孔子 : 夢の国・亞洲文化宮

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孔子

20101028

kongzi3.jpg

2010年/中国/2時間8分(2010東京・中国映画週間で鑑賞)
監 督  胡 玫(フー・メイ)
英 題  Confucius
配 役
周潤發(チョウ・ユンファ)…孔子
陳建斌(チェン・ジエンビン)…季桓子(魯国の大夫)
周 迅(ジョウ・シュン)…南子(衛国霊公の夫人)
陸 毅(ルー・イー)…季康子(季桓子の息子)
任 泉(レン・チュエン)…顔回
張凱麗(チャン・カイリー)…亓官氏(孔子の妻)
姚 櫓(ヤオ・ルー)…魯定公(魯国王)
劉峰超(リウ・フォンチャオ)…漆思弓(幼時孔子に命を救われた弟子)
李文波(リー・ウェンボー)…子路
馬精武(マー・ジンウー)…斉景公
エンディングテーマ:王菲『幽蘭操』

<内容・感想など>
孔子(前551~前479)の51歳から73歳(病没前)までを描いた作品。
冒頭で晩年の孔子が登場!! 周潤發、老け役もキマってる!と心の中で叫んでいるうちに、回想シーンへと移っていった。

孔子については、その名と「論語」の存在は知っていても、彼の人生はよく知らないという人が多いのではないだろうか。私もそのうちの一人。鑑賞前にサラリと予習してみたが、これで映画になるのかしら、というのが正直な気持ちだった。

映画の方は、盛り上がりを感じる部分はいくつかあったが、全体としては淡々とした印象だった。孔子という偉大な思想家を扱う上で、羽目を外すことは許されないのだろう。後で『史記』(徳間書店刊:『史記Ⅶ』)を参照すると、過去の資料にかなり忠実に作ったように思えた。

出演者については、見覚えはあるが名前の思い出せない人、あるいはエンディングのクレジットでこの人どの役だったっけ、というケースが多く、あらためて配役を調べてみた。その過程は、まるで映画のおさらいをしているようだった。陸毅がわからなかったのはかなりショック!

前半の孔子は順調に出世街道を進んでいく。主君の死後奴隷を一緒に葬るのを禁止させた件をきっかけに力をつけ、祭祀を充実させ、自分の理想とする政治に近づくかに見えた。脅威を感じた斉国は魯国に大勢の美女を送り、君主や有力者季桓子はその色仕掛けにまんまと引っかかり政務を疎かにしてしまう。そしてついに孔子は魯国を追放される。

孔子は家族や門人をこよなく愛する人間である。そんな彼が妻子を捨ててまで流浪の旅に出なくてはならない状況が、スクリーンだけではよく理解できなかった。妻の、孔子を愛する仕草(帯を巻いてあげるところなど)はインパクトが強く、去っていく夫を黙って見つめる姿は悲しみを誘う。孔子は豪雨に打たれ泥水に崩れ落ちる。彼の打ちひしがれた様子は十分伝わってきた。弟子たちも家族よりも孔子を選ぶ。理想を追求するための決死の覚悟、と理解していいのだろうか。

kongzi4.jpg

孔子は門人たちを率いて流浪の旅に出る。中でも衛国王夫人、南子との出会いが大きな山場になるかと思われたが、彼女の登場はほんの少しである。手元の『史記』には「夫人の腰に帯びた玉飾りが、さらさらという音をたてた(以上引用)」とあるから、周迅の煌びやかな姿も、誇張はあっても史実をもとに創られたといえるのだろう。小悪魔的なキャラクターとして最も強烈だったのに、あっというまに姿を消したのが残念。

孔子はどこの国からも警戒され、兵に囲まれ命を狙われることさえあった。貧困の極みでもあの男ばかりの大集団が秩序を保っていられたのはやはり孔子の人徳か。

さて、この旅では孔子の弟子の顔回がいつも気になっていた。彼は常に忠実な秘書的立場で孔子の後ろにピタリとついている。ところがついには書物と命を引き換えにしてしまうのだ。孔子が冷たくなった顔回をいつまでも抱いて慟哭する場面が、なぜか一番印象に残った。

時間の推移と共に、孔子も、彼を追放した季桓子も、どんどん年をとっていく。老け役合戦をしているかとも思われる両者は、老いてなお迫力に満ちていた。

孔子が魯国を追放されるまでのエピソードが長い割には、近隣諸国の力関係や国内の勢力分布が理解しにくかった。そのため最後再び魯に招聘されたときの感動が、弟子たちほどは伝わってこなかった。くどいと思う人もいるかもしれないが、最初に、地図や人物相関図を使った説明があると、だいぶ違ってくるのではないかと思った。

とか何とか言っても、私の中では、孔子の顔はすっかり周潤發である。

trackback

「孔子」 <2010東京・中国映画週間> :TK.blog

『孔子』    孔子 CONFUCIUS 製作年:2010年 製作国:中国 監督:フー・メイ(胡玫)  出演者:チョウ・ユンファ(周潤發)、ジョウ...

