天安門 : 夢の国・亞洲文化宮

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天安門

20110704



1995年/アメリカ/3時間9分(レンタルDVD)
監 督  リチャード・ゴードン(プロデューサー・カメラマン)
     カーマ・ヒントン(プロデューサー・インタビュアー)
ナレーター デボラ・エイモス
原 題  The Gate of Heavenly Peace
出 演(履歴、肩書きは事件前後及び映画制作当時のもの。)
     王 丹(ワン・ダン):広場指揮部副総指揮。禁固刑を経て米国へ。
     丁子霖(ディン・ズーリン):中国人民大学哲学部教授。息子を亡くす。
     韓東方(ハン・ドンファン):労働者自治連合会責任者。
                渡米後香港在住。
     戈 揚(ゴー・ヤン):北京女性記者協会名誉主席。米国へ亡命。
     戴 晴(ダイ・チン):作家。
     柴 玲(チャイ・リン):広場防衛指揮部総指揮。ボストン在住。
     封従徳(フォン・ツォンドー):広場指揮部副総指揮。事件後パリへ。
     吾爾開希(ウアル・カイシ):学生リーダー。台湾在住。
     呂京花(ルー・ジンホア):アパレルメーカーの営業職。米国亡命。
     劉暁波(リュウ・シャオボー):民主化運動当時米国から帰国。
     梁暁燕(リャン・シャオイエン):世界史教師。雑誌『東方』編集者。
     候徳健(ホウ・ドージェン):台湾の歌手。

<内容・感想など>
二部構成で計189分。中華人民共和国成立当時と文化大革命時の映像も交え、1989年の天安門事件の真相に迫るドキュメンタリーである。天安門広場が作られていく様子が興味深い。様々な歴史の舞台となった広場の今後も、想像させる描き方である。先日観た『亡命』の記憶も新しく、二作品が姉妹編に思える。

映像は1989年4月15日の胡耀邦の逝去から、6月4日の事件発生に到る経緯を丁寧に追い、検証する形をとっている。しかし「見ていないことはわからない」との言葉もあるように、どんなに沢山の声を集めても、真実は永遠に闇の中である。実際、事件による死亡者数が各メディア、組織で大きく異なるのだ。当時、事件翌日にある人から直接「天安門広場では誰も死亡していない」と言われ二の句が継げなかったのを今も覚えている。彼の立場が、今さらではあるが鮮明になってきた。発言者の立場によって事件の真相が異なる理不尽を、今再び感じている。年月がたって当時を知る人々が世を去ったら、事件は完全に風化してしまうのだろうか。結末はいつまでたっても先送りだ。

本作と『亡命』の両方に登場するのは王丹氏ただ一人である。1989年当時の姿勢を今なお貫く不撓不屈の人、という印象を強く受けた。当時、学生リーダーの中では、柴玲、ウアル・カイシの両氏が目立っている印象があった。柴玲氏の過激な言動とパフォーマンス、ウアル・カイシ氏の独特の容貌とリーダーシップが、海外メディアを引きつけていたと思う。本作品では、指導者間の権力闘争、言行不一致、早々と海外に向かった点を取り上げた上で、王丹氏の方を評価する姿勢を取っていると感じた。柴玲氏が涙ながらに訴えるビデオには見覚えがあり、彼女の命は危ういのではないか?と当時は手に汗握る思いだった。今再び見ると「捕まるのはイヤだ。釈放される頃には40歳になってしまう」という言葉がいかにも身勝手にきこえた。

昨年ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏は、天安門広場で学生たちを支援、説得した中の一人。歌手候徳健効果もあって10万人もの人々が広場に集結。彼らに向けてメッセージを投げかけるうちに「自分がこの世を変えられる幻想を抱いた」と話す。学生リーダーたちも、大勢を前にした演説で陶酔感に包まれ、変わっていったのだろうか。
なお、候徳健がヒット曲『龍的伝人』を熱唱するシーンに懐かしさを覚えた。(余談だが、後に王力宏がカバー、ドラマの主題歌にも使われた。)

ところで短い時間ではあったが、農村の人々が嘆願書を携えてやってきた映像が流れた。「この国では草の根運動はまだまだである」というナレーションが入っていたが、本来の民主化運動は、こうした生活に根差した人々の間から発するものではないか。学生たちの活動に「虚」を感じると同時に、20年以上たった今なお、生活者の生の声が政策に反映されないことに思い至った。

『天安門』、『亡命』に続くドキュメンタリーは、果たして今後作られるのだろうか。事件を風化させてはならないと考える人々、祖国の民主化を強く願う人々がいる限り、構想は続くのではないかと思う。

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