女と銃と荒野の麺屋 : 夢の国・亞洲文化宮

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女と銃と荒野の麺屋

20110921

menya4.jpg

監 督  張藝謀(チャン・イーモウ)
原 題  三槍拍案驚奇
英 題  A Woman, A Gun, and A Noodle Shop
出 演  孫紅雷(スン・ホンレイ) 小瀋陽(シャオ・シェンヤン)
     閻 妮(ヤン・ニー) 倪大紅(ニー・ダーホン)
     毛 毛(マオマオ) 程 野(チェン・イェ)
     趙本山(チャオ・ベンシャン)

<あらすじ> 
荒野の中に立つ一軒の麺屋。切り盛りするのは、店主のワン(倪大紅)、彼の妻(閻妮)、住み込み店員のリー(小瀋陽)、ジャオ(程野)、チェン(毛毛)の5人だ。ある日武器を持って訪れた外国商人から、ワンの妻は密かに銃を購入。彼女は夫から長年暴力を振るわれ、リーと密通していた。そんな中、ジャオは銃の件を、巡回警官のチャン(孫紅雷)は不倫の事実を、ワンに報告。ワンはチャンに、妻とリーの殺害を依頼する。しばらくたって、チャンは血の付いた布を証拠だと言って、報償を要求する。

<感想など>
「初めまして」的な作品だった。
風景の色合いは人工的、衣装は原色ギトギト。警官だけは妙に沈んだ色で、それがかえって印象深い。悲劇なのか喜劇なのかわからなくて、笑うに笑えない。でも、終始身を乗り出して観ていた。登場人物の怯えが乗り移り、一緒になって逃げ惑っていた気分。もちろん眼はしっかりと見開いていた。

チラシには「はたして最後に生き残るのは誰なのか」とある。ええっ、人が死んでいく物語なの?と身震いした。しかし観ていてもその「死」が実感として湧かない。なぜならこれは完全な「お芝居」なのだから。荒野を舞台としたドタバタ劇である。

従業員の賃金を未払いのまま貯蓄し続ける男。依頼殺人の報酬をせびり、交渉する警官。自分に累が及ばないよう工作をする男。肝っ玉が太いように見えるが、銃を持つ手は震える女。それぞれの心に潜む欲望、保身のための行動をたどることで、物語は進む。

その展開はどうということもないのだけれど、各役者の競演には見ごたえがあった。特に、小心者リーを演じた小瀋陽の、こけつまろびつ、びくびくする演技には惹き込まれた。パニック状態で墓穴を掘ってしまう行動からは、人間のある一面見せられた思いだ。コメディアン、趙本山の弟子とのこと。豊かな表情と振りの大きさに釘付けとなった。

警官を演じる孫紅雷は、台詞が極端に少なく表情も乏しい。けれども、何回も麺屋に出入りするときの抜き足差し足、物音に鋭敏になる様子、細かすぎる動作(物の位置にこだわる)にはインパクトがあった。リーの行き当たりばったりの行動に比べると沈着冷静だが、こちらの心臓はバクバクだ。

倪大紅の妖怪みたいな扮装にはびっくり!先日の裁判官とは全くの別人だ。砂まみれの、体を張った演技には拍手!!でもいくら滑稽でも心底笑うことはできない。

麺屋といっても、営業していたのは最初だけだろう。曲芸のような麺打ち、あの超極太麺、盛り付けしたときのジューという音は楽しめた。しかし終わった時点では麺屋を忘れていたし、麺を食べたいとも思わなかった。むしろ食欲が失せていた。

エンドロールで、警官は「張三」、リーは「李四」であると知った。そうか「張三李四」ね、と辞書を引くと「平凡な人物」とある。違うだろう、「ろくでもない奴ら」じゃないの?いや、誰でも彼ら同様心の闇を持っている、ということか、などと、これを書いている今、心の中で問答している。

館内では、最後にいくつものため息が聞こえたが、空耳ではないと思う。
経験したことのない微妙な後味だった。


trackback

女と銃と荒野の麺屋(三槍拍案驚奇) :龍眼日記 Longan Diary

中国の荒野の果てにポツリと建つ麺屋。 この店の店主ワン(倪大紅:ニー・ダーホン)はケチな上に妻(閻妮:ヤン・ニー)に 暴力を振るう男。 そんな夫に愛想を尽かしている妻は店に住み込みで働くリー (小瀋陽:シャオ・シェンヤン)と不倫中。 ある日妻は店にや?...

コメント

確かに麺を食べたくはなりませんでした。(笑)

孔雀の森さん、こんばんは。
レビューを拝見して、あぁなるほどそうだったのか!と
いくつもの新しい発見をさせていただきました。
「張三李四」・・・そんなカラクリがあったとは。
この作品を観る限りでは平凡とは思えない彼らでしたが、
作品のテーマにはそういう意図があったのでしょうね。
普通の人がひょんなことから相手を憎んだり疑ったりしてとる行動が
これまた的外れな方向へ向かってしまい誤解が誤解を呼ぶ。
(オリジナル版はこのあたりが見事に描かれた秀作です)
それからどこかで見たことがあると思ったらワンはあの裁判官の彼でしたか!
館内で終了時にため息が聞こえたとのこと。
なんとなく気持ちはわかる気がします・・・。

麺を味わいたくなる作品を希望!

sabunoriさん、こんにちは♪

今回は多少予備知識を仕入れ、前評判がイマイチなのを頭の隅に置いて
鑑賞に臨みました。
「張藝謀監督作」の印象を引きずると「あれれ」っということに
なってしまうんだなあ、と思いました。
今この時点で「張藝謀」といえば「サンザシ」が浮かんでしまうもので…。
また、国によって笑いどころが違うから笑えないのだろう、と思う一方で、
中国の館内はどんな雰囲気だったのか、気になるところです。

倪大紅については、以前狙撃手の役柄を観たことがあって、
幅の広い俳優さんだなと、あらためて感心しています。

sabunoriさんがお好きだというシーン、私も楽しめました!
せっかく時間とお金をかけて行ったのだから、
少しは得した気分にならなくちゃ…
ほんの少しっていうのが、残念ですが。

オリジナル版、面白いのですね。今度ぜひ観ようと思います。
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