キケン : 夢の国・亞洲文化宮

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キケン

20100615

kiken.jpg

著 者: 有川 浩

出版社: 新潮社

刊行年: 2010年1月








<あらすじ>
元山高彦と池谷悟は、成南電気工科大学に入学直後、機械制御研究部(略して「キケン」)に、ほぼ強制的に入部させられる。2回生の上野と大神は、部員確保のためのクラブ説明会で危険な爆発実験パフォーマンスを行い、新入生たちの喝采を浴びる。しかし教授にはさらににらまれる結果となった。

<感想など>
第一、二話は部長の上野直也、副部長の大神宏明の伝説。第三、四話は文化祭で活躍する1年生の姿。第五話はロボット相撲大会の話。一連の学生生活の後に控えているのが最終話。各話の最後に、現在の「誰か」とその奥さんの会話が挿入されている。その「誰か」は最終話でやっとわかる。つまりこの話は回想記である。実は途中、読むのをやめようかなと思ったこともあった。でも結果的には最後まで読んでよかった。なぜなら物語のメインは最後にあるから。(と思うのは私だけかもしれないけれど)

登場人物の個性は半端ではない。上野は幼い頃から危ないモノを作るのが趣味で、母屋に入るのを許されていない。大神は別名大魔神。ガタイの大きい彼はものすごい説得力の持ち主である。元山は実家が喫茶店。客扱いに慣れているのを買われ、文化祭のラーメン屋では総指揮を取る立場に。情報通の池谷は、元山のよき理解者である。さて彼らが属す「機械制御研究部」の具体的な活動はようやく第五話で語られる。あとの章は遊びだったり、恋愛だったり、文化祭の模擬店だったりと、具体的なクラブ活動から離れた出来事だ。

この部には女性は所属していない。男の子による、男の子のための部活動。究極の遊びは時に犯罪まがいのことになりかねないが、そこは大魔神がしっかりと押さえている。もちろんケンカも起こる。特に「PC研」とは犬猿の仲。そんな仲の悪さも、伝統として残るのだろうか。

女の子が入っていけない男の子の世界。文章には、これを羨ましがる女の子の気持ちが溢れている。所々に漫画が挿入されているが、なぜか私が想像する登場人物は漫画どおりではない。それだけ、想像の余地が大きい人物たちなのかも知れない。

キケンOBは、卒業後は「遊び」をすっぱりやめ、それぞれ社会人として地道に生きているようだ。学生時代に好きなことを思いっきりやって、もうこれで悔いなし!という潔さ。いいなあ、このけじめ!同時に、若い頃には二度と戻れないんだ、ということも実感。

卒業して10年以上たつと、母校から足が遠のく人が多くなるのも当然だろう。でも顔を合わせたらあっという間にあの頃の自分に戻ってしまうにちがいない。「先輩」と呼んだり呼ばれたり。何十年(?)ぶりかの部活の同窓会を思い出す。物語には再会シーンは描かれていないが、その盛り上がりは十分想像できる。

最後の板書メッセージには胸が熱くなった。

ところで曽我部教授はご健在だろうか。

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「キケン」 有川浩 :TK.blog

『キケン』     著者:有川浩  出版社:新潮社 <簡単なあらすじ> 成南電気工科大学機械制御研究部、略称【機研】。新入生...

コメント

曽我部教授はきっと今も竹刀を片手に誰かを追いかけてるはず☆

おはようございます♪

この本は有川さんにとってめずらしく恋愛がほんのちょびっとしか
扱われてませんでしたねー。
本を最後まで読んで(あとがきも)これは男子の世界の話なんだと
改めて思いました。

卒業したら今の自分の生活が忙しかったりして母校から足が遠のき、
同級生たちとも次第に疎遠になってしまいますよね。
でもこんなエキサイティング(?)な学生生活だと
思い出すだけで楽しいだろうなー(笑)。

>最後の板書メッセージには胸が熱くなった。

ねー、最後にこれはやられました!
単なる回想記だけでは終わらないところがニクいです(笑)。
それぞれ今を地道に生きていても、部室にきたら
昔のキャラに戻ってるのがまたいいです^^
翌日にあったであろう同窓会の様子も想像できますね。

曽我部教授に会ってみたい

TKATさん、こんにちは♪
おっしゃるように、有川さん独特の恋愛は描かれていませんでしたね。
(ちょっと、いや、かなり期待していたのですが:笑)
男の子の世界を女の子が書く、というこの目線がよかったです。
あのハチャメチャな世界に入りたいけれど入れない、そんな気持ちが
よく伝わってきました。
彼らの学生生活は、充実していたのでしょうね。
懐かしく思い出すことのできる時代…いいなあ。

>単なる回想記だけでは終わらないところがニクいです(笑)。
ほんと、これがあったから、最後まで読んでホントによかった!
同窓会、楽しかったんでしょうね、もちろん!
その様子を書かないというところも、ニクイです。

曽我部教授って、素晴らしいキャラだと思いました。
是非教わってみたい、でも怖そう、だけど面白そう!と、
いろいろな想像がふくらみました。
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Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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