アフリカを食い荒らす中国 : 夢の国・亞洲文化宮

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アフリカを食い荒らす中国

20100427

著 者:セルジュ・ミッシェル
    ミッシェル・ブーレ

訳 者:中平信也

原 題:LA CHINAFRIQUE

刊行年:2009年12月

出版社:河出書房新社








<内容・感想など>
タイトルからは中国非難のイメージを強く受けるが、内容はそればかりではない。著者は中立的立場から公平な目で見ていると思う。巻末の訳者あとがきによれば、原題を直訳(あえて訳せば、という言い方だが)すると「中華アフリカ」で、英訳版タイトルは「チャイナ・サファリ」とのこと。タイトルによって印象ががらりと変わることをあらためて感じた。

二人のフランス人ジャーナリストが、2006年から2008年ごろにかけアフリカ各国や中国を取材した内容、及び資料をもとに書いたドキュメンタリーである。近年発展目覚しい中国は、アフリカ各国に巨額の投資を行ってインフラ整備や資源発掘に乗り出している。著者は、中国がアフリカに着目した背景、アフリカの歴史、中国人とアフリカ各国の人々との人間関係などを多面から分析し、問題点や今後の見通しに言及しているが、中でも中国人気質には強い興味を持っていると思われる。

アフリカで労働に従事する中国人は、長時間にわたる過酷な労働もいとわない。一人が商売で成功すると一族を集めて同族経営を行う。中国で生産した土産物をアフリカの観光地(エジプトなど)で廉価で販売する。アフリカ社会にとけこもうとはせず、自分たちのコミュニティをつくる。こうした視点には、著者の驚きや疑問が反映されており、興味深い。

では、中国がアフリカに進出した背景はどこにあるのか。
第11章ではフランスがアフリカを30年もの間植民地としていた事実を挙げている。軍事拠点として支配していた時代から、冷戦終結の時代を迎え、西側諸国の人道的援助が始まる。アフリカ諸国は独立と引き換えにフランスからの援助を断たれ、貧困の道を歩むことになる。そこに着目したのが中国ということだ。

中国が「アフリカに必要なこと」を着々と進めていく中で懸念されるのが、アメリカとの覇権争い、というのが恐ろしい。アフリカでの内乱に中国製の武器が使用され、これも中国批判の一つとなっている。将来アメリカと中国が軍事増強をめぐって争う構図を、著者は憂いでいる。

膨大な取材結果とデータを羅列したような印象を受け、基礎知識のない身にとっては読み進めるのがたいへんだった。しかし巻末の「激動のアフリカ」にはアフリカの地図、各国在住の中国人数、中国からの投資額が表記されており、わかりやすい。これを参照しながら読めばよかった。

中国には長年興味を抱いており、今後の方向には大いに関心がある。難しい内容もあったが、そんな好奇心を満たしてくれる一冊だった。

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