トッカン 特別国税徴収官 : 夢の国・亞洲文化宮

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トッカン 特別国税徴収官

20101004

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著 者:高殿 円
出版社:早川書房
刊 行:2010年6月

<あらすじ>
鈴宮深樹(スズミヤミキ)は東京国税局京橋税務署の特別国税徴収官。「ぐ」と言葉につまる癖から「ぐー子」と呼ばれている。冷徹で厳しい直属の上司、鏡雅愛(カガミマサチカ)のもとで、深樹は、喫茶店<グランドールカフェ>、町工場<京橋プラスチック>、高級クラブ<澪>などの案件に関わり、悪戦苦闘を繰り返す。深樹はどうしても安定した職業に就きたくて現在の仕事をしているが、そのために実家から勘当されていた。

<感想など>
自然と有川浩作品と重なってしまう。鏡雅愛と鈴宮深樹のやりとりが、図書館戦争シリーズの主人公男女のそれとよく似ているのだ。主人公は鬼上司に怒鳴られながら成長していく新米徴収官。獰猛なハスキー犬に例えているこの上司が、危なっかしい彼女をいつも見守っている。いやだいやだと思っていた上司がいつの間にか…。また、深樹が「特官付」として鏡に選ばれた背景には思いがけない出来事が絡んでいた! 二人の進展が気になってあっという間に読み終えてしまった。

巻頭に添えられた用語表には業界用語が並んでいる。
その例を抜書きすると
「本店」は国税局。
「会社」は自分の勤め先。
「営業日」は納税指導のため外回りに行く日。
「S」は差し押さえ。
「料調」は資料調査課。
ちなみにタイトル「トッカン」の正式名称は副題の「特別国税徴収官」。
隣でかわされる税務署関連の話は、一般企業の話題としか思えないかもしれない。

鈴宮深樹の仕事は、滞納者に納税を「指導」することだ。滞納者と一口に言っても背景は様々。冒頭の下島絵津子のように蓄えはあるのに支払いを拒否し、相手を罵倒した挙句糠床を投げつける輩もいれば、明日の生活にも事欠く零細企業主もいる。「S(差し押さえ)」現場はまさに修羅場。相当ストレスのたまる仕事に違いないが、深樹は歯を食いしばり、頑張り続ける。25歳の女性が直面する仕事観、人生観が、軽妙な文章で綴られ、読む者の心をとらえていく。

主要登場人物は、いずれも壮絶な人生をかかえている。鈴宮深樹は小学生時代に和菓子屋である実家の騒動を体験。鏡特官の過去については、これを知った深樹が自分の不用意な発言を猛反省するほど壮絶だ。また、深樹の友人となった相沢芽夢(アイザワメグム)や、銀座の高級クラブのママ白川耀子、工場経営者の大橋夫妻など、各人物の背景は非常に説得力があって、主人公の成長に大きな影響を与えている。

誇張した面もあるだろうが、税務署職員の仕事現場が生き生きと描かれ、これから就職を考える若者の一助ともなるのではないかと思った。

さて、続編やスピンオフの計画はあるのだろうか。
この続きがあれば2人はもう少し近づくような気がする。
また、鏡雅愛サイドの物語を是非読みたい。
私の頭の中では、ドラマ化した場合のキャスティングが着々と進行中!!

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