少年往事 : 夢の国・亞洲文化宮

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少年往事

20100710

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2003年/香港/1時間28分(台湾版DVD)
監 督  陳健忠
英 題  Memory of the Youth
出 演  翟天臨  馬曉倩

<あらすじ>
舞台は1928年の青島。13歳の少女、方憶琳(馬曉倩)の腕白ぶりには誰もが手を焼いている。そのせいか、彼女は転校を繰り返していた。ある日、憶琳は培理中学のキャンパスでケースに入ったバイオリンを拾う。持ち主を探しているうちに、彼女は「七大金剛」と称するいたずら仲間たちとすっかり意気投合。やがて持ち主の堯永諾(翟天臨)とも出会う。培理中学が気に入った憶琳は、女子校を勧める母親の反対を押し切ってここに入学。バイオリニストを目指す永諾と、ヨーロッパ放浪を夢見る憶琳は、仲がよすぎて、周りから何かと冷やかされていた。永諾は、一流のバイオリニスト、唐遠驥に弟子入りしたいと言う。憶琳と永諾は唐を探しに出かける。

<感想など>
このDVDは台湾で購入。ずっと侯孝賢(ホウ・シャオシエン)監督の『童年往事』(邦題:時の流れ)と思い込んでいたが、観始めて別作品とわかった。しかしこの勘違いで、また一つお気に入り作品が増えた。

大人立ち入り禁止区域に足を踏み入れた感覚である。クラシックカーを運転したり、浜辺の破船を隠れ家にしたり、グループ同士で喧嘩をしたり。どこかで見た風景…と考えているうちに、児童文学の「ズッコケ3人組シリーズ」や「ぼくらシリーズ」が浮かんできた。ここは子ども中心の世界。大人の常識は通用しない。この場所では「ありえない!」なんて言わずに、まずは主人公の2人に沿ってみていこう。

憶琳の家は豪華で客足が絶えない。美しい母はおてんばな憶琳を叱ってばかりいる。それに対し放浪癖のある父親は寛容で、憶琳はそんな父が大好きだ。永諾は風来坊的な父と香港からやってきた。父はバイオリン奏者であるが、息子が音楽家になることに反対しているという。どちらも風変わりな家庭だが、詳しくは描かれていない。また、歴史的な背景については、培理中学がドイツ系の学校であり、街が欧風であることから、当時青島が租界だったのがわかるくらいだ。焦点が少年少女に絞られたせいか、シンプルでわかりやすい物語になっていると思う。

大勢の少年の中で憶琳は紅一点。私の嫌いな、女の子がちやほやされる話かと思ったら、そうではなかった。彼女の顔は十人並み。走る姿はちょっと蟹股っぽい。そんな姿にかえって親しみがわく。彼女は好奇心の赴くままに、面白そうなところ目がけて一直線に走る。永諾も彼女が好奇心を向けたうちの一人。憶琳にとって性別は関係ない。だから永諾との噂は想定外だったのだろう。はさみで長い髪をチョキン!と切ることにも躊躇はない。でもこれは相手を意識するきっかけになったかもしれない。

母親が自分の婚約を勝手に決めようとしている!! ショックを受けた憶琳は出奔して破船での生活を始める。まさに児童文学のような展開。母親は憶琳の捜索願を出したようだが、なぜかいつまでも見つからない。そんな中、ヨーロッパ放浪をしたい彼女のために、仲間たちは旅費のカンパを始める。大人は何をしている?なんていうのは愚問か。ここは大人不在の世界なのだから。

別れの時が近づくにつれ、永諾がただの友達から特別な存在へと変わっていく。それは永諾も同じだ。寝ている彼の顔に触れようとする憶琳の手は震え、顔がゆがんでいる。元気いっぱいの彼女とは別人だ。そして七大金剛、永諾らを背に、全速力で駆けだす。後ろ髪引かれるとはまさにこのこと。港で大人に捕まるだろうと思っていたが、そんな予想は見事に覆された。

これは永諾の思い出話である。おそらく50年くらい前の想定だろう。彼の目を通して描かれた憶琳は、はつらつとして、切なさにあふれていた。できれば大人になって再会する場面を見たかった。でも大人の彼女が登場しないことで、かえって想像の中の憶琳は大きく広がった気がする。

みずみずしい余韻が残る作品だった。

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