阿片戦争 : 夢の国・亞洲文化宮

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阿片戦争

20100804

     yapianzhanzheng.jpg

1997年/中国/2時間34分(中国映画の全貌2010で鑑賞)
監 督  謝 晋(シエ・チン)
原 題  鴉片戦争/The Opium War
出 演  鮑国安(バオ・グオアン) 蘇 民(スー・ミン)
     郎 雄(ラン・シオン) 林連昆(リン・リエンクン)
     邵 (シャオ・シン) 高 遠(ガオ・ユェン)
     ボブ・ペック  エマ・グリフィス・マリン

「中国映画の全貌」が開催されるたびに、観ようと思いながら逃していた作品。今回は上映が2回だけと知り、何とか都合をつけた。6時10分に入場し劇場を出たのが9時少し前。これほどの長丁場にもかかわらず時間を感じさせない、見ごたえのある作品だった。

アヘン戦争(1840年~1842年)前後の状況が、中国、イギリスの側から客観的に描かれている。主人公の林則徐(鮑国安)は熱血漢の特命大使。彼と向き合う道光皇帝(蘇民)の、優柔不断な姿がもどかしい。広州の阿片商人何敬容(郎雄)の苦渋や、イギリスの阿片商人テント(ボブ・ペック)の狡猾さも光る。重厚な展開の中に、林則徐の通訳を務める河善之(邵)のはじけるような明るさと、妓女蓉兒(高遠)の哀しげな笑みが、色を添えていた。

林則徐は道光皇帝の命で広州に赴任。阿片の害に愕然とし、厳しい取締りを始める。英国商館を封鎖し、官僚を拘束し阿片中毒の有無を調査し、益和行の経営者何敬容を投獄する。さらに押収した阿片2万箱(100万キロ以上)を人工池に破棄。このシーンが実にリアルだ。木箱からごろごろ出てくる阿片の黒玉は、爆薬のようにも、砲丸のようにも見える。これらが大勢の労働者の手で砕かれ、海岸脇のため池に次々と放り込まれる。その上に塩と石灰がかけられ、中和される。白い水はぼこぼこと泡をたて、水面から立ち上る白い煙は取り囲む人々をかき消すかに見えた。悪い予兆を思わせる、不気味な場面だった。

“商品”を捨てられたイギリス側は、この事態を貿易摩擦ととらえ、多額の賠償金と土地の割譲を要求。派兵については、議会で賛成派がわずかに反対派を上回って可決される。議論のシーンが丁寧に描かれているところには、一方の国に偏らない、公平な視点を感じた。大義名分は、ヴィクトリア女王の「中国に自由貿易を教育する」という発言。現代の開戦理由を想起させる、ドキリとする言葉だった。

道光皇帝は、押し切られる形で林則徐を罷免し、善(林連昆)を広州の特命大使に任命。権力欲で脂ぎったようなこの男に、判断力などないに等しい。イギリスから香港割譲を迫られても金で解決しようとしたり、あるいは香港など取るに足りないと皇帝に進言したりする。再び林則徐が指揮を執ることとなって戦争へと進んでいくが、結局この時点では誰が特使になっても同じこと。開戦してもしなくても、中国は植民地支配される運命にあったことがよくわかる。この物語が始まる以前、阿片が中国に入ってきたときから、結果は目に見えていたのだ。

この歴史を繰り返すまい、という強い思いが貫かれた、154分だった。 

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