ブレイズメス1990 : 夢の国・亞洲文化宮

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ブレイズメス1990

20101225

1990.jpg

著 者:海堂 尊
発 行:講談社
刊行年:2010年7月

<あらすじ>
時代は1990年。東城大学病院に勤務する世良雅志は、ニースで講演する垣谷に付いて渡仏する。彼のもう一つの目的は、佐伯院長の命令により、モンテカルロ・ハートセンター部長の天城雪彦を帰国させることだった。その目的は果たされる。ところが天城の考えは学内の反発を買い、孤立無援状態に。佐伯は世良に、天城の付き人になるよう指示する。天城の心臓外科医としての腕は超一流。彼は桜宮市に『スリジエ・ハートセンター』を設立する前段階として、東京国際会議場に一日限りの手術室を設営し、公開手術を行う。

<感想など>
『ブラックペアン1988』に続く物語。大学内外の凄まじい権力闘争が細かく描写されていて、医療を受ける側としては不安をかきたてられた。

今回の初対面は天城先生。素晴らしい手技の持ち主で、モナコで一目置かれるギャンブラーでもある。彼は、患者の財産の半分を報酬とする契約で手術をするという。他の登場人物同様、医師としてあるまじきこと、と思うのだが、彼は決して悪者扱いされているわけではない。資産を多く持つ者を優先的に助けるという彼の考え方が、未来の医療を熟考した上での論理として説明されているのだ。

天城はまるでスター扱いだ。腕がいいのは当然のこととして、容貌はいいし口も立つ。中東の産油国やモナコの王族と懇意で、途方もない額の金を動かす力を持っている。世良は、そんな天城に対し、言葉に表せない不安を抱く。それがどんなことなのかは続編のお楽しみとなりそうだ。

天城と対立関係にあるのが、講師の高階権太。高額所得者優先を説く天城に真っ向勝負を挑む。先日読んだばかりの『アリアドネの弾丸』で高階院長が被疑者に仕立て上げられたのを思い出した。そのとき、あれ、もしかして天城も登場しているかも?と、もう一度『アリアドネの弾丸』を開いてみた。高階は田口、島津と共にエーアイセンター建設予定地へ行く。通り過ぎたタクシーの乗客を見た高階が「あの人が…いや、まさか」(「」内引用)と、衝撃を受けた様子で語る。その人物が天城ではないかと思ったのだが、具体的な人物情報は書かれていない。エーアイセンター建設予定地には、20年前、心臓外科専門病院である『スリジエ・ハートセンター』建設の構想が描かれていたわけだ。いったいどんな経緯でこの計画は潰されたのだろう。ますます続編が楽しみになってくる。

もう一つ目が離せないのは、世良と看護婦花房との恋物語。前作から互いに恋心を抱いていた両人には後半までやきもきさせられるが、終盤でようやく前進が見える。だけど『ジェネラルルージュの凱旋』での花房の相手は速水であり、それも長い月日を経てのゴールインのようだ。いったい世良と花房はどうして終わり、速水と花房はどのように始まったのか。続編(あるものと思っている)には当然複雑な人間関係も織り込まれるのだろう。

でんでんむしこと碧翠院桜宮病院も焼失前で、双子の姉妹はまだ少女である。この時期はあの小夜ちゃんが桜宮病院で修行していたのではないだろうか。

そしてバチスタ手術の桐生先生が、まだ駆け出しとして初々しく登場。

作品が増えると知った顔も多くなり、架空の世界ながら再会が嬉しくなる。今後は過去を埋めていく作品も楽しみだ。

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「ブレイズメス1990」 海堂尊 :TK.blog

『ブレイズメス1990』    著者:海堂尊  出版社:講談社 <簡単なあらすじ> 1990年、東城大学医学部総合外科学教室(通称佐伯外科)の垣谷講師の国際学会発表のお供としてニースに降...

コメント

またまた古い日記にコメントしてしまいごめんあそばせ^^;

こちらの本、図書館で予約してからなななんと10ヵ月後に
やっと手元にきたんですよ~。海堂さんの人気は相変わらず凄い!

海堂著書のお馴染みの面々が(しかも若い!)登場し、相変わらず楽しいですが
今作品では天城という強烈な先生が登場。
こんな強烈な人物なら忘れっこないですが、未来の東城大学病院には
登場しないですよね?『スリジエ・ハートセンター』は結局どうなっちゃったの?
海堂さんはファンをもやもやさせるわぁ~^^;

>『アリアドネの弾丸』で高階院長が被疑者に仕立て上げられたのを思い出した。そのとき、あれ、もしかして天城も登場しているかも?と

えっ!そうなんですか?!つい先日、図書館から手元にきたばっかりなんです。
(こちらも予約してから10ヵ月後…。
でも運良く「ブレイズメス1990」の後に読めたのはラッキー?)
孔雀の森さんが気になられた箇所を私もじっくり読んでみますね!

いろんなところでリンクが張り巡らされているので
海堂さんの本はおちおち流し読みできません(笑)。

P.S もうじき東京国際映画祭の時期ですねー。
今月末に上映作品が発表されるらしいので今から楽しみです☆

いえいえ!天城センセは忘れられない!

TKATさん、こんにちは♪
予約から10か月とは、いかに海堂ファンが多いかっていうことですよね~
私はとても運が良かったとしか言いようがありません。
天城先生のキャラはもう素晴らしくて(笑)その行動は予想もつかないわ。
あまりにも現実離れしているので、逆にドラマ仕立てにしたらとても
面白そう。勝手なキャスティングが楽しいです。(笑)

>『スリジエ・ハートセンター』は結局どうなっちゃったの?
続編で明らかにしてくれるかな~ きっとしかるべき説明が
あるでしょうね。

『アリアドネの弾丸』に天城が登場しているかも、というのは
あくまでも私の、あんまり信頼できないカンでありまして…。
まあ、ちょっと気にとめてくださいませ。

>海堂さんの本はおちおち流し読みできません(笑)。
ホントですね~ 矛盾しないように書くのも大変だなあと思います。

東京国際映画祭の季節がやってきましたね~
今年はちゃんとした字幕を用意してくれているはず~と、期待。(笑)
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