トロッコ : 夢の国・亞洲文化宮

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トロッコ

20100601

torokko2.jpg

2009年/日本/1時間56分(劇場で鑑賞)
監 督  川口浩史
原 作  芥川龍之介『トロッコ』
出 演  尻野真千子  原田賢人  大前喬一  洪 流(ホン・リウ)
     張 翰(チャン・ハン) 張睿家(ブライアン・チャン)
     梅 芳(メイ・ファン) 萬 芳(ワン・ファン)

<あらすじ>
敦(原田賢人)と凱<とき>(大前喬一)兄弟は、母(尻野真千子)に連れられ台湾の花蓮にやってくる。亡くなった父親の遺灰を届けるためだ。祖父(洪流)、叔父(張翰)、叔母(萬芳)に迎えられ、一緒に食卓を囲むが、敦は頑なな態度をくずそうとしない。やがて、祖父と一緒に村を歩いたり、青年(張睿家)に鳥をもらったり、村の少年たちと遊んだりするうちに、兄弟、特に敦の表情は少しずつ明るくなっていく。


<感想など>
亡くなった父親の姿が回想の形で出てくるかと思ったがそれはない。
祖父とそっくりで喧嘩っ早い。夕美子と同じ新聞社で働いていて、優秀。
父に関する情報はこのくらいだ。死去の経緯もよくわからない。
しかし祖父や敦を通して、父親の姿が目に浮かんでくるから不思議だ。
この父だけでなく、見えていないところが見えてくる、そんな
想像をかきたてるような作品である。

物語では様々な問題が取り上げられる。
母と子の関わり、祖父世代の日本統治に対する複雑な思い、
森林伐採による環境破壊、親の介護に直面する子供世代など、
数日間の出来事としてはかなり濃密だ。
しかしいずれも自然な展開で、つけ加えられた感覚はない。
それは、敦が軸になっているからだろうか。
亡き父から渡された、トロッコを押している少年の写真もまた、
屋台骨としての役割を持ち、人物同様大きな存在感がある。
ほかにも、父の賞状、祖父の整理された机、蚊帳といった調度品は、
物語を香りづける重要な品々だ。

スクリーンから温度が伝わってくるのも面白い感覚だった。
駅のプラットホーム、車を待っている沿道、校庭、兄弟が走っていく道。
こうした場面はものすごく暑く、汗が吹き出てくるようだった。
逆に、寺の中、線路が走る森林、兄弟が歩く夜道はひんやりしている。
特に霧に包まれた森林では、湿った空気が肌に降りてくるようで身震いした。
鑑賞後「冷房強くしてたね」という言葉が聞こえてきたが、それは
画面効果だと思うのだ。(その人が言う通りかもしれないけれど)

祖父母の懐の深さが心にしみた。
いつも一緒の母親には見えなくて、初対面の祖父や祖母に見えることもある。
敦が我慢して意地を張っている様子だ。
祖父はすぐそれに気づき、彼に深い眼差しを注ぐ。
祖母(梅芳)は息子たちを敦と凱に重ね、育児をしていた時代を
振りかえっていたと思う。
彼女の夕美子にかける言葉は限りなく優しい。
それにしても孫たちと心を通わすきっかけが息子の死だったとは、
あまりにも悲しすぎる。

最初はゲームに夢中で弟を邪険にする兄が、最後には大きく成長する。
解説によれば兄は8歳、弟は6歳。その2歳差がグンと開いた結末だ。
成長物語として、これはこれでよかったのかもしれない。
でも父の死により兄を大人にする結果は、鑑賞者を含めた大人の都合に
見えてしまう。期待にこたえた兄は健気だがやはりかわいそう。
兄弟の年齢を2歳くらい引き上げた方が実際的とも思えた。

注目していたのが、張睿家演じる森林を守る青年。
彼の兄弟に注ぐ眼差しは優しい。時折日本語を交え、環境保護の思いを説く。
背景に山崩れによる父母の死があり、そんな不幸な体験が今後の人生を
決定づけたときくと、幼い兄弟はどんな道を進むのだろうと、また想像が
膨らむ。
今度は「続トロッコ」で青年と兄弟(特に兄)の物語を!と、最後には
自分勝手に飛躍してしまった。

これから原作を再読してみよう。

trackback

トロッコ :龍眼日記 Longan Diary

父親を亡くした敦(あつし)(原田賢人)と凱(とき)(大前喬一)の兄弟は 母親夕美子(尾野真千子)に連れられて父の故郷台湾を訪れる。 花蓮の森林に囲まれた静かな村で彼らを待っていたのは日本語を話すことができる おじいちゃん(ホン・リウ)だった・・・。 ...

コメント

いい映画でした。

孔雀の森さん、こんばんは。
本当にスクリーンから温度が伝わってくる映画でしたね。
確かに森林シーンではひんやりとした空気を感じました。
(本当に冷房強くしていたのかしら??)
最後の最後まで亡くなった孟真の姿は出ずに観客側にイメージさせる演出はうまいですよね。
観終わる頃にはしっかりと孟真の姿が私の頭の中にはできあがりました。
言われてみればあの兄弟、8歳と6歳という設定はちょっと意外でした。
長男はより大きく、次男はより幼く見えました。
「続トロッコ」・・・是非観てみたいですね!

このロケ地にも!

sabunori さん、こんにちは♪
私もsabunori さんは必ずご覧になると思っていました!
また行きたいところが増えましたね。ほとんど台湾一周!
劇場出口でもらってきた台湾全図、張っておきたい気分です。
さてあの兄弟、やはりお兄ちゃんの方がずっと年上に見えました。
あの反抗的な態度、アイデンティティーに目覚めるところなど、
小学校低学年には見えないのでした。
sabunori さんもアップされたあの食事風景の写真。
私は孟堅さんの顔を彼の弟に重ねて選んだのでした。
で、そり込み加減は弟クンの方が進んでるかも。(キャー、ゴメンナサイ…)
おじいちゃん(つまり彼の父親役の洪流さん)にも似ていると思いました。
家族を演じているうちに似てきたりして(笑)
鑑賞したのは月曜日でしたが、親に連れられた小学生の姿も見られました。
代休だったのでしょう。
学校を巡回するかも、と思えるような作品でした。
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孔雀の森

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大切に♪

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