神去(かむさり)なあなあ日常 : 夢の国・亞洲文化宮

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神去(かむさり)なあなあ日常

20100511

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著 者: 三浦しをん

出版社: 徳間書店

刊 行: 2009年5月









<あらすじ>
平野勇気は高校を卒業する頃になっても進路が決まらない。そんな彼のために、担任の先生が強引に研修先を決め、母親も本人に相談なく荷物を送ってしまった。勇気はわけがわからないまま、生まれ育った横浜を離れ、三重県の山奥、神去村に行くこととなる。携帯電話も使えず、遊ぶところもなく、最初は辛いことばかり。脱走を試みたがあえなく失敗。しかし受け入れ先の中村林業の人々や村人たちと過ごすうちに、山の仕事や環境に、だんだん慣れ親しんでいく。

<感想など>
物語は主人公の勇気がパソコンに打ち込んだ文章、という設定である。文体は彼のテンションによって弾んだり沈んだりと、生き物のようにうねる。ちょうどブログの日記を読んでいる気分だった。

私にとって林業はよく知らない職種である。その地域の風習も珍しいことばかりだ。出発点では、勇気も自分も同レベルだった。しかしたった1年で、彼は驚くべき成長を遂げる。大人の強引な画策をなくなく受け入れ、辛いと言いながらも食らいついていく。そして今自分が置かれている環境を楽しもうと考える。いい意味で素直な子なのだろう。

彼が続けていけた理由。上で述べた彼自身の素直さのほかに、受け入れ先の努力が非常に大きいと思う。勇気をぐいぐい引っ張っていくヨキ。若いけれど貫禄十分の親方、清一。技術的な指導がうまい巌さん。三郎じいさん。そして彼を取り巻く個性的な面々、美しい女性、さらに犬一匹。誰もが地に足をしっかりつけて生き、物語の重要な部分を担っている。

「ゆっくりいこう」とか「落ち着け」というニュアンスの「なあなあ」。こうしたのんびりした雰囲気と、山の厳しい現実、そして不思議現象が、物語にメリハリをつけている。山火事やオオヤマヅミさんの祭りで大活躍の勇気。さて恋は成就するのか…。その答えが先延ばしになっているのがじれったい。でもそのじれったさが心地よい。

無理やりレールに乗せられたけれど、自分で加速してしまいました、という感じ。担任は勇気の気質を見抜いていたからこそ、あんな強硬手段を使えたのだろう。先生の見る目、勇気の柔軟な心、男たちの林業に対する思い。それらがちょうどタイミングよくからんで、一つの物語が出来上がった。

与えられた環境で、年長者の教えに耳を傾け、まずは言われたとおりにやってみる。できなかったことができて、信頼されていく過程は、人生にとって大切だと思う。でも、もし時間が巻き戻って、この環境に放り込まれたとして、ガンガン突っ走っていける自信は…あまりないなあ。

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神去なあなあ日常 三浦しをん :粋な提案

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。 林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。 怪人ヨキ、...

コメント

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藍色さん
登場人物それぞれが魅力的でしたね。
こっちにも感想もらえるとありがたいんだけどにゃ~
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