麦田 : 夢の国・亞洲文化宮

スポンサーサイト

------

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

麦田

20100102

          

2009年/中国/1時間47分(中国版DVD)
監 督  何 平(ハー・ビン)
英 題  Wheat
出 演  范冰冰(ファン・ビンビン)  黄 覚(ホァン・ジュエ)
      杜家毅(ドゥ・ジアイー)  王学圻(ワン・シュエチー)
      王志文(ワン・チーウェン) 

<あらすじ>
紀元前3世紀半ばの戦国時代。長平の戦いで秦は趙に大勝利する。秦の精兵、暇(黄覚)は逃亡を決意、途中で同じ秦兵の輒(杜家毅)と出会い、共に逃げる。2人は脱走兵として秦兵に追われる途中崖から転落、趙の女性たちに救助される。趙では男たちが戦争に出たまま戻らず、女性だけで城を守っていた。趙国の城主、劇葱大人(王学圻)に嫁いだばかりの驪(范冰冰)は、夫から留守の間の城主を言いつかり、男たちの無事帰還を祈っていた。暇と輒は生きるために趙人を演じ、「趙が秦に大勝利した」と大法螺を吹いてその状況を語り、女性たちを歓喜させる。

<感想など>
鑑賞前は長平の戦いを中心に描いた作品だと思っていたが、その予想は見事にはずれた。個性豊かな逃亡兵、美しい城主の妻、群れを成す元気いっぱいの女性たち。テンポのよいやりとりからは、中国の戦国時代は感じられない。

自分の歴史映画への固定観念が打ち砕かれたような作品だった。

まず、上でも述べたアップテンポな台詞の応酬に驚いた。まるで舞台劇のように、役者たちの演技は大袈裟で、はじけ飛んでいる。野獣のような暇はツッコミ、道化者のような輒はボケ役で、お笑いコンビさながらだ。そんな2人に群がる城の女たちは、喜怒哀楽の動きや表情が大きく、地味な服をまといながらも、華やかな色を放っている。留守の城を預かる驪も地味だ。素顔に近い范冰冰は、濃い化粧に華やかな古装姿よりも、ずっと美しかった。

突然襲撃してきた強盗たちの方が華やかだった。王志文が演じる強盗の親分は、長い白髪に白いマフラー姿。猟奇的な行動はインパクト大。すぐにいなくなってしまったのが残念なほどだ。

自然の風景はどこか人工的だ。
一面に広がる麦畑。青い空と緑の大地。突如わき起こる黒雲。色彩は目に鮮やかだ。しかし今まで荒廃した土地を観慣れてきたためか違和感が残る。こうした意外性は、「良い」「悪い」の一言で括ることはできない。

メッセージ性を強く感じた。
勝利しながら逃亡する兵や、女性だけが残された城からは、反戦への思いがうかがえた。一方的な情報に踊らされる人々の群集心理も意味深い。おかしさ、滑稽さの中に悲しさが織り込まれ、笑おうにも笑えない場面もある。逃亡兵の閉ざされた未来は、驪とは対照的だ。
いろいろな謎が後から解明される展開も含め、洗練されつくされたような作品だった。

何平監督作品『双旗鎮刀客』や『哀戀花火』を思い出した。私はこの2作の方が好きだ。人間や大地の泥臭さが前面に押し出されるような作品に、懐かしさを感じるときがある。歴史物語では、場面を巻き戻さず、時間の推移に従って展開してもらいたい。(笑)

ともかく時代の趨勢を感じた作品だった。

コメント

非公開コメント
プロフィール

孔雀の森

Author:孔雀の森
いろいろな出会いを
大切に♪

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最近のコメント
カテゴリー
最近のトラックバック
最新の記事
リンク
ブログ内検索

Pagetop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。