重力ピエロ : 夢の国・亞洲文化宮

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重力ピエロ

20100622



  著 者:伊坂幸太郎

  出版社: 新潮社(文庫)

  刊 行: 2009年1月(単行本は2003年刊行)








<あらすじ>
泉水と春は2つ違いの仲良し兄弟。母は他界し、父は癌で入院していた。泉水は遺伝子を扱う会社に勤め、春は落書きを消すアルバイトをしている。彼らが住む仙台では連続放火事件が起こり、泉水の会社も被害を受けた。あるとき春は、放火とグラフィックアートの落書きに関連性があると、父と泉水に話す。やがてグラフィックアートの文字と遺伝子が関係していることがわかり、2人とも謎解きに夢中になる。



<感想など>
既に映画を鑑賞済みなので、犯人を知った状態での読書だった。そのせいか、謎解き自体に興味がなく、早く終点に到着したくてどんどん読んでしまった。結局、丁寧に解説してある遺伝子のしくみも理解できないままで終了。といっても、よく読んでも理解できないだろう。

最初から最後まで、登場人物の会話が頭の中をめぐりめぐる状態が続いた。彼らの顔は、加瀬亮、岡田将生、小日向文世、鈴木京香、渡部篤郎以外の誰でもない。夏子さんのイメージはちょっと違ったが、スクリーンの吉高由里子さんは強烈で、やはり彼女意外には考えられない。というわけで、今回は読書しながらの映画鑑賞、という面白さを味わった。

とんとん進む兄弟の会話が楽しめた。文豪や芸術家、偉人たちの名前や業績がよどみなく語られる。特に春の博識には驚いた。その裏には彼の想像を絶する苦悩があるのだが、家族に見せる彼の顔はすがすがしく、行動はひょうひょうとして、いつ二階から落ちてきても不思議ではない。できれば「未来から来た男」もスクリーンで見たかった。春はボタンがたくさんついた変な服を着て、通りがかりの人に現在の西暦や総理大臣の名前をたずねる。この場面を読んだのは電車の中で、笑いをこらえるのに苦労した。それほど面白いくだりだった。

黒澤も脇役ながら重要な役どころで出演。しかし残念ながらスクリーンには登場しない。今回新たに知ったのは、彼の指がすっと長いこと。魅力倍増だ!! 黒澤については読むたびに新しい発見があり、最も再会が楽しみな人物である。今回の役柄は副業の探偵だったが、その姿を眺めているうちに、彼にとっての本業と副業の違いがよくわからなくなってくる。もちろん、世間一般ではその違いはものすごく大きいのだけれども。

この家族は遺伝子も乗り越えてしまう最強家族だ。多くのページを割いて語られる遺伝子関連の話が、結局はどうでもよくなってしまったように感じる。しかしそこにたどり着くためには、やはり必要なプロセスなのかもしれない。

葛城は醜悪。最低。この役を受けた渡部篤郎さんには敬服。

それぞれの心の葛藤がスクリーンよりもリアルに映り、特に春の危うさは泉水や夏子さんの言葉を通しながらもダイレクトに伝わってきた。お父さんの力強さも、お母さんの大胆さも、目に浮かぶ。春に続きお母さんまでが絵画展の審査員をお尻ペンペンするシーンは、やはり映画で観たかった。(実際にスクリーンに映ったら「やりすぎ!」と言う人がたくさん出てくるだろうが:笑)


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「重力ピエロ」 伊坂幸太郎 :TK.blog

『重力ピエロ』    著者:伊坂幸太郎  出版社:新潮社 新潮文庫 <簡単なあらすじ> 遺伝子情報を扱う会社に勤めている泉水...

コメント

葛城・・・誰だっけなぁ~^^;

こんにちはー☆
そっか、孔雀の森さんは映画版をご覧になった上で
読まれたんですね。映画→原作のパターンだと
確かに演じた俳優さんのイメージで読んじゃいますね^^

>丁寧に解説してある遺伝子のしくみも理解できないままで終了。
>といっても、よく読んでも理解できないだろう。

うんうん、私も全く同じでございます。
なのでこの辺の説明は流し読みした覚えが…。

なんだか映画版の「重力ピエロ」が観たくなってきました~。
本の内容を覚えていないので、今なら新鮮な気持ちで
映画が観れるかもです(笑)。

映画もぜひ!

TKAT さん、こんばんは♪
この本を読んですぐ「死神の精度」を読んだら、
春の場面は必ず覚えてしまうでしょうね。
意外や意外、数ページにわたる登場でした。
グラフィックアートを描いているところを、
千葉が不思議そうに見ていました。
なんだか金城武と岡田将生の会話が目に浮かぶわ~
春は、死神から見ても整った顔立ちとのことです。(笑)

葛城は春の実父です。演じた渡部篤郎さんがほんとにそのもの
っていう感じで、憎々しさを発散させていました。

映画はかなりオススメかも。機会がありましたらぜひ。
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