北京の自転車 : 夢の国・亞洲文化宮

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北京の自転車

20100726

       shiqisuidedanche2.jpg


2000年/中国・台湾/1時間53分(中国映画の全貌2010
監 督  王小帥(ワン・シャオシュアイ)
原 題  十七歳的単車
英 題  Beijing Bicycle
出 演  崔 林(ツイ・リン) 李 濱(リー・ビン)
     高圓圓(ガオ・ユェンユェン) 周 迅(ジョウ・シュン)
受 賞  2001年ベルリン国際映画祭銀熊賞・審査員グランプリ・新人男優賞

<あらすじ>
グイ(崔林)は山西省出身の17歳。出稼ぎで北京にやって来て、自転車宅配便の仕事を得る。一定回数をこなせば自転車が自分のものになるとあって、グイは毎日懸命に働いていた。ところがその直前に自転車を盗まれ、遅配が原因で解雇を言い渡される。やがて彼は、高校生ジェン(李濱)がその自転車を所有していることを突き止め、取り戻す。ところがジェンや彼の仲間たちが返すよう脅してきた。ジェンが盗品とは知らず500元で買った中古自転車だったのだ。ジェンは家の金を盗んだことを父に咎められた上、ガールフレンドのシャオ(高圓圓)にも愛想を尽かされてしまう。

<感想など>
経済格差を思い知らされる展開である。
同じ17歳でも、グイは出稼ぎせざるを得ないのに対し、ジェンは自転車遊びやゲームに時間を費やしている。北京で高校に通えること自体恵まれていると思えるのだが、そんなジェンの家庭も他の仲間の家に比べると金銭的に苦しい状況らしい。自転車に固執するジェンとモノなんてどうでもいいと言うシャオの間には大きな隔たりがある。また、大多数の移動手段が自転車やバスという状況で、グイが勤める宅配会社の社長は、タクシーを常用しているようだ。そして、グイの同郷先輩は、高根の花だと思っていたチン(周迅)が実は農村出身だと知って、アプローチしなかったのを悔やむ。都会と田舎。金持ちと貧乏。持てる者と持てない者。そのひずみが、狭い所で爆発する。

笑い話ではないはずだが、思わず笑いがこぼれてしまう。慣れない都会で頑張っているグイに、災難が次々と降りかかる。彼の自転車を探す様子、自転車を守ろうとする姿からは、以前観た中国映画の登場人物が重なった。『秋菊の物語』の秋菊や、『あの子をさがして』のミンジである。グイは人を羨むような素振りは見せない。ただやり通したいだけなのだ。彼のやらねばならない、という気迫が、すべてをなぎ倒していく。どんな暴力も、理不尽さも、さらに薄っぺらな同情心も、彼の愚直さには完敗だ。自分の笑いは「降参しました!」という気持ちの表れかもしれない。

少年たちが路地裏を自転車で駆け抜ける。殺気立っていて、もし身近で体験したらものすごく怖くなるだろう。しかし傍らの人々は意外にのんきだ。無関心にも見える。もしかすると、彼らの周りにはもっと大変なことがいっぱいあるのかもしれない。これが見慣れた光景だとしたら恐ろしい。

この作品から10年。グイやジェンは今頃どうしているのだろう。あの不良少年たちや、ジェンのガールフレンドだったシャオや、真っ赤な唇のチンは?北京の実情を知らない私にとっては、この光景が今の姿にも見えた。なお、若い高圓圓や周迅にあまり違和感を抱かなかった。もっとも、高圓圓は、あのスカートからOLに見えてしまったのだが。

映画祭二日目。休日のせいかほとんど満席に近い状態だった。

trackback

北京の自転車 :龍眼日記 Longan Diary

山西省から北京へ出稼ぎに来た17歳の少年グイ(崔林:ツイ・リン)は 自転車宅配の仕事を得る。 仕事につくと最初に渡されたのは1台の新品の自転車。 一定の仕事をこなせばやがてこの自転車は自分のものになると言われ 毎日懸命に働くグイだが、ようやく自分のものに

「北京の自転車」 :TK.blog

『北京の自転車』   十七歳的単車  BEIJING BICYCLE   製作年:2000年 製作国:中国/台湾 監督:ワン・シャオシュアイ(王小帥)  出演者:ツイ・リン(崔林)、リー・ピン(李濱)、ジョ...

