龍票 : 夢の国・亞洲文化宮

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龍票

20110116

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2004年/中国/ 全44回/14DVD’s(レンタルDVD)
監 督  龔藝群(ゴン・イーチュン) 桑 樺(サン・ホア) 
出 演  黄暁明(ホァン・シャオミン) 修 慶(シウ・キン)
     張志堅(チャン・ジージエン) 朱 琳(ジュウ・リン)
     孫 寧(スン・ニン) 秦 嵐(チン・ラン)
     呉 婷(ウー・ティン) 蒋 欣(ジアン・シン)
     舒耀暄(シュー・ヤオシュエン) 高蘭村(ガオ・ランツン)
     薛中鋭(ビー・チョンルイ) 樊志起(パン・ジーチィ)
     孫姿伊(スン・ズーイー) 陳 創(チェン・チュアン)

<内容・あらすじ>(完全ネタバレです)
19世紀半ば、内憂外患に悩まされていた清国が舞台。
山西の義誠信票号の二男、祁子俊(黄暁明)は、北京の骨董店で奕訢(修慶)と玉麟皇女(呉婷)から<龍票>を手に入れる。その頃横領の濡れ衣を着せられた役人と、子俊の父、兄が死に追い込まれる。この件には瑞王爺(薛中鋭)、黄玉昆(樊志起)、楊松林(舒耀暄)が関わっていた。役人の娘潤玉(秦嵐)は遠地送りとなり、子俊は義誠信を継いで、兄嫁だった関素梅(孫寧)と結婚する。

子俊は義父関近儒(高蘭村)の指南で商売の旅に出る。途中、歌舞を披露する潤玉に一目惚れ。以後生死のかかった難局に幾度も遭遇するが、持ち前の機転と運で切り抜ける。片腕に抜擢した蘇文瑞(張志堅)の働きも功を奏し商売を広げていく。

彼は、太平天国に捕えられたときは、幹部の席慕筠(蒋欣)から信頼され命拾いするが、その条件は朝廷からの物資調達だった。後には塩の密売にも深くかかわる。こうした諸事が、自らの首を絞める原因ともなった。

子俊の妻素梅は、先夫との子世禎と、子俊との子世祺の養育に悩んでいた上、夫の浮気を疑っていた。彼女は次第に心を病み、ついに池に身を投げる。世禎は子俊を深く恨み、祁家に居場所がないと悟り家を出る。

子俊は朝廷を利用して商売を拡大、官位を賜るまでにのし上がる。やがて清の腐敗に激怒した議政王(修慶)は、黄玉昆や楊松林らを粛清。瑞王爺はショック死する。子俊は戸部銀行の設立を任されるが、子俊から出資を依頼された山西商人たちは反対の意を示す。

<感想など>
昨年秋から、レンタル半額サービス時に1巻ずつ借りてチビチビ鑑賞。ようやく全44回を終えた。

山西商人と言えば、映画『白銀帝国』やドラマ『殺虎口』を思い出す。後者の最終回、山西商人を解説する場面で、背景が明らかになった記憶がある。
今回理解に苦しんだのは、『白銀帝国』同様、経済用語だった。日本語字幕なのに、である。そのため、全巻観終えるのに他作品の数倍時間がかかっている。字幕担当の方、ほんとうにご苦労様と言いたい。

表題の『龍票』とは皇帝の玉璽印入りの手形を意味する。開国時、清の太祖ヌルハチが豪商から借金した際に発行した証文で、これを持つ者は建国の功労者とされたとのこと。ドラマではこの伝説をもとに、手形を持つ山西票号のたどった道筋を描いたという。

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主演の黄暁明は、今まで観た中で一番の演技だと思う。彼の売りは「かっこよさ」だが、<祁子俊>は、必ずしもかっこいいとは言えない人物だ。真の自分を偽って朝廷に媚びる姿は卑小に映る。親の仇である楊松林と義兄弟のように付き合う姿も見苦しい。また、献身的な妻に素っ気なく、兄の子と自身の子を差別していることにも気づいていない。蘇先生が子俊に対し「直観力、抜群の能力がある理由がわかった」という内容の台詞を言うが、それは、子俊のある種の「鈍感」を言っているのではないか。商才に長けながら大事なことを疎かにしてしまう男。そんな彼も晩年(ずいぶん若い晩年なのだが)になってようやく己に足りなかった面に気づく。長男と抱き合って涙するシーンには、こちらまで泣きそうになった。一商人の青年から中年までを、黄暁明が丁寧に演じている。

