堂場瞬一『灰の旋律』 : 夢の国・亞洲文化宮

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堂場瞬一『灰の旋律』

20091102



 出版社:PHP研究所



 刊 行:2009年6月




<あらすじ>
私立探偵真崎薫の元に捜索依頼が舞い込む。依頼主はレコード会社の中山秋穂。音楽プロデューサー矢吹調が、新人バンドのレコーディングを放棄して行方をくらましているのだという。真崎はバーで矢吹を発見。酔った勢いでトラブルを起こし怪我を負った彼を自宅で介抱する。その後、真崎は矢吹から元バンド仲間の平島を探してほしいと頼まれる。矢吹、平島、石丸、上田、金井のメンバーで結成されたYBCは、40年前一世を風靡したが、すぐに表舞台から遠ざかった。金井はすでに故人だという。矢吹と付きあうのは骨が折れるが、真崎はなぜか彼を放っておけない。そして親近感さえおぼえるのだった。

<感想など>
真崎薫シリーズ『蒼の悔恨』『蒼の懺悔』の続編。
今回も横浜を中心に描かれ、その周辺、小田原厚木道路や西湘バイパスなどよく通る
道路の事情が手にとるようにわかるのが嬉しい。周りの風景に対する観察眼は、前作同様、
実に細やかだ。

音楽、特にロック関係の専門用語が頻繁に使われ、著者の音楽に対する愛情がよく
伝わってくる。その方面に疎い私には状況がよくつかめないところもあるが、
雰囲気は楽しめた。
また、服飾、食材にも強いこだわりを持っているのがわかる。
2時間ドラマの「○○サスペンス」を見ているような気になるのは、そうした視覚に
訴えかけるものと、登場人物のはっきりした台詞回しや感情表現によるのかも知れない。

矢吹はどんな過去を持っているのか。なぜ平島を探しているのか。平島の家族はなぜ彼を
憎んでいるのか。真崎の恋人奈津が関わっているのはどんな捜査なのか。YBCはなぜ
解散したのか。
前半で様々な疑問が提示されるが、それらはなかなか解き明かされない。
だから終始じれったいのである。
ラストを待ちなさい!と言われているかのようだ。

さてそのラストだが、ずいぶんあっけなく片付いてしまった、という感じだ。
よく言えば、きれい過ぎて物足りない。
これまで積み重ねられた疑問を一つ一つ納得した形で解決するには紙面が足りないだろう。
かといって説明を続ければ回りくどくなりそうだ。

薬物を使用する者とこれをくい止めようとする者。事件の要がここにあるのは意外だった。
今世間で話題になっていることを思うと実にタイムリーで、思わず身震いしてしまう。

結末は消化不良。だからこそ、このつづきでしっかりと消化したい。
(つづきはあるのかしら…あってほしいです。真崎薫と赤澤奈津の今後が気になるので。)

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