イザベラ : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

イザベラ

20110726

isabella2.jpg

2006年/香港/1時間49分(レンタルDVD)
監 督  彭浩翔(パン・ホーチョン) 
原 題  伊莎貝拉
英 題  Isabella
出 演  杜汶澤(チャップマン・トウ) 梁洛施(イザベラ・リョン)
     黄秋生(アンソニー・ウォン) 曾國祥(デレク・ツァン)
     張致恆(スティーブン・チョン) 

<あらすじ>
1999年、中国返還を間近に控えたマカオ。警官のマー(杜汶澤)はタバコ密輸の嫌疑で停職処分を受け、荒んだ日々を過ごしていた。そんな時初恋の女性によく似た少女(梁洛施)と一夜を共にする。彼女の名はチョン・ビッヤン。彼女は、自分がマーと母親の間に生まれた娘で、母親の死後家賃が払えなくて部屋を追い出されたと話す。飼っている犬が心配だと言う彼女のために、マーは大家と交渉して部屋に入る。ところが愛犬イザベラは大家に捨てられた後で行方不明に。二人は街中にポスターを張って探し始める。

<感想など>
ビッヤンの言葉を額面通り受け止めると、どうしても生理的に受け入れられない物語となってしまう。しかし最初から彼女が「マーは母親の初恋の相手だが自分の父親ではない」のを知っていたと考えれば、合点のいくことが多い。彼女はマーを相手に、母親の初恋を追体験しているように見えるからだ。監督の意図しているところと違うかもしれないが、自分の観方で作品を追っていきたい。

イザベラがいなくなって泣き崩れるビッヤンに、マーは慈しむ眼差しを向ける。今まで抱いたこともない父性愛が、彼の中に芽生えていくのが感じられる場面だった。ビール瓶の上手な割り方を教えたり、バイクの練習に付き合ったりと、父親らしく振舞おうとするその姿が微笑ましい。ビッヤンも楽しそうに娘を演じている。しかしそんな日々も長く続かないことは、十分に予想できる。

マー一人に罪を被せる工作がなされているという。事実を話すか、証言台に立つ者を抹殺するか、海外への逃亡を図るか。結局彼は持っていた銃を捨てる。マーかビッヤンのどちらかが亡くなる物語かと思いこんでいたので、この行動は意外だった。彼が海外逃亡の道を選んだことで、ビッヤンは大喜び。タイ語を勉強したり、品物を買いそろえたりと、準備に余念がない。でもつき合わされる同級生(曾國祥)の気持ちを考えたことはあるのだろうか。なんだかこの男の子、表情が乏しくてとっても不気味。(笑)

マーがビッヤンの実父を訪ねたきっかけは、彼女が自分の血液型をO型と言ったことだろうか。その後出廷の決意を固めたマーが、急に凛々しく見えてきた。ビッヤンを前に、これまでの生い立ちや罪状を洗いざらい語る彼は、果たして彼女を娘としてみているのか、それとも一人の女性としてみているのか。ビッヤンにとっては、彼は一人の男であり、しかも愛する対象である。涙に濡れる眼と震えて歪む真っ赤な唇が、その心を鮮やかに物語っている。

マーが出所した後、二人の関係はどうなるのだろうか。その頃のマカオはすでに中国に返還された後だ。歴史的岐路に立つこの地と、不安定な二人の行く末は、まるで先の見えない線路のようだ。

主役二人の自然な表情と、青味がかった暗い場面が印象的な作品だった。

<追記>(特典映像から)
監督は主演の梁洛施に合わせて脚本を書きなおしたとのこと。梁洛施は、彼女自身が役柄同様、父親を知らずに育った背景を持っており、自分の気持ちを重ね合わせたと話す。共演の杜汶澤に対して「きっといいお父さんになるでしょう」と語る彼女は、可愛らしい娘の表情をしていた。杜汶澤は、コメディ路線中心でやってきて、今回のシリアスな役柄が不安だったと語る。でもそうした真摯な想いが独特の雰囲気を作り上げ、観る者を引き込んだのだと思う。


trackback

「イザベラ」 <パン・ホーチョン、お前は誰だ!?>  :TK.blog

『イザベラ』  伊莎貝拉  ISABELLA 製作年:2006年 製作国:香港 監督:パン・ホーチョン(彭浩翔) 出演者:チャップマン・トー(杜汶澤)、イザベラ・リョン(梁洛施)、デレク・ツァ...

コメント

主役2人の演技が良かった~

こんばんは!

そうなんです、ビッヤンがマーに告げた言葉は衝撃的で、
その言葉を信じるなら一夜を共にするなんてあり得ない状況ですよね。

>彼女はマーを相手に、母親の初恋を追体験しているように見えるからだ。

そうそう!バーで会うだいぶん前から、母親が高校生の時に
付き合ってたマーを遠くから見てたような画面もありましたもんね。
「この人が本当の父親だったらいいのに…」とずっと思い焦がれた的な?

>主役二人の自然な表情と、青味がかった暗い場面が印象的な作品だった。

最初は夜のシーンが多くて全体的に暗く、後半からは徐々に昼のシーンが
増えていき明るいシーンが増えていったような気がするのですが、
これは2人の関係と比例してるのかなと今になって思えてきました。

2006年の作品ですが梁洛施は現在まだ23歳!しかも45歳の実業家の男性との間に
男児までいるそうな。女優復帰はないのかしら?

色合いの変化が素晴らしい!

TKATさん、おはようございま~す♪

おっしゃるように、はじめのうちは暗いシーンが多く、徐々に
明るいシーンが増えていきましたね。
「2人の関係と比例してるのかな」というTKATさんのご意見に、
「そう!そう!」と、思わずうなづいてしまいました~
こんな風に考えていくと、やはり二人の関係は彼女が口に出したこと
とは違うと、強く強く、思えてくるのです!

>「この人が本当の父親だったらいいのに…」とずっと思い焦がれた的な?
そういう眼差し、確かに感じました。そのときはまだ画面は暗くて、
それぞれがどんな人物なのかも、よくわかりませんでした。
ビッヤンもほとんどしゃべらないし…。

主演の梁洛施、実生活が映画の続編のようで、益々ミステリアス…。
独特の雰囲気を持った女優さんだから、また演技を観たいです。

非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。