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物語の軸は、朝廷と商人の「持ちつ持たれつの関係」にあると言えよう。特に祁子俊と奕訢(後の議政王)は、切っても切れない関係になっていく。
奕訢自身は腐敗した清を立て直そうという気概を持ち、能力も高い。しかし所詮彼も宮廷育ち、民間には昏い。そんな彼にとって祁子俊との交流は見識を広める絶好の機会だ。ところが議政王は金づるである彼を失いたくなくて、子俊の罪状を知りながら関係を持ち続ける。
演じる修慶も素晴らしい。度量の大きさを見せながら、権力で人々を打ち落とす姿には、底知れない恐ろしさを感じる。最後、子俊との丁々発止のやりとりは、実に見ごたえのある場面だった。子俊がいなくなったら生き甲斐がなくなってしまうのでは?

主人公祁子俊を取り巻く女性は4人。
関素梅は、母(朱琳)の希望(ほとんど命令)で子俊と再婚。最初は意にそぐわないと思っていた両者だったが、次第に心を通わせていく。素梅は子俊を深く愛し、姑にも忠実で、大商家の切り盛りも上手にこなす。しかし留守がちの夫はたまに帰ってきてもよそよそしい。「薄幸」とはまさにこの人のこと。

太平天国の幹部、席慕筠は祁子俊を追い詰めるが、いつの間にか彼を愛するようになっていた。いろいろ変装をするのだが観ている方にはバレバレ。子俊から「君のような義侠心のある女性は初めて」と言われる。思えば故郷では彼が死んだと思われている時期だった。妻、素梅とは反対のキャラクターとして描かれている。4人の中ではこの人が一番好き!

奕訢の妹、玉麟皇女は、愛する男が別の女を好きだとわかっていても自分の気持ちを貫き通す、究極の我儘娘。そんな彼女につきまとわれる子俊がお気の毒。そしてついに西太后に彼との結婚を認めさせてしまう。うるさくていやな女だが、彼女の存在はスパイスにもなっているから貴重だと思うことにしよう。

潤玉は北京で劇場を切り盛りしている。最初子俊に冷たかった彼女も、だんだん彼に惹かれ、ついに両者は相思相愛の仲に。二人の共通項は肉親の敵討ち。物語のもう一本の軸である。彼らは最後までプラトニックだったような気がするのだが実際どうだったのだろう。

悪役たちもまた魅力的だ。
私利私欲にとりつかれた瑞王爺。目の下のたるみは悪行の象徴か。やっぱり!と思わせる最期だった。
山西の役人楊松林は、登場時間が長い一人だったのではないか。祁子俊との長期にわたる駆け引きは見どころの一つ。小者キャラではあるが、よ~く見ると結構整った顔をしていた。この役者の温厚な役柄も見てみたい。
善玉か悪玉か、ちょっと見ではよくわからないのが黄玉昆。ちょい悪おやじ的雰囲気を漂わせていた。この人も品のいい顔立ちで、パリッとした背広姿を見てみたくなった。

面白いのは、皇帝や西太后が一度も登場しないこと。なのに存在感はひしひしと伝わってくる。「聖旨〈ションジー〉!」の一言で、ドラマで最も威厳のある議政王がひれ伏すのだ。こちらまで「はは~」とかしこまってしまう。

最後の疑問。もし『龍票』を手にしていなかったら、彼は別の人生を歩んでいただろうか。

見ごたえのある44話。国民のことより党内抗争に躍起となっている今の政治家と、重ね合わせてしまった。
まだまだ書きたいことが、次から次へとあふれてくる状態。
初対面の役者の中には、他の役柄を観たいと思わせる、魅力的な人が多かった。
黄暁明のメリハリのある演技はずっと眺めていたい気分!現代劇より時代劇の方が生き生きとしているように見える。
また、黄暁明出演の時代劇(放置中の『鹿鼎記:ろくていき』を含め)を観ていくことにしよう。

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