星空 : 夢の国・亞洲文化宮

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星空

20100515

xingkong.jpg
 著 者: 幾米(ジミー)〔台湾〕

 出 版: 2010年1月(初版は2009年5月)

 言 語: 繁体字中国語
 
 英 題: The Starry Starry Night

 出 版: 大塊文化出版股份有限公司(台湾)







<あらすじ>
主人公の「私」になったつもりで書いてみました。想像を交えています。
以下は完全なネタばれです。

おじいちゃんが天国のおばあちゃんのもとへ行ってしまった。
あの頃は「お父さん、お母さんと一緒に暮らしたい」といつも思っていたけれど、
それが実現した今、おじいちゃんとおばあちゃんの家に預けられていた日々が
とっても懐かしい。
うちでは二人とも忙しそうで、私のことなんかどうでもいい、って感じなの。

転校生がやってきた。向かいの家に引っ越してきた男の子だ。
彼は無口でいつも一人。自分の世界でひょうひょうとしているように見える。
でも私の方が運がいいかも。だって私はマジシャンなんだもの。
ある日彼が大勢からいじめられているところを目撃!
なんて卑怯な!!私はすぐさま奴らに飛びかかり、とっちめてやったよ!
二人とも怪我をしてしまったけれど、それ以来一緒にいることが多くなった。
彼のお父さんは船員でずっと不在、お母さんは仕事が忙しいんだってさ。
何だか似た者同士だね、私たちって!

彼が行きつけのペットショップで、魚のたくさん入った水槽が壊された。
ひざを抱えてしくしく泣いている彼。
私の方は両親が大喧嘩。
もう何もかもイヤ! どっかに行っちゃおうよっ!!

リュックを担いで汽車に乗り、トラックの荷台に乗って、亡き祖父母の家へ。
一緒に森を歩いたり、船から星空を眺めたり、星が反射する湖面に浮かんでみたり。
ああ、何て素敵な時間なの…。ずっとこのままでいられたらどんなにいいだろう。
帰ってから、私は病気でしばらく寝込んでしまった。
直って学校へ行ってみると、何と彼は転校してしまったという。そんなあ~・・・。
彼の部屋を見せてもらった。壁いっぱいに魚の絵。真ん中には私の顔が・・・。
あの子こそマジシャンだよ!

その後彼とは会っていない。あの夏のきらめきはずっと胸の中にしまってあるわ。
ゴッホの『星空』を見た。これがおじいちゃんの言ってた絵なのね。

<感想など>
登場人物たちは中学生くらいだろうか。
先日読んだ「躱進世界的角落」の子供たちが成長した姿に見えた。
物質的には何不自由ないのに、孤独や閉塞感を抱えている思春期の子供たち。
主人公の少女はよく空想の世界へ入っていく。まさに「躱進世界的角落」だ。
その世界ではぬいぐるみが巨大化する。でも決して楽しそうには見えない。
彼女はそんな世界を作り上げている自分をマジシャンだと思っている。
だから寂しくないのよ~とちょっと強がっている感じだ。

絵の中の大人、特に父親の姿が不気味である。
新聞を読みふける彼の足が異常に大きかったり、黒縁眼鏡をかけた顔が半分しか
映っていなかったり。
また、壁に掛かった肖像画の顔が果物(?)で隠されているのはなぜだろう。
終盤、母親は病室で寝ている少女の脇にいるが、父親は遠くから見ているだけだ。
少女は父親に対し、何か嫌悪感のようなものを抱いているのだろうか。

先日『躱進世界的角落』の感想で「子供が親に黙って汽車やバスを乗り継いで
見知らぬ土地へ行ってしまうお話?」と予想したら、それがここで現実となった!
文字の書かれていない数ページには、文字では表せない感情があふれている。
この思い切った行動は、少女にとっては成長へのステップだったのではないだろうか。
今までは想像の中に閉じこもるだけだったが、とうとう外に大きく踏み出したのだ。
彼女は現実世界で生きる喜びを知った。新たな家族になった犬はもう巨大化しない。

視点を少年の方に移してみよう。
彼もまた、窓から少女の姿を追っていたのだと最後にわかった。
彼はどんな気持ちで去っていったのだろう。お別れを言いたいのに彼女はいない…。
いや、口に出すと辛くなるから会わずに去ろう、と思ったかも知れない。
暗い海を泳ぐクジラの背に、少年の背中が重なった。
ジミー先生、今度は少年が主人公の『星空』をお願いします!!

巨匠ゴッホの『星空』が作品のモチーフになっているとのこと。
私もいつか、少女のようにその絵に会いに行きたい。

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「星空」 幾米  :TK.blog

『星空 The Starry Starry Night』    作・絵:ジミー(幾米)  出版社:大塊文化出版股份有限公司 <簡単なあらすじ> 少女...

コメント

孔雀の森さん=少女の…

目線あらすじはとってもわかりやすいです!!
私が言いたかったこともこれこれ(笑)。

なーんて孔雀の森さんの感想を拝見し、私が気付かなかったことが
沢山あって感激です(TT)。改めて絵本を見てみると確かに
父親の存在が不気味…。新聞を読む姿で足が異様に大きいのも今気付きました。
やはり幾米作品は奥深い。。読者に「これは一体…」という疑問を
多々持たせてくれるので一筋縄ではいかない!
かといって明確な答えがなかったりするんだな(笑)。

>今度は少年が主人公の『星空』をお願いします!!
うんうん、これ読んでみたいです☆
少女少年のペアで読むとまた新たな発見がありそうですね^^

孔雀の森さんの感想を拝見し内容をちゃんと理解できたので(笑)、
もう一度少女の気持ちになってじっくりこの本を読んでみようと思います♪

少年は少女が大好き!

TKATさん、こんにちは♪
うふふ、私少女ですかぁ!実はそうなのよ。
今までウソついてました。ごめんなさ~い(嘘)

こういう物語ではいろいろな感想が出てきて当然ですね。
中には相反する意見もあるでしょう。作者もそれを期待して
いるのではないでしょうか。
それぞれの絵に隠された意味があるようです。
何度見ても新たな発見がありそう。再読が楽しみだわ!

少女の心がだんだん落ち着いてきた(想像の世界に逃げない)
のは、年齢的な成長のほかに、家庭の変化もあったように
思います。これは完全な想像になってしまうのですが、終盤、
窓からのぞいた二人の顔はお母さんと彼女だけ。家庭不和の
原因がなくなったのかも…。
でもやはり彼女自身の成長と思いたいです。

絵の中の細かいことを一つ一つ拾っていくと、きりがありません。
少年は転校が多いから友達をつくるのをさけているのよね。
でも少女のことを好きになってしまった!
辛かっただろうな、別れてしまうのが。だから少女の夢に現れて
さよならを言ったのだと思うのです。切ないなあ…。
なんだか私、少年の物語を作り始めてるかも…。

ジミーさんの新しい作品に会うのが楽しみです。


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孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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