さくらんぼ 母ときた道 : 夢の国・亞洲文化宮

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さくらんぼ 母ときた道

20100312


2007年/中国・日本/1時間47分(レンタルDVD)
監 督  張加貝(チャン・ジアベイ)
英 題  CHERRIES
原 題  桜桃
出 演  苗 圃(ミャオ・プゥ)
      妥国権(トゥオ・グオチュアン)
      馬理文(マー・リーウェン)
      龍 麗(ロン・リー)



<あらすじ>
1980年代、雲南省の農村。足の不自由な葛望(妥国権)と知的障害のある桜桃(苗圃)は、貧しいながらも仲睦まじく暮らしていた。そんなある日、桜桃は偶然捨て子を見つける。以前から子どもを望んでいた桜桃は、早速連れ帰り面倒を見始めるが、葛望は、その子が女児であることと経済上の理由で他人に譲ってしまう。桜桃は女児を乗せた車を追って街まで行き、数日さまよった末、他人の子を奪うというトラブルを起こす。その光景を目にした葛望は、桜桃の気持ちを思って一旦譲った女児を引き取り、紅紅と名づける。月日は流れ、紅紅は小学校の高学年に。彼女は、毎日教室を見に来る母親を疎ましく感じていた。

<感想など>
主人公の娘の回想記として描かれた作品。主題は母親に対する感謝の気持ちであるが、むしろ、親に対する強烈なメッセージと感じられた。

主役の演技が迫真に満ちている。知的障害について深く知らない自分にとっては、見聞した情報がすべてである。そんな状況で目にした<桜桃>は、あまりにもリアルで、あまりにも重い。着物を脱ぎ捨てて川に飛び込むシーンや、服の片側をつまむ動作や、うなるように搾り出す言葉など、前半は彼女の一挙一動から目が離せなかった。その一方で、夫や、夫婦を見守る村民たちは、温かく描き出され、安心して見ていられた。

後半では、葛望一家が、桜桃と紅紅の関係を中心に描かれる。5歳の紅紅は、常に桜桃の後をついて回り、まるで2人で一つのようで微笑ましい。桜桃が木に登ってさくらんぼを落とし、紅が拾うシーンでは、さくらんぼのつやが
まぶしかった。買えば高いさくらんぼ…とつい計算をしてしまう。(笑)

紅紅(龍麗)は、小学校高学年になると、障害を抱えた母を疎んじるようになる。せっかく仕上げた宿題に母が<らくがき>し、先生から叱られる。教室の外にいる母を帰すように、先生から言われる。母に冷たい態度をとる紅紅に、父はいつもこう言うのだ。「お母さんのおかげで今のお前が存在するのだ」と。お父さんの人間性が心にしみる。

紅紅は心の奥では母を愛しているのだ。ある日母をからかった子を追いかけるが、逆にぶたれてしまう。すると母はその子を追いつめて何回も打つ。その夜、子どもの父が葛望の家に乗り込んできて、治療費を払えと葛望に迫る。母を殴る父。父を押さえようとする紅紅。しかし無理だと知った彼女は乗り込んできた男に仲裁を頼む。
この事件が、母と紅紅の絆を深めるきっかけになるのだが、別れは唐突にやってくる…。

あらすじの羅列になってしまったが、どれも忘れられないシーンである。

冒頭に桜桃の祖母義母の葬儀シーン、続いて桜桃の悲しむ様子が映し出される。彼女にとって祖母義母がいかに大切な存在だったか、また彼女がいかに可愛がられてきたかが想像できる。桜桃は紅紅を自分の存在すべてをかけて愛する。それは彼女が祖母義母から受けついだものではないだろうか。また、夫は母から「お前は足が悪いから相手に恵まれないだろう」と言われて桜桃と結婚することになったという。彼もまた母から大切にされてきたのだと想像できる。
(人物関係を誤解していたので訂正しました。)

紅紅がこの一家で育ったことは、彼女にとっての一番の幸せと言えるだろう。人を愛する心。これを彼女に与えたのは父と母だ。愛された経験が、他者を愛する心をはぐくむのだと思う。

親の、子に対する虐待が多く報じられる今日この頃。
子供に手を上げそうになったらこれを見て、と言いたい。

trackback

さくらんぼ 母ときた道 :龍眼日記 Longan Diary

雲南省の小さな農村。 知的障害を持つ桜桃(インタウ)(苗圃:ミャオ・ブゥ)は幼くして両親を亡くし 葛望(グォワン)(妥国権:トゥオ・グゥオチュアン)の母に引き取られた。 やがて2人は結婚し貧しいながらも平穏な生活を送っていた。 時は流れ母親が亡くなり2人...

コメント

真っ向勝負の作品でした

孔雀の森さん、こんばんは。
桜桃を演じた苗圃の演技に打ちのめされました。
監督の話を読んだのですが本人もかなりこの役を演じるのに苦しんで手さぐり状態だったとのこと。
素晴らしい女優さんだと思いました。
他の作品も観てみようと思っています。
桜桃が不安になると自然に何度も自分の襟もとを掴むしぐさが印象的でした。
紅紅を心の底から母の愛で包みこむ桜桃。
そこにはかけ値も見返りも何も存在しないんですよね・・・。
さくらんぼ、おいしそうでしたね♪

苗圃の演技にくぎづけ!

sabunoriさん、こんにちは♪
苗圃は役作りに苦しんでいたのですね。
その苦労は報われたのでは?と私は勝手に思っています。
観終わってしばらくたった今でも、あの迫真の演技が胸に焼き付いています。
彼女の襟元をつかむしぐさは、印象に残りましたね。
すべての動きはインパクトがありながら自然。(変な表現ですね。)
苗圃出演作では『鳳凰 わが愛』を観たことがあります。
作品によって大きく<化ける>ところはさすが!
ラストはやはり、カットしたこちらの方がいいのだと思います。
家族は再び一緒になったのだろうか?
医者になった紅紅はどんな感じの女性なのだろう?と、
興味は尽きないのですが。
彼女の猛勉強の動機が「貧困からの脱出」ということにも、
打ちのめされました。
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Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

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