コメント

力強い作品でした

孔雀の森さん、こんにちは。
そうですよね~孔雀の森さんがご覧になっていないはずはない!と思ったのですが
「中国映画」カテゴリーで見つけられず、すごすごと帰ってしまった私でした。
台湾との合作だったのですね。
この作品、ものすごく惹かれました。
特にグイのあの真っ直ぐな眼差しと融通のきかない愚直さに。
奪われて奪い返してまた奪われて・・・
どうしてグイにばかり災難が降りかかってしまうのかとハラハラする一方で
確かに妙な可笑しさも感じてしまいました。
ジェンの仲間の最終提案も「えぇっ!?」というようなもので。(笑)
毎日自転車の受け渡しをする中で2人が自己紹介しあうシーンはとても好きでした。
1つの自転車で繋がる不思議な友情もどき。
あそこで物語が終れば後味の良いさわやかな作品だったのですけどね。
ガールフレンド役の高圓圓は私もOLに見えてしまいました。
どう考えてもジェンと同級生とは思えませんでしたよね。
彼女の「自転車なんてまた買えばいいじゃない」というセリフがジェンをどれほど傷つけたか、
彼女はわからなかったのですよね・・・。

あの二人の今が気になります

sabunori さん、こんにちは♪
ちょっとカテゴリーがわかりにくくてごめんなさいね~
私自身自分のを探すのに困ることがあります。(笑)
この作品、とてもインパクトが大きかったですね。
サウナのところはほんとうにハラハラしました。
おっしゃるようにどちらの言い分もわかるので、
苦笑するしかありませんでした。

>毎日自転車の受け渡しをする中で2人が自己紹介しあうシーンはとても好きでした。
私もです!!ジェンにとっては、かえってグイと出会えて
よかったのではないかと、思ってしまいました。
グイにとってはこの出会いは苦しいものでしかなかったわけですが。

>あそこで物語が終れば後味の良いさわやかな作品だったのですけどね。
ほんとに。怒りで血液が沸騰するとはまさにああいう心理状態。
ガールフレンドの想像力のなさにわだかまりをおぼえるとともに、
彼女もまたあの時代が作り上げた若者の典型なんだな、と思いました。

インパクト大でした

おはようございま~す♪
関東では『中国映画の全貌2010』の一つとして上映されたのですか?
神戸では11月27日から始まった『中国映画祭in元町』でやっと上映されました!
他の演目も同じなのかしら?

最近観た中国映画は型にはまったのが多かったせいか、
今作品は良い意味で新鮮な内容でした。
鑑賞後は理不尽な思い、やるせなさがこみあげてきましたけど^^;

どうして10年間も上映せず今頃になって上映したんでしょうねぇ~。
10年経った今でも全然色褪せてない内容でした。
純粋な胡同の景色だけは今ではもう見られないかもしれないですね。

>彼の自転車を探す様子、自転車を守ろうとする姿からは、以前観た中国映画の登場人物が重なった。
>『秋菊の物語』の秋菊や、『あの子をさがして』のミンジである。

ストーリーの中でも「『秋菊の物語』じゃないんだから」といったようなことを
宅配会社の社長が言ってましたね。この作品も気になってきました^^

男前だなーと思ったグイ役の崔林くん。調べてみると『天安門、恋人たち』にも
ユー・ホンの故郷の恋人役で出演していたみたいなんですが、
全く気付きませんでした(TT)。
周迅だけがスターにのし上がってしまいましたね~。

おもしろい作品でした

TKATさん、こんばんは♪
私はこの夏、『中国映画の全貌2010』で鑑賞しました。
『中国映画祭in元町』のラインナップ、拝見しました。
『中国映画の全貌2010』で鑑賞した作品もありますね。
『プラットホーム』は観ようと思いながらいつも逃してしまいます。


>鑑賞後は理不尽な思い、やるせなさがこみあげてきましたけど^^;
そうなんですよね~ もうちょっと、何とかいい方向に持って行って
くれればいいのに…と。
でも考えさせられる内容で、全編のめりこんでしまいました。
制作当時に観たかったですね。何か上映に支障があったのかしら。
それでも、おっしゃるように、時代を感じさせない作品ですね。
昔ながらの胡同は今どのくらい残っているのでしょう。
壊れかかった塀などをみると、開発真っ只中であるのがわかりますね。

そうそう、台詞に『秋菊の物語』出てきましたね。
コン・リーがバイタリティあふれるオバチャンを演じている、
面白い作品です。機会があればぜひ!!

崔林くんが『天安門、恋人たち』に出ているとは知りませんでした。
周迅が登場したとき、「ずいぶん若づくりだなあ」と思いました。
つまり、私は昔の作品だと知らずに鑑賞していたのでした。
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いろいろな出会いを
大切に♪

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