再会の食卓 : 夢の国・亞洲文化宮

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再会の食卓

20110209

tuanyuan.jpg

2009年/中国/1時間37分(劇場で鑑賞)
監 督  王全安(ワン・チュエンアン)
脚 本  王全安(ワン・チュエンアン) 金娜(ジン・ナ)
原 題  団圓(APART TOGETHER)
受 賞  2010年度ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀脚本賞)
出 演  盧 燕(リサ・ルー) 凌 峰(リン・フォン)
     徐才根(シュー・ツァイゲン) 莫小棋(モニカ・モー)
    
<あらすじ>
上海で暮らすユィアー(盧燕)の元に、数十年音信不通だった元夫イエンション(凌峰)から手紙が届く。台湾在住の彼が上海に来るというのだ。ユィアーの夫ルー・シャンミン(徐才根)は宴の準備を整え、息子、2人の娘、2人の孫、そしてユィアーと共にイエンションを歓待する。実はイエンションは、ユィアーを台湾に連れて行くために来たのだった。ユィアーもイエンションと行動を共にする気持ちになり、夫シャンミンは離婚を決意する。

<感想など>
体験者や身近に体験者がいる人、時代背景をよく知る人にしか理解できないだろうと、最初は思った。主人公が元夫と過ごした期間はたった一年。国民党兵士の夫が混乱の中台湾に去り、妊娠していた彼女は現夫に助けられる。そして二人は苦難の道を歩んで今日まで生きてきた。そんな長い年月が、わずか一年の熱愛に負けてしまうのか。シャンミンがどうしようもない男ならわかるが、彼はとても優しく、心から妻を愛している。血のつながらない子を実子同様に可愛がってきたのだ。そんな夫の気持ちを踏みにじろうとする妻と、あまりにも寛大すぎる夫、そして家族を崩壊させようとする元夫。何なのだ、この人たちは? 

はじめのうちは、ユィアーの子や孫の立場に沿って観ていた。やがてシャンミンが本心を吐露するようになると、気持ちが彼の方に傾いた。イエンションは遠来の客だが「敵」でもある。そんな相手を心からもてなそうとする背景に、苦難を共有しようとする思いを感じた。イエンションもまた、シャンミンを「大哥」と敬意をこめて呼ぶ。もしかすると二人は、妻(元妻)よりも、互いを深く理解しているのかもしれない。

シャンミンは酒の席でいつになくテンションが上がり、他の客とトラブルを引き起こした挙句脳梗塞で倒れてしまう。イエンションは献身的にシャンミンを介護する。そんな中、亡き妻直伝のスープを作っている際に発した彼の言葉が忘れられない。その妻は相当な焼きもちやきだったというのだ。終始梅干を口に含んでいるかのようなすっぱそうな顔が、ほんの少し綻んだ気がした。ユィアーはその表情を見逃さなかった。

最初あまりにも情熱的な恋愛を体験してしまった二人にとって、「愛」とはそれ以外の何物でもなかったのだろう。けれども今になって、長年一緒に暮らした二人にも愛は確かに存在すると気づく。離婚するために結婚証明書を取得した二人は、晴れて法律上の夫婦となったわけだ。この証明書を取得するまでの経緯や、イエンションが『こぬか雨』を歌い始めた途端の土砂降りなど、笑いどころもあって、心揺さぶられる97分だった。三人が食卓を囲んで思い思いに歌う場面は圧巻。固い絆で結ばれた友という雰囲気だ。

パンフレットには、盧燕は1927年生まれ、凌峰は1945年生まれ、徐才根は1932年生まれとある。ええ、そんなに年齢差のある夫婦だったの?と、びっくり。凌峰の渋面は老け顔を作るための工夫だったのか。(素とも受け取れるが。)いやいや、盧燕が実年齢よりはるかに若く見えるのだ。

『ラスト・エンペラー』、『ラスト・コーション』にも出演したという盧燕を、もう一度見たくなった。

trackback

「再会の食卓」 :TK.blog

『再会の食卓』  団圓  APART TOGETHER 製作年:2010年 製作国:中国 監督:ワン・チュエンアン(王全安) 出演者:リサ・ルー(盧燕)、リン・フォン(凌峰)、シュー・ツァイゲン(許才根)、...

再会の食卓(団圓) :龍眼日記 Longan Diary

上海で夫シャンミン(許才根:シュー・ツァイゲン)や子供、孫に囲まれて 暮らすユィアー(盧燕:リサ・ルー)のもとに届いた1通の手紙。 40年前に生き別れた夫イェンション(凌峰:リン・フォン)が台湾から戻ってくるという。 戸惑いながらもイェンションを食事に招き

再会の食卓 :虎猫の気まぐれシネマ日記

設定も舞台もまったく違うのに,なぜかテニスン作のイノック・アーデンを少し思い出した・・・何年かぶりに夫が帰郷を果たしてみたら,妻は他の男性と幸せな家庭を築いていた,というところが被ったのか?戦争で台湾に渡った夫と生き別れ,上海で新しい夫や家族と平穏に暮...

