荊軻傳奇 : 夢の国・亞洲文化宮

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荊軻傳奇

20100831



2004年/中国/ 全32回/3DVD’s(台湾版DVD)
監 督  李恵民(レイモンド・リー)
出 演  劉 (リウ・イエ)王亜楠(ワン・ヤーナン)何潤東(ピーター・ホー)
     張鐵林(チャン・ティエリン)邵 兵(シャオ・ビン)鄭家楡(チェン・ジャーユー)
     瞿 頴(チュイ・イン)徐錦江(チョイ・ガムコン)馬精武(マー・ジンウー)
     于承恵(ユィ・チャンホイ)呉 軍(ウー・ジュン)黄 覚(ホァン・ジュエ)
     馮 威(フォン・ウェイ)李 倩(リー・チェン)韓 暁(ハン・シャオ)
     張 恕(チャン・シュー)劉衛華(リウ・ウェイホア)高玉偉(ガオ・ユィウェイ)
     賈雨萌(ジア・ユィモン)劉立偉(リウ・リーウェイ)潘 虹(パン・ホン)
日本版タイトル:『始皇帝暗殺 荊軻』

<内容・あらすじ> 完全ネタバレです。
中国の戦国時代。慶、於期、小滬の3人は、慶の祖父(馬精武)に連れられ辺境の地に逃れて成長。やがて別々の道を歩む。樊於期(王亜楠)は秦軍で活躍。小滬(鄭家楡)は豪商の用心棒、聶無涯(呉軍)と行動を共にする。慶(劉)は刺客となり荊軻と名乗る。

秦王贏政(邵兵)は周辺諸国で残虐な殺戮を繰り返し、統一に乗り出す。荊軻は魏国に刺客として潜入したが、傷病兵を看護する雲兮(瞿頴)、筑(琴に似た楽器)の奏者、高漸離(何潤東)と交流するうちに、人間らしい心を取り戻していく。やがて昊月将軍(黄覚)が守っていた魏城は長期間の抵抗もむなしく落とされる。荊軻は愛する雲兮を失い刺客をやめ、高漸離(何潤東)とも別れる。

秦では燕国の人質、太子の丹(馮威)が帰国のチャンスを狙っていた。遊女の依依(張恕)、田光(劉衛華)、荊軻の尽力で、丹は秦を脱出、燕国にたどり着く。彼は国力を充実させるための策を父王に提言するが、王を含む周りの猛烈な反対にあい、窮地に陥る。

樊於期は秦軍で数々の功績を挙げて咸陽に凱旋。蒙武(潘虹)の娘、蒙嫣(韓暁)は彼に一目惚れして猛アタックを開始、樊於期も彼女を好きになっていく。ところが楚国との一戦に敗北した上、李斯(高玉偉)に歯向かったことで、樊於期は追われる身となる。

<感想など>
『史記―刺客列伝』中の荊軻に関する記述は少ない。「これはフィクションです」との但し書きもあるように、全32話が創作で膨らませてあるは当然だろう。ただ、荊軻以外の人物が主役扱いになっている場面が多いのが気になる。刺客自体、笑わない、おおっぴらに恋愛しない、交流が少ない、傍目には地味なキャラクターである。荊軻一人で長編を牽引するのが困難なら、荊軻をとりまく人々の物語とした方がよかったのではないか。
以下、勝手に考えたテーマに沿って考えてみることにする。

荊軻と樊於期
はじめから結末は明白だ。悲劇の坂道を転がり落ちる物語である。しかも荊軻と樊於期が幼なじみでかけがえのない友人だなんて、何て哀しいラストなの…と、最初からハンカチの用意を考えてしまった。(笑)
少年期を共に過ごした2人だが、荊軻はずっと樊於期に水をあけられた感がある。小滬の心には於期しかいないのに、慶(荊軻)は彼女を追い続け、結局は裏切られる。前半の彼はいま一つぱっとしない。一方の樊於期は秦の将軍として大活躍。オーラを発散させているこちらの方が主人公に見える。樊於期の誠実さ、力強さに、私の心もグラグラと傾いていった。(笑)
でも終盤に入り、再び刺客として使命を果たす決心をした荊軻は、身体全体から白銀の刃のような冷たさを放ち、グンと魅力を増す。やっぱり主人公は荊軻だ。

keika5.jpg
荊軻(劉)

wangyanan2.jpg
樊於期(王亜楠)

男女11人恋物語
歴史はさておき、様々な恋愛模様が繰り広げられる。何だこりゃ?と呆れるパターンから、メロドラマ風の展開まで千差万別。それぞれの人間関係を整理してみよう。

① 小滬と聶無涯
小滬は金目当てに豪商の賈満貫(呉克堅)と結婚するが、何と彼はサディストだった。そこで賈満貫の用心棒、聶無涯を自分に引き寄せて賈満貫を殺させ、幼なじみの慶に濡れ衣を着せる。こんな娘に惚れこんだ慶と聶無涯は気の毒だ。聶無涯は彼女一人のために人生を棒に振ったことになる。小滬と聶無涯、亡くなってからはすっかり忘れ去られた形となった。

