ドリアンドリアン : 夢の国・亞洲文化宮

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ドリアンドリアン

20110702

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2000年/香港/1時間57分(レンタルDVD)
監 督  陳 果(フルーツ・チャン)
原 題  榴蓮飄飄
英 題  DURIAN DURIAN
出 演  秦海〔王路〕(チン・ハイルー) 麥惠芬(マク・ワイファン)
     黄 明(ウォン・ミン)  楊美金(ヤン・メイカム)
     翁〔火韋〕曜(ユン・ワイイー)  白曉明(バイ・シャオミン)
     楊曉麗(ヤン・シャオリー)

<あらすじ>
牡丹江から出稼ぎで深圳に来たイェン(秦海〔王路〕)は香港での就労ビザを取得、娼婦として働いていた。彼女はよく、少女(麥惠芬)が母(楊美金)や妹と皿洗いをしている路地を通って「職場」へ行く。ある日用心棒の青年(翁〔火韋〕曜)が殴られて気を失い、イェンは皿洗いの少女と母親に警察を呼んでくれるよう頼むが、彼女らは頑なに拒む。少女の名はファン。父親は香港での就労ビザを持っているが、母親と娘二人は不法滞在者である。やがてイェンは、帰郷間際、親しくなったファンに自宅の住所を書いたメモを渡す。
牡丹江に帰り夫(白曉明)との離婚手続きを終えたイェンは、新たな商売を考え始めるがなかなか実行に移すことができない。そんなとき、彼女の元に大きな荷物が届く。

<感想など>
この当時、大陸から香港に出稼ぎに行く人々を映し出した作品には悲壮感の漂うものが多かったように記憶しているが、本作にはそういった雰囲気は全くない。

イェンは発泡スチロールに入った弁当を勢いよくかきこみ、仕事の依頼にはスピーディに応じる。仕事仲間とのコミュニケ―ションも円滑だ。色っぽさも可愛らしさもなく、仕事と割り切って体を売る姿には罪悪感など微塵もない。21歳という年齢よりもずっと大人に見えるのは、比類ないバイタリティによるのだろうか。

一方で、片足を失った父親と母親、姉妹の4人の家族模様が同時展開する。父親はハンディを感じさせないほど日常生活を巧みにこなし、家族のために働き通す。母娘たちは、警察の存在に怯えながらも明るい日々を過ごす。家族団らんの様子は微笑ましい。

イェンにしても、ファンの家族にしても、香港の観光地に行く暇もないほど汲々とした生活を送っているはずなのに、表情には余裕がみられる。ドリアンが凶器となっているのもおもしろい。

牡丹江に帰ってからのイェンは、香港での彼女とは全くの別人に見える。どぎつい化粧を落とし、髪も短くそろえている。彼女は成功者として迎えられたがその仕事内容は誰も知らない。将来の道がなかなか開けないからか、あるいは罪悪感からか、香港のときに比べ表情が冴えない。親戚からは従妹(楊曉麗)を南に連れて行ってくれと頼まれるが彼女は返事に窮する。

イェンは元々京劇を学んでいたが、これでは生計は立てられないと、早々と見切りをつけていたのだった。一方、かつての経験を活かしてグループを組む元夫ら京劇仲間は、レストランでショーを見せている。やがて彼らは南方へ向かう汽車に乗る。芸人を目指すのだろうか。従妹も知らない間に去っていく。去る者の表情は希望に満ち、留まる者の表情には不安感が垣間見える。果たして、去った者たちは、今度はどんな表情で戻ってくるのだろう。

ファンから突然送られてきたドリアンが、彼女の道を方向付けたとも思えるような結末だった。ドリアンの豊富な香港へ行こうというのではない。「自分の故郷が一番」というファンの言葉が、ドリアンの果肉の甘さとともに、胸いっぱいに広がっていく気分。香港で過ごした時間は、やはり彼女にとってかけがえのないものだったと思う。

あれから10年余り。イェンやファンはどうしているだろう。今でもドリアンは南から北へ運ばれているだろうか。ファンは京劇を舞うイェンの姿を見ただろうか。こんな風に考えると想像が広がっていき、楽しくなってくる。

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