堂場瞬一『蒼の悔恨』 : 夢の国・亞洲文化宮

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堂場瞬一『蒼の悔恨』

20090817


出版社:PHP研究所

刊 行:2007年6月



<あらすじ>
神奈川県警の刑事真崎薫は、連続殺人犯を取り押さえようとした際刺され、取り逃がしてしまう。真崎は退院後、当時行動を共にして腕を負傷した刑事、赤澤奈津をたずねる。犯人逮捕に執念を燃やす真崎は、上司や同僚の苦言も聞かず、赤澤と共に彼の足跡をたどる。そんなある夜、真崎に情報を売っていた男が殺害された。犯人は明らかに真崎に挑戦状を突きつけているとの見方が強まる。

<感想など>
主人公の2人は目のさめるような美男美女(らしい)。
男の方は幼児期に、兄の誘拐、死亡事件がきっかけで
両親の愛情を十分に受けられなかったトラウマがある。
女の方は、宝石店を営む父に反発して刑事の道を選んだ。
2人の背後関係については安易なつくりのような気もしたが、
この障壁を越えられるのかどうかが知りたくて、
最後まで突っ走った。

よく知った場所が詳細に映し出されている。
道路の状況から物語に現れる高校名も想像がついた。
刑事の鋭い眼の動きを、読者がそのままたどるような感覚は好きだ。

刑事を標的にする犯人と、取り逃がした屈辱を晴らそうと燃える刑事。
ほとんどの登場人物はすぐにその姿がイメージできるほど、
わかりやすく描かれている。
しかしこの「わかりやすさ」が人物を薄っぺらなものに
していないだろうか。
何だか作者の思うままに、動かされているような気がしてならないのだ。

因果関係の構図が単純だからか。
下記のように「だからこうなった」とすぐに説明がつくような展開である。

・主人公のトラウマ→刑事になる
→重傷を負い犯人確保ならず→女性刑事に恋をする
→行動を共にする→犯人を追い詰める
・女性刑事の父への反発→主人公の秘密を知る
→父の死→恋愛感情→彼と行動を共にする

これに対し、猟奇的な殺人犯の心理状態を説明するのは手紙文だけだ。
刑事と犯人が連続殺人に関する本を所有していたという「共通性」や、
レストランを経営する中国人女性の存在は面白いが、
物語の本質に絡んでこないのが残念だ。
個々の出来事はドラマチックなので映像化したら、
見ごたえがあるのではないだろうか。

さてこれは、実はあま~い恋愛物語なのだと思う。
すべては、主人公が障壁を乗り越えるため用意された展開だと
考えれば納得がいく。
真崎のストレートな愛の告白はすっきりさわやかである。
ラストはキザすぎるのではないか…と思いつつ、何度も読んでしまった。
好きな人に言ってもらいたい台詞としてメモしておこう。

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