孤高のメス : 夢の国・亞洲文化宮

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孤高のメス

20100607

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2010年/日本/2時間6分(劇場で鑑賞)
監 督  成島 出
原 作  大鐘稔彦『孤高のメス』
出 演  堤 真一  夏川結衣  吉沢 悠  成宮寛貴  余 貴美子
     生瀬勝久  柄本 明  中越典子  平田 満  松重 豊

<あらすじ>
1989年。さざなみ市民病院に外科医、当麻鉄彦(堤真一)が赴任する。彼の医療に対する真摯な姿、技術水準の高さはスタッフの意識向上を促し、院内の雰囲気が変化する。一方、技術が稚拙でメンツばかり気にする野本(生瀬勝久)らは当麻の活躍がおもしろくない。看護婦の中村浪子(夏川結衣)は当麻の力になれるよう、日々研鑽を積む。彼女は保育園に通う息子のシングルマザー。彼が赴任してからは家でも明るく振舞えるようになっていた。そんなある日市長(柄本明)が議会で倒れ病院に運び込まれる。重い肝硬変で、助かる道は生体肝移植しかない状態だった。

<感想など>
親子、肉親のつながりを縦糸すれば、横糸は職場や地域のつながりだ。
この縦横に組まれた糸は、物語が進むに連れて強固になり、やがて
どこを揺さぶってもほどけることのない関係へと発展する。
外科医当麻鉄彦が要となって出来上がったと思える絆だ。

看護師の母を亡くした医学生が、引き出しの中から見つけた一冊の日記。
物語はその書き手、中村浪子の言葉により進行する。
浪子が敬愛してやまない当麻は、スーパーヒーローであるにもかかわらず、
静かなたたずまいを貫き通す。
権威に興味がなく、女性には鈍感。手術中に都はるみの曲をかけようと
提案するところが変わっているくらいで、寡黙なイメージである。
主人公があまりにも控えめだからか、ヤブ医者の野本、書き手の浪子、
正義感の強い青木(吉沢悠)、そしてコーディネートの変な町長が
かえって目立っていた。

あれほどの長編をどのように映像化するのか。
鑑賞前はそれが気になっていた。
ある程度予想を立てていたが、その予想とはかなり違った展開だった。
最初のうちは本に出てきたあの場面だ、と思いながら観ていたが、途中から
そんな余裕はなくなった。本は本、映像は映像。
いつしか原作を忘れ、のめりこんでいった。

主演の堤真一はかなり痩せていた。頬はそげて目が大きく、
手術衣からのぞく上腕部には筋肉以外余計なものは何もない。
愛息を亡くした母を演じた余貴美子の演技も迫真的だった。
彼女の一挙手一投足に劇場内が反応する。
息子を手放そうとする彼女の決心が、重く響いてきた。
実は冒頭の場面で、この人は看護師浪子の母親かと思ってしまった。
それほど、余貴美子と夏川結衣がそっくりに見えた。

夏川結衣演じる看護婦は、間合いの取り方が面白いキャラクターだった。
彼女は当麻のことを好きでたまらない。しかしその気持ちが全く通じない。
最後の挨拶は、彼女にとっては清水から飛び降りる覚悟の告白である。
しかし通じていない。
いや、もしかしたら通じていたかもしれない。最後にそんな思いがよぎる。

原作を大きく変えながら、その主張は十分に盛り込んでいたと思う。
私としては原作の恋愛部分に違和感があったので、そのほとんどすべてを
そぎ落とした展開は、自然でよかった。

重厚な中にコミカルな動きが効いた作品だった。

trackback

『孤高のメス』お薦め映画 :名機ALPS(アルプス)MDプリンタ

本作は20年前の臓器移植手術がテーマだが、先駆者たちが抱える危険と信念を真摯に描いたタイムリーな題材。臓器移植の他にも、医師不足、手術ミス、地域医療など、20年前にあった問題は今も解決できていないことがわかる。

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