ジャライノール : 夢の国・亞洲文化宮

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ジャライノール

20110125

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2008年/中国/1時間32分(劇場で鑑賞)
監 督  趙 曄(チャオ・イエ)
原 題  扎賚諾爾
英 題  Jalainur
出 演  劉遠生  李治中

<あらすじ>
内モンゴル自治区のジャライノール鉱山。石炭運搬車の機関士ジュー(劉遠生)は定年退職を目前に控えていた。警手のリー(李治中)とは親子以上に年が離れているが、2人は仲が良くいつも一緒だ。ジューが職場を去る日、リーはいつまでもジューから離れようとせず、とうとう汽車に乗ってジューの故郷までついてきてしまう。しかし彼はジューの娘とその夫が迎えに来ているのを見てようやく別れを受け入れるのだった。

<感想など>(ラストに関するネタバレを含んでいます)
舞台は中国の最北端、満州里市。ロシアとの国境に近い地域である。解説によれば、炭鉱は100年もの歴史があるが、近年坑が枯渇して、労働者は解雇の危機にあるという。

観始めてすぐ思い出したのが『1978年、冬』だった。蒸気機関車、寡黙な男たち、白い大地の映像からだ。しかしすぐにその作品とは異種だと気づく。本作品には過酷な労働の現状、人に対する恨み、政治への不満などの「問題」は一切描かれない。画面に流れるのは2人の男の表情と動き、そして連続する一大パノラマ写真だ。

とにかく風景がいい。見飽きない。蒸気機関車に特別興味があるわけではないが、凍てつく大地を走る何本もの線路、そこを行き来する蒸気機関車、空に向かって真っすぐ立ち昇る白い煙に、目が釘付けになる。ストーリーは二の次だ、なんて思ってしまう。機関車が引っ張るのは幅の広いトロッコである。青い空、白い雪、黒い機関車。くっきりした色分けが目を刺激する。すべてが初めての光景だ。

こうした舞台で別れの心情が描かれる。台詞が少ないので状況を把握するのが難しい。そこで、映像をそのまま受け入れ、わからなければ仕方ないと、気持ちを切り替える。

機関車の中での飲酒が禁止であるにもかかわらず、ジューとリーはその掟を破る。2人だけの秘密であることを楽しんでいるかのようだ。年齢差のある2人だが、師匠と弟子、上司と部下といった上下関係があるようには見えない。もちろん、仕事上で教えたり、教わったりすることはあるだろうが、画面にはそうした仕事上のやりとりは描かれない。ジューにリーが甘えているのは伝わってくる。仲の良い二人もいずれは別れなければならない。ジューが定年の日を1か月繰り上げたのは、互いに気持ちを引きずらないようにするためか。

炭鉱からジューの故郷までの道のりは半端ではない。トラックを乗り継いで大きな駅へ。ここでジューは数度目の、最後のさよならを告げるつもりだった。ところがいざリーの姿が見えなくなるとカラオケマイクを握って自分から彼を誘い出す。列車に1日以上乗ってようやく故郷の駅へ。リーが、駅に出迎えたジューの娘夫婦を見たときの狼狽ぶりが忘れられない。自分がよく知っているジューが急に遠くなってしまった気分ではなかっただろうか。

国境の鉄条網に鳥が引っ掛かっている。そのすぐ近くで、リーは上半身裸で若者たちとバスケットボールに興じている。しかしすぐ飽きて立ち去ってしまう。あっけにとられる若者たち。彼はこの先、ジューのいない炭鉱でしっかり生きていけるのだろうか。

ラストに再び二人が機関車でビールを飲むシーンが映し出されるが、これは過去か、それとも現在か。私はこれを現在だと考えたい。

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