村上春樹『1Q84』BOOK1 : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

村上春樹『1Q84』BOOK1

20100302


出 版:新潮社


刊行年:2009年5月



<内 容>
時は1984年。24章の中で、奇数章は「青豆」の物語、偶数章は「天吾」の物語である。
青豆はスポーツクラブのインストラクター。会員である夫人の専属トレーナーもこなし、時には彼女に頼まれた「仕事」を的確な方法でやり遂げる。あるとき青豆は、自分が、現在の「1984年」とは別の「1Q84年」にいるのではないかと考える。
天吾は、都内の予備校で週3回数学教師をする傍ら、小説家を目指している。ある日編集者の小松から、新人賞受賞を目指す作品に手を入れて欲しいと頼まれる。作品名は『空気さなぎ』。作者は17歳の「ふかえり」。彼が書き直した作品は予想通り新人賞を受賞し、ベストセラーとなる。

<感想など>
続編の到着が遅くなりそうなので、とりあえず、忘れないうちに「BOOK1」の感想を書いてしまおう。
私にとっての1984年は、初海外旅行を体験し、一人暮らしを始めた年である。「初めて」の記憶が濃いので印象に残っているのだと思う。この作品を読んでいくうちに、いつしか20代のあの時間に戻っていった。携帯もパソコンもなく、ワープロが高額だった時代である。語れば長くなりそうな「時代」だ。

2人の人物には、いったいどんな接点があるのだろう。
はじめの2章を読んだときの疑問である。この時点では彼らには共通点が全く見られないし、キャラクターも違う。しかし両者が近づいていく予感はある。

物語が進むにつれ、青豆と天吾の過去が明らかになり、現在の心の闇が体験に基づいていることがわかっていく。青豆は家族が属していた宗教団体から一人で逃げ、青春時代はソフトボールの選手として活躍。環という無二の親友もできる。ところが環が自殺してから、彼女の人生は一変する。一方、天吾は1歳半の記憶から離れられずにいた。母と、父ではない男が一緒にいる場面である。彼は父の手で育てられるが、その父が実父とは思えない。彼の女性観や、数学の世界に逃避する姿勢は、記憶や生い立ちと関係があるようだ。こうした過去と現在の因果関係は、非常にわかりやすい。不思議感覚が交錯する物語で、このわかりやすさが特異に感じられる。

2人に共通するのは、10代で独立の道を歩み始めたこと、そしてそれぞれ運命的な出会いをしていることだ。青豆は「柳屋敷」の女主人、天吾は「ふかえり」だ。どちらもすでに断ち切れない関係と言えそうだ。

ある宗教団体の状況が明らかになる中、登場人物たちは少しずつ接近していく。しかしまだ顔を合わせるには至らない。終盤はこの緊迫感が快感になった。「柳屋敷」に匿われた少女の事実を知った青豆はアクションを起こし、天吾もまた「ふかえり」を通し「謎」に迫っていく。今後青豆は「空気さなぎ」を読むことになり、「リトル・ピープル」が何かを知ることになるのだろうか。また「2つの月」の謎はどうなる?

積もり積もった疑問が解き明かされる日が待ち遠しい。

trackback

「1Q84」 村上春樹 :TK.blog

『1Q84』BOOK1・BOOK2       著者:村上春樹  出版社:新潮社 <あらすじ> 1984年、青豆は高級スポーツ・クラブのインストラクターで...

コメント

BOOK1で既に異次元の世界

私はストーリーに関して全く予備知識がなく読んだのですが、
BOOK1を読んだ時点で不思議な世界に入り込んでしまったと思っちゃいました。
だって夜空に月が2つ出てるんですよ(笑)?かといってロマンチックな訳ではなく
どこかハードボイルド(BOOK2の方が濃いかな)。

>積もり積もった疑問が解き明かされる日が待ち遠しい。
そうですよねー。BOOK2で終わらずBOOK3まで引っ張るのだから
これで肩透かしだったらかなり悲しいですよね^^;
一体この異次元の世界を最後にどのようにまとめるのでしょう?
日本のみならず他国まで人気があるこの「1Q84」、期待度は
ハンパじゃないと思います。
BOOK2を読んだ私でもまだまだ疑問だらけでBOOK3に期待しております。。

といいつつ引き続き図書館で予約するつもりなので続編がいつ読めるのかが最大の疑問(笑)。

はやくBOOK2が読みたい!

TKATさん、こんばんは♪
あの2つの月については、解明されるのかしら。
これを始めとして、数々の疑問は解決するのか、それとも放って
おかれるのか、興味津々です。
このままだと伏線がどんどん増えていって、収拾つかなくなるのでは?
いえ、こちらの頭の方の問題なのですが…。
ところで青豆さんの名前がわかりません。見落としているのかな。
ともかく彼女の名前が気になる!!
どうか、結末で落胆させないで欲しい、と祈るのみです。(笑)
だって、あんなに分厚い本を時間かけて読むんですもの。
何かの形で満腹感がなければ…なんて言う私はわがままかな。

ともかく早く続きが読みたいわ♪
非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。