孔子の教え(孔子) :龍眼日記 Longan Diary

紀元前501年の中国。 混乱する国を安定させるため魯の国の君主・定公(姚魯:ヤオ・ルー)は 孔子(周潤發:チョウ・ユンファ)に大司寇の位を授ける。 次々と革新を進める孔子だが弟子の密告がもとで魯の国を追われることとなる。 行くあても定まらぬまま妻子を残...

コメント

No title

こんばんは☆
わたくし、まさしく孔子という名と論語の存在は知ってますが
彼の人生はよく知らない1人でございます。。
鑑賞前に孔子の人生について大まかに調べてはみたんですが、
彼の人生だけじゃこの映画は全く理解できないことに気付きました(涙)。

魯だけでなく周辺諸国との関係や地理、前後の時代背景や国政とその流れ等々、
ちゃんと理解してないとかんなりキビしいですな…。
中国の歴史は壮大すぎて難しいです(><)。でも歴史があるからこそ
勉強すればするほど面白く中国歴史にハマる人は多いですよね。

>最初に、地図や人物相関図を使った説明があると、だいぶ違ってくるのではないかと思った。

その通り!!やはり孔雀の森さんはいいことおっしゃる!
地図も人物相関図も必要ですね。レッドクリフのように最初に
説明があればまだ頭の中でイメージしやすいのになぁ。
俳優さんたちの演技が良かっただけに作品自体がもったいなかったかなと。
↑な~んて自分の勉強不足を映画と字幕のせいにしてしまう私(笑)

No title

TKATさん、こんばんは♪
鑑賞後に中国のサイトをのぞいてみたら、主演の周潤發自身、最初は
孔子のことをよく知らなくて、後で猛勉強した、という話が載っていました。
孔子の人生をよく知らないという人はけっこういるんじゃないかしら。
また、紀元前の大昔ですから、史記の記述だって史実かどうか…
ならばドラマチックに創っていいんじゃないかと、思うわけですが、
そういうわけにもいかないんでしょうね。
歴史ものは、いずれも創作部分はかなりあるような気がします。
あのレッドクリフだってそうよね~
史実は史実として、映像としてみせるためには「わかってもらう」ことが
大前提。
うわあ、なんだか語ってしまいましたが、中国映画制作の方々、
お願いしますよ、という気持ちです。(笑)
映画がきっかけで歴史に興味を持つ人もいるでしょうから。
あと、字幕がアレだと興がそがれますよね(泣)
>俳優さんたちの演技が良かっただけに作品自体がもったいなかったかなと。
同感でございます!!!

観たいですー!

お2人ともうらやましい!
この作品は是非とも観たい作品の1つです。
以前香港へ旅行中に観る機会もあったのですが北京語だというのがネックになって
観るのを断念しました。
そんなわけでDVDも購入していません。
ストーリー的に理解することがきついだろうと思いまして・・・。
孔子自身については確かに私も知識がまったくありません。
なので少しでも知れるなら観たい!と思っているのですが、日本公開は期待薄ですかねぇ。

論語きちんと読もうかな~

sabunoriさん、こんにちは♪
香港ではちょうど『孔子』が上映中だったのですね。
日本での公開はどうなんでしょう。
もし公開されることになったら、今度は論語も読んで
鑑賞に臨もうかしら(笑)
弟子たちの中には聞き覚えのある名もありましたが、具体的に
どんな人たちなのかは知りません。
顔回、子路はキャラクターもはっきりしていたので、ちょっと
調べてみようかと思いました。
孔子は身長2メートルに近い大柄な人だったとか。
それをきくと、周潤發のキャスティングもうなづけました。
ともかく周潤發の孔子がとてもよくて、さすが大物!と
あらためて思った次第です。

見ますよ~。


初めましてこんにちは。私もこの作品を楽しみに見たいし(動画サイトでこの作品の本編を見たのによくいうわ。)やはり「中国日本戦国依存症」なので外せませんから。それに周潤發さんの孔丘(仲尼)(師称:孔子)殿の格好良いし着物にも合戦の兵器にも弱い(興奮して萌える事)ですが、この作品の兵器で「ボーガン」みたいな兵器事「連弩」が出てきてしまい「おいおい、この兵器は臥(伏)龍先生事諸葛亮(孔明)殿の発明した兵器でありこの場合は足を掛けて打つ「弩」だろう。」と歴史考証の不備まで訴える程突っ込んでしまいましたが後の話は良かったし感動物でしたから日本の公開は10月か11月ですから大きな映画館のスクリーンで見ますから見てまともな日本語字幕で見ましょうぞ!!宜しくお願いします。