コメント

台湾との合作だと思ってましたが中国映画だったんですねー

こんばんは、孔雀の森さん☆
私も最初は3人の決断に驚き、長女の意見が一番当たり前の反応だと思って見てました。
中国と台湾の政治的背景や、時代を責めたり恨みごとを言うことなく
あくまでもそういう運命を辿るしかなかった3人に焦点にあて、
時代が移り変わる上海を舞台に描かれてましたね。

>終始梅干を口に含んでいるかのようなすっぱそうな顔
なんてナイスな表現、ピッタリです(笑)。最初私は忘却の彼方を見るかように
わざとこんなお顔をされているのかと思ってましたよ。。

>盧燕が実年齢よりはるかに若く見えるのだ。
私もパンフを見てびつくり!元夫とは18歳も差があったとは!
しかも80過ぎてもなお色艶あるなんて。
失礼ながら中国の下町にこんな美人で品がある女性いないって~!
って突っ込みたくなりましたw

そうそう、盧燕が話している言葉って上海語ですか?
全く聞き取ることが出来ず中国語以外の言葉に聞こえました^^;
私の中国語勉強はまだまだだわ~。

おいしそうな家庭料理!!

TKATさん、こんにちは♪
3人の決断には驚きましたね。
いくらなんでもそれはないでしょ、と思わずつぶやいて
しまいました。

>あくまでもそういう運命を辿るしかなかった3人
そうなんですよね。
この時代を知らない者にはなかなか理解しがたい状況と思いました。

>忘却の彼方を見るかようにわざとこんなお顔をされているのか
なるほど、そういうお顔でしたね!長年積み重なった「想い」が
感じられるお顔でした。

おっしゃるように80を超えてなお色艶のある方ですから、
この奥さん、若い頃は美人で評判だったのでしょう。
現夫が二人の台湾行に同意した背景に「自分にはもったいない妻」
という気持ちが見え隠れするようで、ちょっと切なくなりました。
これ、今になって思うことです。

盧燕は上海語を話しているようですね。私は聞き取れないです。
上海で生活していたから話せると、何かで読んだ記憶があります。
盧燕、ほんとに素敵な方だなあと、憧れています。

不思議な絆

孔雀の森さん、こんばんは。
私もリサ・ルーの実年齢を知ってビックリしました。
なんて愛くるしい80代なのでしょう。
若い頃は更にものすごく可愛らしかったんでしょうねぇ。
>終始梅干を口に含んでいるかのようなすっぱそうな顔
ぷぷぷ!本当ですね!
最初にタクシーを降りてユィアーと対面したときには懐かしさのあまりにこんな表情なのかと
思っていたらその後もずっと同じ顔なのでビックリしました。(笑)
上海語は「あぁ上海語だな」とわかるだけで理解は全然できませんね。
広東語以上に北京語から遠い発音だなぁと思ってしまいます。

TB文字化けの件、お気遣いいただきスミマセンー。
孔雀の森さん以外の方もたまに文字化けしてしまうので多分私サイドの問題なんだと思います。
気になさらずこれからもTBしていただければ嬉しいです♪

息子の気持ち

sabunoriさん、こんばんは♪
複雑な表情を見せる中年の息子が、なんだか子供っぽく見えました。
おっしゃるように、彼の本心はよくわかりませんね。
シャンミンに育ててもらったことには、感謝していると思いました。
彼がいまだに独身である背景も気になるところです。
母は台湾行を決意したとき、息子のことはどう考えたのかしら。
なんとなくこの息子、まだ母離れしていない気がして…。
感想を交換しているうちに、いろいろな思いが浮かんできました。

リサ・ルーが、『姨媽的後現代生活』で主人公の隣人を演じているのを
思い出しました。
ひらひらした優雅なおばあちゃんで、いつまでもこんな風にきれいで
いられたらいいな、と思いました。

TBさせていただきました。かえってお気遣いいただき、恐縮です。
また文字化けしているかもしれませんが、ご容赦くださいませ。

3人で歌うシーンが頭から離れません。互いに苦労を理解しあって
いるのですね。そんな姿が余韻となって今も響いてくるようです。

お久しぶりです

すっかり涼しく・・・いえ,寒くなってきましたね。
季節的には一番しのぎやすい気候になりました。

この作品は私も背景の歴史も知りませんが
登場人物の心情が,「普通そういう反応しないでしょ?」と
いろいろ不可解でそれゆえに心惹かれて観ました。

>そんな長い年月が、わずか一年の熱愛に負けてしまうのか。
それそれ・・・私もそう思ったです。
駆け落ちのようにして結婚した二人だから余計に激しい愛だったのかな?
それにあの現夫さんの優しさにも感動しつつ「無理してない?」と
心配してしまい,酔った彼が本音を漏らしたくだりは
かえってホッとしました。
でもおっしゃるように,現夫さんと元夫さんの間には
あの国のあの時代の苦労をしたもの同士にしかわからないような
不思議な親近感や共感があったのかもしれませんね。

こちらこそお久しぶりです

ななさん、こんばんは♪
この活動しやすい時期にすべてやってしまおう!と思いつつ
年末までぐずぐずしてしまう私です。(笑)

さてこの作品、なかなか理解しがたい展開もありましたね。
でも、おっしゃるように心惹かれる魅力があり、最後まで釘付けでした。

>あの現夫さんの優しさにも感動しつつ「無理してない?」と
心配してしまい
私もまさしくそういう思いで見ていました。
耐え忍ぶのが普通、というような生活を送ってきた方なのかなと、
感じました。
今の奥さんは自分にはもったいない、という気持ちを常に持って
尽くしてきたのかしら~
愛する妻の思うように、といっても元夫とのよりを戻すことに
賛成するなんて、普通考えられないし、その超寛大な愛情に乗っかる
奥さんも奥さんだ~(はじめはちょっと怒っていた私です:笑)
旦那さんは病気を患ってしまいましたが、本音を吐露してよかったのですね。

両岸の複雑な関係を、時には切なく、時にはコミカルに
描き出している作品として、貴重な一本を鑑賞した思いです。
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Author:孔雀の森
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