の逞しさが感じられた。

コメント

非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。