亡命 : 夢の国・亞洲文化宮

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亡命

20110615

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2010年/日本/1時間58分(劇場にて鑑賞)
監 督  翰光(ハン・グアン)
原 題  Outside the Great Wall
出 演  鄭 義(ジェン・イー):作家
     高行健(ガオ・シンジャン):劇作家・画家
     王 丹(ワン・ダン):歴史学者
     楊建利(ヤン・ジャンリ):政治活動家
     張伯笠(ジャン・ボーリ):牧師
     胡 平(フー・ピン):政治評論家
     黄 翔(ホアン・シャン):詩人
     徐文立(シュウ・ウェンリー):政治家
     馬徳昇(マー・デシェン):画家
     王克平(ワン・クーピン):彫刻家
     陳邁平(チェン・マイピン):小説家・劇作家

<内容・感想など>
故郷中国を離れ異国での生活を余儀なくされている人々の声を集めたドキュメンタリー。彼らの現在と、1989年の天安門事件、さらにさかのぼって1960年代に始まる文化大革命の映像を織り交ぜながら、祖国とは何か、なぜ「亡命者」が存在するのかを、問いかけている。監督の翰光氏は1987年に来日。日本に拠点を置き、ドキュメンタリー映画を撮ったり、小説を執筆したりするなどの活動をしているとのこと。

まず、アメリカに亡命した鄭義氏の食卓から物語は始まる。ジャーナリストの北明氏は奥さん。「この人は本当に料理上手なの」と話す。15歳の娘さんは「ママは食材を全部一緒に入れちゃう」と、茶目っ気たっぷり。これから壮絶な経験が語られるとは思えない、明るい風景である。

作家として大事なのはその土地に根づいていることだと、鄭義氏は語る。逃走中匿ってくれる人々に迷惑を掛けられないと、亡命を決意した氏の心中は、おそらく波乱を知らない者には理解し切れないと思う。また、文化大革命中の凄惨な出来事には耳を覆いたくなった。

歴史学者王丹氏の顔は、天安門事件当時、新聞でよく見たものだった。針金みたいな細さが、年月を経て骨太な精悍さに変わっている。6年もの獄中生活でも折れない精神、現在も民主化運動に尽力している姿と力強い言動が、心に刻み込まれた。

牧師である張伯笠氏の、旧ソ連への国境越えの話には緊迫感が漂う。判断が少しでもずれていれば命はなかったのだ。普段ピンとこない「命がけ」という言葉が、急にわきあがってきた。

詩人黄翔氏の朗々とした語りや、高行健氏の墨の芸術など、五感を刺激させる演出も印象深い。民主を望む人々の先頭に立つ楊建利氏らの活動も精力的だ。異なる分野にいる人々が、一つの目的に向かい自分自身の手段で訴えていく。その意気込み、熱気がスクリーンの向こうから伝わってくる。

最後もまた鄭義氏と家族が登場。のびのびと育つ愛娘は、両親の過去をどのくらい理解しているだろう。彼女が両親と祖国を見る日は来るのだろうか。彼女のような立場の子供たちはたくさんいることだろう。海外で成長した子供たちは、親の想いをどれだけ受け継いで生きていくのだろうか。そうしたことをいろいろと、とりとめもなく考えていた。

文化大革命、天安門事件を歴史上の一つの流れとしてとらえ、それぞれについての考え方をはさんでいる。そんな展開が、説得力を強くしていると思う。天安門事件から22年たった今年は、新聞紙上に関連事項をみつけることができなかった。今年は国内に報道すべき事柄が多いのもその理由と考えられるが、記憶が遠のいている感も否めない。今なお祖国の民主化に向け尽力している人々がいるのだということは、頭の中に入れておきたいと思った。

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