海炭市叙景 : 夢の国・亞洲文化宮

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海炭市叙景

20101227

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2010年/日本/2時間32分(劇場で鑑賞)
監 督  熊切和嘉
原 作  佐藤泰志『海炭市叙景』
出 演  谷村美月 竹原ピストル 加瀬亮
     三浦誠己 山中崇 南果歩 小林薫

<内容・あらすじ>
海炭市(モデルは函館市)を舞台としたオムニバス作品。
兄妹(竹原ピストル、谷村美月)は二人肩寄せあって生きてきたが、兄は勤務する造船所を人員整理のため解雇されてしまう。元旦に初日の出を見た後、妹はロープーウェーで下山し、兄は徒歩で麓へ向かう。

老女の周囲の家はすべて地域開発のため立ち退いて、彼女の家だけが残っていた。市役所に勤める甥(山中崇)が説得に訪れるが、彼女は頑として聞き入れない。

プラネタリウムに勤める夫(小林薫)と水商売をする妻(南果歩)は危機的状況にある。一人息子は親とほとんど口をきかない。ある晩、夫は妻の勤務先の近くに停車して、彼女が出てくるのを待つ。

父のガス店を継いだ若社長(加瀬亮)は仕事がうまくいかず、再婚した妻に当たり散らしていた。妻は夫の不倫を知り、夫の連れ子に暴力をふるう。

路面電車の運転手は、仕事中息子(三浦誠己)の姿を見かける。息子は東京から出張で故郷に来ていたのだった。父子にはわだかまりがあって長い間顔を合わせていなかった。

<感想など>
原作者は、芥川賞に5回ノミネートされながら受賞は果たせなかった佐藤泰志。劇場ロビーに貼り出された関連記事には、作者の不遇だった人生と、映画の沈んだ背景が書かれてあり、読んでいくうちに暗い気持ちになっていく。

そんな予備知識通りの作品だった。
兄妹が拝んだ初日は赤いけれども明るく見えない。老女は甥からたばこの吸い過ぎを注意されても、長生きしたくないと、投げやりな様子。プラネタリウムの星空はきれいだが、彼が住む家は薄汚い。ガス店社長の暴力と妻のとがった態度には身震いした。路面電車運転手と息子はどことなくよそよそしい。未来へ歩みだしている人もいれば、絶望の淵に漂う人もいる。この映像に何の意味があるのか、と思いながらも、つい引き込まれてしまうのが不思議だった。

小林薫、南果歩、加瀬亮といった実力派から、演技が初めてという役者まで、バラエティに富んだ顔ぶれだ。そんな彼らが紡ぎだしているのは、日常のありふれた会話や仕草である。特にバーの女性たちのおしゃべりは実に自然で、とても台詞には聞こえない。路面電車の行先表示や停留所、商店の看板を眺めているうちに、自分がその街角に立っているような、リアルな感覚を呼び起こされた。

2時間半余り暗闇をさまよっていた気分。すべてが淡々としていて、気がつけば終わっていた。内容は不幸95パーセント、未来への希望5パーセント。このたった5パーセントでかなり救われた気持ちになった。今度原作を読んでみよう。

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