宮城谷昌光『孟嘗君』第3巻 : 夢の国・亞洲文化宮

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宮城谷昌光『孟嘗君』第3巻

20100104



出版社: 講談社


刊 行: 1995年10月






<あらすじ>
白圭の妻翡媛が誘拐される。単身、高級娼家花館に乗り込んだ白圭は、魏国の公孫頎、龐涓、覆面の男の前に引き出され。孫子を出すよう脅される。白圭は覆面男が魏国王(恵王)の兄公子緩<カン>と見抜く。弟との王位争奪に敗れ趙国に逃れた公子緩は、公孫頎の画策で再び魏国に入ろうとしていた。龐涓と白圭は水面下で連絡を取り合い、魏の龍賈将軍に派兵を要請。花館に火が放たれ、白圭は間一髪で妻を救出、公孫頎の陰謀は潰える。
この政治的陰謀の裏に、悪徳商人恢蛍<カイケイ>がいた。商人斉巨の敵討ちをするため、斉召、厳建は計画を立てる。偶然通りかかった説客<ゼイカク>の蘇秦、張儀、そして斉巨の兄鄭両とその仲間が加勢して、敵討ちは成功する。
白圭は商人の道を行くために、しばらく翡媛、田文と別れることを決意。孫臏(孫子)、その妻[日文]林<ビンリン>、翡媛、田文は共に斉国に向かう。斉国から追放の身である翡媛は「翠媛<スイエン>」と改名、一行は無事斉国入りを果たす。
孫臏は将軍田忌の信頼を得て軍師となる。やがて田文は生母の青欄と対面、13歳で実父田嬰の元に返される。田文は孫臏の門下生とともに兵法を学びながら成長。馬陵の戦いで魏国に圧勝し、初陣を飾る。龐涓は死去する。

<感想など>
前半は政治的陰謀に巻き込まれた白圭の様子が描かれるが、たいへんわかりにくい。
龐涓という人物は自らの出世のため師匠である孫臏を亡き者にしようとしたり、居所を密かに知らせたりと、動向がつかめない人物。結局頭脳合戦で敗れて死去。相手が孫臏でなければのさばり続けただろう。

斉国の不気味な存在が、美男宰相と言われる鄒忌<スウキ>だ。田忌将軍を亡き者にしようと、勝算の少ない戦闘に推挙する。ところが田忌将軍が大手柄を挙げてしまい、臍をかんでいる。そのナルシスト的性格からは、漫画やアニメのキャラクター像が浮かび上がる。

後半でようやく主人公である田文の人物像が語られ始める。5月5日生まれの不吉の子だからと殺害されそうになるが、僕延の手を経て白圭に育てられる。実父母だと信じていた存在を育ての親と告げられたときの田文は、まだ10歳前かと思う。他人の中で育った少年は人の心をよく理解し、誰にでも笑顔を向ける少年へと成長する。彼の初陣に勝利をもたらしたのは、彼を慕う食客といわれる人々の貢献だった。商人白圭の生き方が幼い彼に刻み込まれ、人を引きつける存在となったのだろう。

さてこの巻では、1巻で置き去りにされた女児が再登場。隻蘭という謎の美少女である。田嬰暗殺のため妾として献上されるというが…。どの国にも陰謀が渦巻き、その渦中にいる人々の心も、読んでいる自分の心も、休まる暇がない。(笑)

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