あぜみちジャンピンッ! : 夢の国・亞洲文化宮

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あぜみちジャンピンッ!

20110817



2009年/日本/1時間25分(劇場で鑑賞)
監 督  西川文恵
手話演技監修  大橋ひろえ
出 演  大場はるか 普天間みさき 梅本静香
     上杉まゆみ 池田光咲 山中知恵 渡辺真起子
     
<あらすじ>
高野優紀(大場はるか)は聾学校に通う中学生。ダンスチーム〈RIP☆GIRLS〉のDVDを観ながら踊るのが大好きだ。あるとき、同じ年頃の少女たちがダンスの練習をしているところを通りかかり、思わず見入ってしまう。そんな優紀に声をかけたのは、このダンスチーム〈Jumping girls〉のキャプテン、麗奈(普天間みさき)。彼女の計らいでチームに入った優紀は、日々練習に明け暮れ、今までにない充実感を味わう。しかし予想もできない試練が優紀を待ち受けていた。

<感想など>(完全ネタバレです)
障がいが取り上げられている作品の中でも、今回のようにその立場を体感できる機会はなかなかないと思う。周りの音が、遠くの海鳴りみたいに響いてくる。ボリュームをいっぱいに上げた音楽も、かすかな音しか伝わらない。そうした主人公の世界を感じることで、自然に彼女の身になって鑑賞していた。

主人公の周囲には様々な立場の人物がいる。聴力障がいを持つ娘との生活を支える母(渡辺真起子)。聾学校で優紀を慕う後輩。手話のできる健聴者の友達。かつて苛めを受けていた少女。激しい嫉妬心から苛めをする者。それぞれ、優紀との交流を通して自分を見つめ直すようになる。母の場合は、健聴者と共に歩む娘を目の当たりにした後の変化が予想できる。主人公だけでなく、脇役一人一人が鮮やかに描かれている点に、意義があると思う。

ショッピングモールのレストランで働く母は多忙だが、娘が共感できそうな映画のDVDをメールで教えるなど、いつも彼女を気にかけている。ところが保護者面談で娘の変化を担任教師から聞かされ、驚くと同時に不安になる。二人暮らしの母と子は、日中ほとんど顔を合わせていないようだ。すれ違い生活の中で、娘はいつしか自分の世界を持ち始めるが、母は全く気づかない。娘がダンスのことを母に伝えていないのは、母に余計な心配をさせたくない気持ちからか。もし健聴者の母がダンスチームでの一連の出来事を知ったら、どうするだろう。あの気風のよさや、人情味あふれる姿を見ると、案外見守るだけかもしれない、とも思える。子供中心で描かれている中、周囲の大人の心情も知りたい気持ちだ。

聾学校の仲間たちは、つきあいの悪くなった優紀に怪訝な表情を見せる。後輩の少女は、健聴者と交流しているからと、不快感を露わにする。健聴者との間ではコミュニケーションで、また学校の仲間との間では溝ができたことで、彼女は苦しむ。その上一番の理解者である麗奈からは「頼るな」と突き放されてしまう。自分の道を行く途中には、とてつもなく大きな、未知の障壁が立ちはだかっていることを、彼女は思い知らされる。

ダンスのセンターをとられた悔しさから激しい苛めを始める美希(梅本静香)。とてもリアルでわかりやすい心情だ。彼女の子分的存在である野梨子(上杉まゆみ)は、苛めの加担を強いられるが、かつての辛い経験がよみがえってきて辛い気持ちになる。彼女たちの中では、すでに優紀は障がい者ではない。優紀に障がいがあってもなくても、美希にとっては憎きライバルだし、野梨子から見れば自分と同じ苛められっ子だ。日記の回し読み、野梨子の独白、そして田圃での泥まみれと、陰湿な苛めから絆が深まるまでの過程では、思わず涙してしまった。

最後。立ち尽くす優紀のために、メンバーはスピーカーを前に運んだり、彼女の前で踊ったりする。その行為は「助けてあげよう」ではなく「最高のパフォーマンスをしてほしい」という気持ちの表れだと思う。

先週金曜日(12日)の鑑賞で、上映後思いがけず監督さんがご入場。イギリスでの体験を通し、異文化間のパイプ役が貴重だと感じたこと、手話とダンスの類似点に着目したことなど、どの話も興味深い。この日の観客数は10人にも満たなかった気がする。もしかして毎回こうして話をされているのでは?と思ってしまった。次に、私の前の前の席から、高校の制服姿がスクッと立った。何と、それは主演の大場はるかさん!!一緒に鑑賞していたという。手話やダンスを懸命に練習したこと、健聴者として聾者を演じる中で感じたことなど、真摯な気持ちが伝わるコメントだった。撮影から3年がたっているとのこと、映画のあどけない姿とは別人のお姉さんだった。これからオーディションがあるので失礼します、と去っていった彼女には、又いろいろな作品で頑張ってほしいと心から思った。

サプライズがあったせいか、作品の印象がより鮮明に残っている。

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