書道ガールズ!!-わたしたちの甲子園- : 夢の国・亞洲文化宮

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書道ガールズ!!-わたしたちの甲子園-

20100526

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2010年/日本/2時間(劇場にて鑑賞)
監 督  猪股隆一
出 演  成海璃子 桜庭ななみ 山下リオ 高畑充希 小島藤子
     金子ノブアキ 森崎ウィン 森岡龍 坂口涼太郎

<あらすじ>
早川里子(成海璃子)は四国中央高校の書道部部長で、人一倍真剣に書道に取り組んでいる。部員の中には彼女の厳しさに耐えられず去る者もいた。そんな里子に、親友の篠森香奈(桜庭ななみ)は「書道の団体戦をやりたい」と訴えるが、里子はとりあわない。
ある日産休補助として北澤(金子ノブアキ)という教師が赴任、書道部の顧問となる。里子は初日に彼を泥棒と間違え墨をかけてしまった上、作品を「つまらない」と評価されたことで、北澤を敬遠していた。その一方、好永清美(高畑充希)は、大きな紙に太い筆をたたきつけて書く北澤のパフォーマンスに感激、彼に一目惚れして「愛」の字を紙いっぱいに書きまくる。里子は清美を不真面目だと怒るのだが・・・。

<感想など>
映画そのものが書道展だ。
部室の壁に貼られた注意書きや「書道部」のなめらかな隷書体、
里子が展覧会に出品するために書いていた「張猛龍碑」や、
清美が閉店のときに書いた顔真卿ばりの「愛」や「永」、
小春(小島藤子)の漢隷(後漢時代の隷書)を髣髴させる力強い字、
さらに部室に飾られた行書体の一字書「風」。
クライマックスの書道パフォーマンスには鳥肌が立った。
かつて書道に打ち込んだ日々がよみがえってきた。

筆を持つ高校生たちはみな、古典をしっかり学んだ上で、
新たな表現を開拓している。
決して思いつきで書いているのではない。
すべての文字に古典の風味を吹き込み、独自の作品を創り上げていく。
しかも大勢の力を結集して、息を合わせなければならない。
そうした表現形態に、伝統書一辺倒の里子がどのように
近づいていくのか。
そして心からやりたい、と思うまでに、どんな経験をするのか。

清美の父が経営する文具店の閉店、紙工場の倒産や火災、
仲間との別れなど、さまざまな出来事を通して里子や部員たちの成長、
考え方の変化が描かれる。
確かにそれらの出来事は、彼らにとっては人生を揺るがすほどの
大きな体験で、盛りだくさんである。多すぎるくらいだ。
しかし何かが足りない。

部室の中央に、美央の「風」と、里子の臨書作品が飾られている。
かつて2人は競い合い、軍配は「風」の方に上がったという。
スタイルは全く違うが「風」が大賞に選ばれたことには納得がいく。
書き手の心情を想像させる「風」に対し、臨書の方は整っているが
迫力に欠ける。
しかし里子はなぜ自分が美央に負けたのかがわからない。
その後もただ法帖を傍らにおいて黙々と臨書を繰り返したのだろう。
彼女の「張猛龍碑」は素晴らしい。
起筆、終筆、転折を見れば張猛龍とわかるほど書き込んでいる。
しかし父はその作品を破る。そして美央の方が優れていると言う。
なぜ?どうして?と、里子は思い続けたに違いない。
ところが美央は突然、母親(宮崎美子)の病気を理由に書から遠ざかる。
しかも里子には何一つ告げず、香奈だけに本当のことを言っていた。

里子と美央はライバル関係にある。
幼い頃から書家の父の薫陶を受けてきた里子に対し、
特定の師を持たない美央は、自分なりの考え方で書と向き合い、
書道教師を志していた。
彼女が家の事情を里子に言えなかったのは、里子を意識していたからだろう。
「風」を持って部室を出ようとするとき、彼女は里子のゴツゴツした書体に
憧れていた、と初めて本心を明かす。
去った美央を呼び戻す場面はほんとうに感動的だが、ここに到る経緯、
すなわち里子が美央を必要とする心情は、よく伝わってこない。
2人が競い合う場面をもっと見たかった。

北澤は校内でゲームをやっているトンデモナイ教師だが、
「壊れてしまった」感は伝わってきた。
大書家を目指し、展覧会向けの作品を書いて書いて書きまくったが、
志は果たせず挫折。
書を取ったら何もない、という人なのだろう。それで今はゲームをやるしかない。
成長する時期に成長できず、高校生を前にしても教える自信はない。
しかし書の造詣は深いし、自分なりに真剣に書を考えている人だ。
彼は高校生たちと一緒に成長し、自分のあるべき方向を見出し、
ついにゲームから卒業する。
「再生」の文字は、この人へのエールでもあったのだ。

この作品についてはまだまだ書き足りない。清美や香奈、小春のことも、
書き出したら止まらなくなりそうだ。
登場人物それぞれが想像させる余地をたくさん持っていて、
誰もが魅力的だった。

忘れてならないのが、書道ボーイズの3人(森崎ウィン 森岡龍 坂口涼太郎)。
アシスタントに徹していたが、主役たちに負けず劣らず濃いキャラクターだった。
きっと彼らも思いっきり文字を書きたかっただろう。
「僕たちをメインにしてください!!」と、書道ガールズにお願いするくらいの
勇気はほしかったかな。(笑)

trackback

書道ガールズ!!わたしたちの甲子園 :龍眼日記 Longan Diary

私の好きなもの・・・ 青い空とまっすぐにのびた坂道、自転車をこぐペダルの音、 そして町のどこからでも見える紙工場の煙突。 愛媛県四国中央市。 書道家を父に持ち、紙の生産量日本一を誇るこの町で暮らす里子(成海璃子)。 大好きなものが全てあるこのふるさと...

コメント

私も泣きました!

孔雀の森さんこんにちは。
この作品、本当によかったですよねぇ。
書道をやっていらした孔雀の森さんならなおのことではないでしょうか。
おっしゃる通り映画そのものが書道展のようでした。
字って本当に自分が出ますよね。
私が特に印象的だったのは美央の「風」でした。
ものすごく自由で大らかな風を感じる「風」の文字でしたよね。
お互いに自分にないものを持つ相手の字を認め合う里子と美央。
美央に戻ってきてと書道部全員で書く部員全員の名前のシーンはとても心温まりました。
確かに書道ボーイズの3人にも書道シーンで活躍して欲しかったですよね。
ダンスに徹せずに。(笑)

オフィシャルサイトでまた泣きました

sabunoriさん、こんにちは♪
天候が不安定で体調を崩しやすいこの季節。
お大事に、といってもなかなかゆっくり休めませんね、お互いに。
コメントの遅れなどはどうぞお気になさいませんように。

さきほどsabunoriさんのお部屋からオフィシャルサイトに行って
また涙してしまいました。
みんなで力合わせて頑張るって、すごいことだな~と。
「こういう活動をしたいからあの高校行きたい!」という受験生も
増えるかもしれません。
あの「風」は美央ならではの風ですね。同じ字でも、ほかの人は
違った表現をとるのでしょう。
そうそう、病院前で名前を書くシーンでも、それぞれの字体が
その人となりを表わしていて、そこに美央が加わった時の一体感が
素晴らしかった!!
性格も考え方も家庭環境も違う仲間が、一つになる醍醐味。
すべて生徒が考えて企画したというのも素晴らしい。
ぜひ多くの人に観てもらいたいですね。

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孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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