デパートへ行こう! : 夢の国・亞洲文化宮

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デパートへ行こう!

20101019

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著 者: 真保裕一
出版社: 講談社
刊 行: 2009年8月

<登場人物> 深夜、老舗デパート鈴膳百貨店を歩き回っている人々。

加治川英人<カジカワヒデト>
妻子と別れ、職場を解雇され、所持金も底をつく。
子供時代の思い出を胸にやって来た。

山添真穂<ヤマゾエマホ>
鈴膳百貨店で特選和食器コーナーを担当。
ある者への復讐を目論む。

コージとユカ
鈴膳劇場に身を隠した若者カップル。

矢野純太郎<ヤノジュンタロウ>
鈴膳百貨店代表取締役

塚原仁士<ツカハラヒトシ>
元警官。デパート内の人物と会う予定があるらしい。

佐々岡祐也<ササオカユウヤ>
美術・宝飾部門のゼネラル・マネージャー。

赤羽信<アカバネマコト>
鈴膳百貨店の警備員。山添真穂とは恋人関係。

半田良作<ハンダリョウサク>
鈴膳百貨店のベテラン警備員。店内のことは何でも知っている。

<感想など>
数日たったら忘れてしまいそうなので、登場人物について簡単にメモしておいた。
読み始めたとき思い浮かんだのは恩田陸の『ドミノ』。関係なさそうな人々が偶然東京駅に集結する、明るい作品だった。この『デパートへ行こう!』も人々が集結する物語だが、『ドミノ』に比べると内容はシリアスである。

偶然と誤解が繰り返される場面は楽しめた。閉店後のトイレで、負傷した塚原を介護する加治川。一仕事やろうとして道具を見失った山添真穂。贈収賄に揺れるデパートの社長は、閉店後の店内に事件のにおいを感じ取る。そんな彼に一本の電話が。その相手とは…。警備員の信は、恋人真穂の真意を知る。

人々の過去、背景が明らかになるにしたがって、物語は重くなる。しかしドロドロしているわけではなく、カラッとした感覚だ。舞台は深夜のデパートで照明がすべて落ちた状態。警備員以外は抜き足差し足で移動しているはずなのに、なぜか派手な光景が目に浮かぶ。台詞は大袈裟で、泣いたり喚いたり、ぶつかったり落ちたりと、慌しいことこの上ない。心の傷や重い過去が吹っ飛んでしまうと思われるほどのドタバタ劇だ。文字を追いながら、これは悲劇にはなるまい、と確信できるような展開だった。だんだん、舞台を見ているような感覚になってくる。

登場人物たちの話や行動から、デパートの仕組みや歴史的背景、夜間の警備体制も伝えられ、興味深かった。できれば鈴膳百貨店のフロア案内図を添えてほしかった。地下から食料を持ってきて晩餐をする人。クッキーを食べる人。消火栓の中に物を隠した人と、それをどけて自分で中に入った人。階段を上がっていく人などなど、彼らの行動の詳細は、文字を追うだけでは把握しきれない。

これで終わりかと思ったときに、最大の山場がやってきた。ベテラン警備員半田良作の背景が曖昧だと思っていたら、そうきましたか!!!
主人公を一人挙げよ!と問われたら、加治川英人だろうか。
終わってみればありえないことの連続だった。
夢のような舞台劇だった。

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