風の輝く朝に : 夢の国・亞洲文化宮

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風の輝く朝に

20110504

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1984年/香港/1時間39分(香港電影天堂SPECIALで鑑賞)
監 督  梁普智(レオン・ポーチ)
原 題  等待黎明/HONG KONG 1941
出 演  周潤發(チョウ・ユンファ) 萬梓良(アレックス・マン) 
     葉童(イップ・トン) 午馬(ウー・マー) 石堅(セッ・キン) 

<あらすじ>
1941年の香港。フェイ(周潤發)は米倉庫での労働中、米を盗んでいるカン(萬梓良)と意気投合。カンにはナン(葉童)という恋人がいるが、フェイは彼との絆を深めていく中で、いつしかナンを好きになっていた。やがて日本軍の到来を知った彼らは脱出を試みるが失敗。フェイは信念を曲げて日本軍の手先となる。それはカンとナンのためでもあった。実はナンの方もフェイに心が動いていた。フェイにもそれはわかっていたが、彼に親友を裏切ることなどできるはずはなかった。

<感想など>
何て切ないトライアングルだろう。三辺は共鳴し、最高の音色を作り出している。危機を乗り越えるたびにその音色は美しくなっていく。しかし後の運命を思うと、あまりにも悲しい。

元々役者のフェイは一つ所にとどまる性質ではない。彼はいつも頭の中に世界地図を広げ、自由に飛び回る夢を見ている。香港を危険と察して三人で逃げる算段をするが、カン一人が遅れたためにナンは乗船できず、フェイを乗せた船はどんどん岸辺から離れていく。

ナンはフェイの差しのべた手を拒む。
さあ、どうする?
と思った時、フェイは船から海に身を躍らせる。

私事よりも友情を優先するフェイ。
日本軍制圧下の香港では、厳しい暮らしを強いられる。そんな中でフェイの役者ぶりが功を奏し、幾多の困難を切り抜けていく。カンとナンにとって、フェイは不可欠の存在だ。フェイとカンでは明らかに力量に差がある。それはカンも十分承知だ。心の中でフェイと自分を比べて焦り、無謀な行動に出て自らを窮地に追い込んでしまう。

捕えられたカンを救出するために、フェイは絶体絶命のカンの前で芝居を打つ。「お前の女と寝た」と。私はカンの怒りの表情を見た時、フェイの言葉を真に受けたと思った。一瞬騙すのも作戦のうちであると。しかし後の場面から察するに、彼もまた瞬時に芝居で切り返したのではないだろうか。二人の間に裏切りなど存在しないのは百も承知。色々な解釈ができる場面だと思った。

苦しむカンの口元に阿片を吹きかけるナン。その仕草がなまめかしく、女の私もゾクゾクするほどだった。その姿を離れた場所で見つめるフェイの表情が切なさを誘う。ナンはそんなフェイを背中で感じている。寝ているカンの近くで、フェイとナンが密かに感情をぶつける場面もまた切ない。

結局自己犠牲を自分の進むべき道と決めたフェイ。
途中で何度も、フェイとナンが一緒になれたら…と思ったが、それは二人にとっても本意ではないのだろう。

冒頭とラストで夕日の中に映し出されるのはナンの姿だ。たびたび発作を起こし、長生きできないのでは?と言われていた彼女が、今この時をしっかりと生きている。

トライアングルの余韻がまだ残っている。


trackback

風の輝く朝に(等待黎明) :龍眼日記 Longan Diary

1941年、日本軍の侵略に揺れる香港。 もと役者のフェイ(周潤發:チョウ・ユンファ)はオーストラリアでの 一攫千金を夢見て香港からの脱出を考えていた。 そんなある日日雇い仕事で知り合ったカン(萬梓良:アレックス・マン)と カンの幼なじみのナン(葉童:イップ...

コメント

夕日

孔雀の森さん、こんにちは。
この作品・・・やはり名作だと思います。
三人三様の心が言葉にしなくてもスクリーンを通して私たちに手にとるように伝わり切ないですよね。
ゆるぎない友情の中、それぞれがどこか自分の気持ちを一歩引いているような。
孔雀の森さんが書かれているとおり、あのナンがカンに阿片を吹きかけるシーンはとても官能的でしたね。
あの時代に生きていなければ3人の人生はどんなふうになったのかしらと思う一方で、
あの時代だからこそ3人の絆はこれほどまでに強かったのかもしれません。

絆の強さ

sabunoriさん、おはようございます♪
おっしゃるように名作ですね!
本作品の前に観た『過ぎゆく時の中で』と比べてもそれがわかります。
そして私も、あの時代でなかったら…と思わずにはいられません。
フェイはずっと一獲千金の夢を追い続けたのでしょうか。
カンは金鉱を見つけられたのでしょうか。
でもナンは、意に沿わない結婚をさせられていたかも知れません。
絆を深めていく三人を応援する(という言い方も妙ですが)一方で、
いつまでも三人一緒にいられるはずもないだろうと、ある種の不安を
感じていました。
監督さんも出ていたのですね。初めて聞くお名前で、顔も知りませんでした。
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Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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