遠藤武文『プリズン・トリック』 : 夢の国・亞洲文化宮

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遠藤武文『プリズン・トリック』

20091203

プリズン

出版社: 講談社




刊 行: 2009年8月







<内容・感想など>
あらすじを書こうとしたが、収拾がつかなくなってやめた。刑務所で殺人事件が起きたところでは第一人称の「私」が主人公だが、それ以後は、話し手が次から次へと入れ替わる。それにともない風景も状況も変化して、一回読んだだけでは把握しきれない。

刑務官、刑事、保険会社社員、政治家、出所したばかりの人、被害者の妻…。それぞれの背負った人生まで浮き彫りになって、事件とどのくらい関連するのかが疑問になってくる。とにかく登場人物が多い。親子関係がわからなくなり、似たような苗字にも惑わされる。少し時間がたってから読むと、あれ、この人どんな人だったかしら、と、前ページをめくらなければならない。しかしそんなふうに疑問を持っても、どんどん先を読みたい気分にさせられた。

交通事故の加害者が被害者と対面する場面は、インパクトがあった。加害者は親からも見離された状態だが、それは親自身の覚悟であるというのが衝撃的だ。ドラマの本筋から離れたところに夢中になって、メインストーリーを忘れかけることもあった。

最初は密室殺人だから「トリック」なのだろうと思った。刑務所の状況が詳細に綴られていることから、読者としてはこの見知らぬ空間に謎があると思い込み、興味が増大する。しかし最後の最後で「トリック」は別のところにもあったことに気づく。真犯人の心模様、存在そのものである。どうしてこういうキャラクターが出来上がったのだろう。そう考えると身の毛がよだつ。その人物は、どうしてこれほど手の込んだことをする気になったのか。彼をかりたてたものは何か。騙して自分の思うままに動く人、思うままにできあがる状況を見て快感を覚えていたのだろうか。結局真犯人の気持ちはわからないままである。後になって思えばすべての犯行はスムーズ過ぎた。そこにもっと早く気づくべきだった。

どんでん返しには驚いた。同時に、この後ドラマはよい方向へは進まない気がした。
どうにも救いのない話で、後味が悪い。

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