孔子の教え、ですね

貂蝉さん、初めまして♪
公開情報、ありがとうございます。
さっそくオフィシャルサイト(http://www.koushinooshie.jp/)に
飛んでみたら、ゆったりした音楽と慈悲深い孔子の顔に魅了されました。
昨年観たのでもういいや!と、今までは思っていたのですが、
ちょっと触手を動かされました。
貂蝉さんのように歴史に詳しい方から見ると、突っ込みどころは多々
あるでしょうが、指摘していただけるとありがたいですね。
昨年観る前は、孔子の話だから闘いのシーンはナシだろう、と
思っていましたが、結果的には予想外でした。
孔子と季桓子の確執、弟子たちの動き、そして何より「孔子の教え」に
着目して、じっくり観たいものです。

返信です。

夜分に返信します。こちらこそ宜しくお願いします。やはり公式ホームページを見ましたか。私も見ましてぐっと来るシーン続出で良いですし周潤發さんの孔丘(仲尼)(師称:孔子)殿が奮闘していて良いですから分かりますよ。それに私も皆さんのおっしゃる通り孔丘(仲尼)(師称:孔子)殿は周潤發さんに頭脳はなってしまいましたから。楽しみに見ましょうね。

名前が無かった。

すみません。名前が無かった為もう一度します。

No title

お気になさらずに。
公開を楽しみに待ちましょうね♪

公開間近~!!

孔雀の森殿~、久々にこんばんは~。やっとこの作品の公開間近になりまして私の近くの映画館では26日からとの事で単映画館ですが楽しみに見ますから是非見れたら見ましょうね~。

時間を創りたいものです

こんにちは♪
今月末から公開なのですね。
私は行けるかどうか微妙なところです。
近辺で年末年始までやってくれれば鑑賞できるかも。(無理なお願いかな~)
こうしてコメントをいただくと、ちょっと時間をやりくりしようかな、と
いう気持ちになります。
ともかく、待ち遠しいですね。楽しんできてくださいね♪

返信です~!!

孔雀の森殿~、おはようございます~。返信ですが楽しんで見てきますよ~。時代考証の人となって~。私が貂蝉って言うのは分かりましたか~?名前が?になってしまうので気付いてないかと思い心配しましたから~。

No title

貂蝉さん、こんにちは。
お名前はわかっていました。
名前の欄、何かの関係で正しく表示されないのかな。
ちょっと調べてみます。
もう少しで公開ですね♪

孔子=周潤發、私もです

孔雀の森さん、こんにちは。
公開初日に鑑賞したものの、感想を書くのがすっかり遅くなってしまいましたー。
私自身は孔子の人生を垣間見ることができたのでよかったのですが
映画として鑑賞した場合は少々物足りないと感じてしまうかもしれませんね。
おっしゃる通り孔子が魯の国を追われて各地を転々とする10数年のエピソードが
サラリと描かれてしまっていたので故郷に戻る彼らの喜びが今ひとつ伝わりづらかったと思います。
まぁそのへんを丁寧に描いていたら4時間くらいのとんでもない長編作に
なってしまうかもしれないですけどね。(笑)

陸毅、私もわかりませんでした・・・。

映像の美しさ

sabunoriさん、おはようございます♪

私は鑑賞から一年以上経ちますが、今レビューを拝見したり、
関係するトピックを読んだりするうちに、映像が浮かび上がってきました。
衣装や景色の美しさを思い出しています。水の映像も独特だったと
記憶しています。

私も、淡々とした印象を感じましたが、sabunoriさんのように
目的をもった観方をすると、だいぶ違ってくるような気がします。
この作品に関しては孔子についての予備知識が、作品を楽しむ
要素になるのかなあと、今になって思う私です。

>4時間くらいのとんでもない長編作
周潤發の孔子を堪能できればそれもいいかな、なんて。(笑)
まさに「孔子=周潤發」です。それ以外考えられません。(笑)

遅れてすみません~!!

孔雀の森殿~、夜分遅くにこんばんは貂蝉です~。もう大分前(先月の27日)になりますが「名演小劇場」でこの作品を見て来て日本語字幕とか英語字幕と中国語字幕が並んで出ていたので日本語字幕だけにしてほしかったしやはり訳が時代劇の言葉遣いでは無く現代的な言葉遣いで残念でしたし王様は日本で言ったら朝廷の天皇様なので「余」では将軍殿の言葉遣いになってしまうので正しくは「朕」としなくてはならないので尚残念でしたがやはり物語は良かったですしわしもすっかり周潤發殿が孔丘(仲尼)(師称:孔子)殿になってしまったので分かりますし琴を弾く場面なんか周潤發殿自ら弾いているとパンフレットに書いてあったから感動して泣けましたからな~。でも朝の仕事を終わり合間に見て午後からの仕事をしなくてはならなかったので涙をするのを堪えるのに精一杯になりましたから良い作品でしたからまたDVDやブルーレイ化したら購入して見ますぞ~。

DVD鑑賞も楽しみですね

貂蝉さん、こんばんは♪
お忙しい中での鑑賞だったのですね。
字幕が3種類では、観難かったのではないでしょうか。
DVDが出たら、ちょっと観てみましょう。
貂蝉さんご指摘の点も気にかけながら。
確かに、ジワリとくる場面があったのを思い出しました。
やっぱりもう一度観たいものです。
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孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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