好奇心は猫を殺す : 夢の国・亞洲文化宮

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好奇心は猫を殺す

20110818



2006年/中国/1時間33分(レンタルDVD)
監 督  張一白(チャン・イーバイ)
原 題  好奇害死貓
英 題  Curiosity Kills the Cat
出 演  劉嘉玲 (カリーナ・ラウ) 胡 軍 (フー・ジュン)
     廖 凡 (リャオ・ファン) 宋 佳 (ソン・ジア)
     林 園 (リン・ユエン)

<あらすじ>
舞台は重慶。高級マンション1階の写真屋で働くモモ(林園)は驚いた。同じ1階でネイルサロンを開業したのは、このマンションに住む男の愛人だったからだ。男の名はチェン・ジョン(胡軍)。社長令嬢の妻チェンユー(劉嘉玲)との間には3歳になる男児シャオバイがいる。モモは自分が盗み撮りした不倫現場の写真をその女性シャオシャー(宋佳)に渡そうとする。その一方で、彼女は密かに、憧れのガードマン、フェンドウ(廖凡)の写真も撮りためていた。

<感想など>(完全ネタバレです)
悲劇の後はいくつもの「もし」を考えるものだが、今回に限り「もし」は成立しないと思った。たとえ誰かが誠実になっても、謝っても、反省しても、何をしても、結果は同じ。後には、救いのない絶望しか残らない。

逆玉の輿に乗ったチェン・ジョンは、物質的には恵まれ穏やかな愛妻家の顔をしている。たが、仕事を離れても社長の顔色をうかがうような生活で、気が抜けない。妻のチェンユーは、幸せになったはずの夫から満足感が伝わってこないことに苛立っている。彼女は薔薇の栽培をする中で、異種を交配させた場合どちらか一方の色にしかならないことを知る。これは何を暗示するのか。夫の不倫以前に、彼女の心はすでに崩壊していたのではないだろうか。

ジョンとシャオシャーの恋愛は、まるで食うか食われるかの関係だ。男は日常の緊張から逃れるために、女は金持ちを夢見て、互いに相手をむさぼり尽くそうとする。その激しさは衝撃的だったが、終焉を迎えるとすぐに忘れてしまった。思えば、古今東西によくある事件で、登場人物の中でも、この二人はごく普通の人間だった。

こんな風に感じるのも、真実が暴かれていく過程で、おぞましさ、恐ろしさをいやというほど見せられたからだろう。特にガードマンのフェンドウが不気味。演じる廖凡については、数年前観たドラマの奇怪な役柄がいまだに忘れられず、冒頭の好青年もいつか化けるだろうと予感していた。これが見事に的中。何気ないしぐさや表情にいくつもの意味が込められている気がしてきて、不安が増幅される。

haoqihaisimao2.jpg

そのフェンドウを意のままにしようとするのが、劉嘉玲演じるチェンユー。何でも金で解決すると思い込んでいる有閑マダムだ。彼らの掛け合いには興味津々。「いったいどうなっちゃうの?」と、自然に、盗撮癖のあるモモの眼で観ていた。いかん!『好奇害死貓』と言うではないか!!

格差社会への警鐘とも思える作品。さほど苦労せず貧困を脱した人間を間近に見れば、自分も、と思うのはごく自然だろう。それがシャオシャーだった。一方のフェンドウは、彼女とは求めていることが違う。チェンユーに対する言葉にはよく「平等」の二文字が出る。彼は金を要求しながらも、金で買えないモノを求めている。チェンユーには「平等」の意味がよくわかっていないようだったが、求めるモノは彼と同じだったのではないだろうか。

もう一人不気味なのが、3歳のシャオバイ。マンション屋上で母に抱かれた彼が、フェンドウに向かって一瞬ニタッと笑う。かわいい盛りのはずだが、その笑顔が全然かわいくない。ここで思い出すのが薔薇の交配の話。彼はどちら似か、なんて、考えすぎか。

モモの好奇心がどうであれ、結果は同じだろう。でも彼女は無用の反省をしているかもしれない。盗撮なんてしなければよかった、と。それがタイトルに反映しているとすれば、そのタイトルもまた無意味だ。考えれば考えるほど堂々巡りをしてしまいそうな物語だった。

trackback

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コメント

生活感のない物語

孔雀の森さん、こんにちは。
薔薇の交配のエピソード、言われてみれば興味深いですね。
でも詳細は記憶の彼方なのでもう1度鑑賞してみないとその意味するところを
「こうなのでは?」と推測することはムリな状態です。
あぁ、自分の記憶力のなさを呪うわ!(笑)
スタイリッシュさを装いつつもどこか空しさが漂う作品でした。
重慶という土地には興味があっていつか行ってみたいと思っているのですが・・・。

億ション最上階!!

sabunoriさん、こんにちは♪
私など、観てから余りたっていないのに忘れつつあります。
内心「忘れたい」のかも知れません。後味がよくなかったから。(笑)
おっしゃるようにスタイリッシュな感じが漂っていましたね。
マンション1階にネイルサロンや写真屋さんが入っていたり、
あの最上階の部屋に三角屋根の天窓がついていたり。
あんな無機質な空間に囲まれていたら気がおかしくなりそうです。
育てているバラも植物なのに人工的な感じでした。
あの室内はどんな香りがするのかしら。鼻がむずむずしてきました。(笑)
重慶には一泊したことがあり、雨の坂道をあえいで登った記憶しか
ありません。
いつか晴れた日に行ってみたいです。

お久です

おお,ご覧になったのですね~

フージュンさん目当てにだけ観たのですが
そしてストーリーの細かいとこ,残念ながら忘れつつありますが
カリーナ・ラウの演じた有閑マダムと
ガードマン青年のかけひきの緊張感の方が
主役の不倫カップルよりずっとインパクトがありました。
後味の悪い凝った火サスを連想させる作品でもありましたが
そうですね~,日本ではちょっと理解できない
中国の格差社会の病んだ部分も感じられて
深いところもある作品だったのかな?
DVD買ったのだけど(一応)再見していないなぁ・・・

TBありがとうございます♪

ななさん、こんにちは♪お久しぶりです。
DVDを買われたのですね。
この作品、近所のレンタルショップにはなくて、気になりながら
観ることができずにいました。
でもこの夏たまたま訪れた旅行先で見つけ、自宅で鑑賞、
ポスト返却した次第です。

フー・ジュンさん目的の方にとっては、かなり辛かったのでは?
と思いつつ、好対照のいろんな役をこなしているなあと、かえって
感心している私です。
おっしゃるように後半の展開にはインパクトがありましたね。

>後味の悪い凝った火サスを連想させる作品
まさにそういう雰囲気をまとった物語だったと思います。
ただ、最後はどうなるんだろう?と、好奇心をかきたてられたのも
事実。
怖いもの見たさで最後まで突っ走りました。(笑)

フー・ジュン、カリーナ・ラウの並ぶ姿は、絵になっていると思いました。
違うキャラクターでの共演も観てみたいです♪
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大切に♪

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