② 荊軻と雲兮
魏国で医者、看護士、薬剤師として奮闘する雲兮は、兵たちに「聖女」と呼ばれている。神経の休まらない日々を過ごしていた荊軻は、彼女の優しさに触れて、だんだん元の慶に戻っていく。彼女は一貫した反戦、平和、平等の思想を持っている。刺客がその影響を受けて己の責務をやめたことが腑に落ちないが、この展開もまたテーマの一つ。彼の人生の転機という意味でも必要だと思った。

③ 樊於期と蒙嫣
まさに世紀の大恋愛!!最初は蒙嫣が一方的にストーカー行為(笑)を繰り返し、やがて樊於期も彼女の情熱に心が傾くが、運命の神様はこの2人には微笑まなかった。彼らが一緒の場面は焼けつくような熱さだ。(笑)最初はただのじゃじゃ馬だった蒙嫣が、次第に綺麗になっていくところも見所の一つ。

④ 燕丹と依依
秦から燕までの道中、イチャイチャしている2人に、案内役の荊軻は憮然としている。こんな太子で燕は大丈夫なのか~?燕にたどり着くと依依は冷遇され、太子丹は多忙を極め、2人の距離はどんどん広がるばかり。結局太子のためと、依依は死を選ぶ。太子丹の頑張りもわからないではないが、ちょっと軽い感じに見えた。

⑤ 高漸離と喜鵲(賈雨萌)
ええっ、この二人が夫婦?取ってつけたような設定に、違和感大アリ。高漸離ほどの勘の鋭い男が、妻の身分を見抜けないとは…。荊軻の考えはお見通しだったはずなのに…。

⑥ 荊軻と芄蘭公主(李倩)
芄蘭公主は荊軻にぞっこん惚れこんでいる。荊軻は、告白してきた彼女に対して、「不喜歓!」と言い放つ。大切に思う女性をあえて突き放すところから、彼の覚悟をひしひしと感じた。

この世界を変えることができるのか
本作品でのテーマの一つ。男たちはそれぞれ理想を抱いている。樊於期は軍人として生きる道を選び、慶は平和な世界で生きたいと思いながらも刺客「荊軻」となり、高漸離は音楽によって戦乱の世を変えたいと願っている。しかし個人の力で変えることは無理だという結論にいたる。彼らの言葉は現代に対する警鐘とも思えた。

友情とは?
各人が人生の選択を迫られる場面で、必ずといっていいほど語られるのが「朋友(友人)」である。樊於期は荊軻との友情を重んじ、軍規を犯して太子丹一行を逃してしまう。また荊軻は田光の自死によって暗殺の決意を固めざるを得なくなる。高漸離は妻を殺されても荊軻に「友人だ」と言う。「友人だから」という言葉が頻繁に使われるが、どうもこれが軽く感じられてならない。まあ、「信義」の意味合いとして受け取っておこう。でも荊軻と樊於期が酒を酌み交わすところは最高の場面だった!

さて、いよいよラストだ!と息をつめて観ていたのだが…
一番大切なシーンを見せないとは、いったいどうしたことか。
荊軻の物語なのに、これを見せないで何とする!!
でも逆に考えれば、誰もが見たくないシーンなのかもしれない。
ガクッときたような、でも少しホッとしたような、微妙な気持ちを抱えたままドラマは終わった。

コメント

No title

こんにちは~ 暑いですね。

わぁ,リウイエの「荊軻」だぁ!
実はこれ持っているんですが
最初の部分しか観てないのです。
ドラマ形式って途中で飽きてギブすることが多いので・・・
でも決して退屈したのではなく
これだけの量を一気に見通す時間がないからですが。

それと,私が持っているのは
日本版のDVDboxなんですが
肝心のリウ・イエの声が吹き替えのような気が・・・
中国語なんですけど,彼の声じゃないような。
彼のあのくぐもったような声が好きなのに~~
それもあって鑑賞のテンションが下がってお蔵入りなんですよ。

でも孔雀の森さんのレビューを読んで
ちゃんと見てみたくなりました!
リベンジできたらまた記事にするかも~
でも人物が多くってややこしそ~~

ドラマも熱い!

ななさん、こんにちは♪
ホントにいつまで暑いんでしょうね…。

以前のコメントで、ななさんがこの作品を持っていらっしゃることは
知っていました。
連続ドラマは途切れるとやめてしまう場合が多いですね。
私はまとまって観る時間が取れたので、一気にいきました。

>肝心のリウ・イエの声が吹き替えのような気が・・・
そうなんですよ。多分、ほとんどが吹き替えじゃないかしら。
呂不韋を演じた張鐵林さんは本人の声だと思うのですが。
刺客としては(もちろんほかの役柄でも)リウ・イエ本人の声の方が
ず~っといいのに…。
アクションの多い作品では、あとでアフレコを入れるようで、
役者に時間的制約がある場合、ほかの人(専門の声優)が担当する
という話を聞いたことがあります。
また、役柄に合わせた声にする、という制作側の決定もあるようですね。
ともかく、本人の声じゃないとがっかりしてしまいます。

この作品、話が進むにつれ、よくなってくるような気がしました。
鑑賞されたらぜひレビューをお願いしま~す。
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孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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