譲愛作主 : 夢の国・亞洲文化宮

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譲愛作主

20090718

 2000年/中国/全22話/11DVDs(中国版DVD)
 監 督  張建棟  姜 偉  龐 好
 原 作  皮 皮 『比如女人』
 出 演  王志文  江 珊  徐静蕾
      王学兵  朱 娜  徐 楊 
      劉 斌  韓 松  沙景昌
      王 晶  黄 鵬  段 龍



ここに描かれる愛憎が交錯する人間関係は、まさにドラマのために用意されたもの。彼らのストレスがダイレクトに伝わってきて、ずっと心が重かった。しかし連続ドラマ特有の次回への好奇心から、どんどん観てしまった。
10年近く前の作品で、知っている役者がみんな若い。徐静蕾は少女っぽいし、王志文は髪がふさふさしている。(笑) 王志文演じる副局長を陥れる役の沙景昌が、先日観た『殺虎口』の「老刀把子」と知ってびっくり。今回の軽薄でずるい男と、いぶし銀の「老刀把子」とはまるで別人のよう。このように時代を経た役柄と比べてみるのもおもしろい。


<登場人物> [()内は役者名]

耿 林(王志文:ワン・チーウェン)
衛生局副局長。妻、劉雲と結婚して十数年。
仕事で知り合った娄嘉儀と深い仲になる。

劉 雲(江 珊:ジアン・シャン)
国内屈指の心臓外科医。夫、耿林の不倫に傷つき自殺未遂。

娄嘉儀(徐静蕾:シュー・ジンレイ)
医療機器メーカー社員。肖天海は元恋人
。耿林との生活のため部屋を借りる。

肖天海(王学兵:ワン・シュエビン)
浮気が原因で恋人娄嘉儀から別れを告げられるが、
嘉儀をあきらめきれず、ストーカー的行為をする。
心臓病を患っている。

曹詩睿(朱 娜:ジュ・ナー)
勤務する会社の社長、王書(劉斌)と不倫の関係になる。
王書の死後、彼との間にできた子どもを出産。

彭 莉(徐 楊:シュー・ヤン)
夫、王書の死後、会社を引き継ぎ社長になる。
耿林、劉雲夫婦が曹詩睿の事実を隠していたことに激怒。

<内容、感想など>
登場人物はみな正直で真面目。
何事に対しても真剣に向き合おうとする姿勢が、
かえって波紋を広げる結果となる。

耿林は、友人の王書が妻と恋人の間を器用に泳ぐ姿に賛成できない
。自分は決して不倫などしないと思っている。
しかしいざその立場になると、愛情至上主義をかざして
仕事も家庭も捨ててしまう。
だから「譲愛作主」というタイトルなのだろう。
ところが妻の自殺未遂に取り乱し、狂ったように病院に運び、
彼女を本気で心配する。
長年連れ添った夫婦の情は簡単には断ち切れないことの証だ。
やがて恋人嘉儀から両親に会ってほしいと言われ、共に食事をする
。彼らはすでに耿林の妻、劉雲から事実を告げられ、
怒りで張り裂けそうな状態である。
このキツイ状況にあえて身を投じるのは、生真面目さゆえか。
離婚を了承しない妻と、離婚を待つ恋人との間でゆらゆらしている耿林に、
ケリを入れたくなった。
しかし終盤の思いがけない展開で、そんな怒りが消えていった。

劉雲は医師としての仕事は完璧。
家庭内では夫よりも強い立場に見える。
夫に恋人がいるとわかったときには、
自分の落ち度を考える。
夫から突きつけられた離婚に同意できないのは、
夫を愛しているからだが、
プライドもあって素直になれない。
そんな家庭内のいざこざを職場には持ち込まず、
颯爽とした姿でメスをとる姿はかっこいい。
曹詩睿の生き方を攻めつつ、
彼女の子を世話すると言う。
まるで菩薩のようだ。

娄嘉儀にとって、耿林は、
最初は仕事の便宜をはかってくれる都合のいいオジサンに過ぎなかった
。彼は堅物で、一緒にいて楽しいと思える雰囲気ではないのに
、なぜか嘉儀の方が押せ押せムードになる。
彼をからかって面白がっているうちにホンキになってしまい、
やがて周りが見えなくなってしまう。まさに「小悪魔」だ。
しかし元恋人、肖天海が窮地に陥っていると聞くと、
就職の世話を彼の友人姚三木(黄鵬)に頼む。
さらに彼が心臓病で倒れたと聞くと、いても立ってもいられなくなる。
結局自分の行為が他人を傷つけたと悟り、
耿林に「あなたと一緒にいて成長できた。ありがとう」と
別れを告げ、アメリカへと旅立つ。
確かに成長したかもしれない。
でも私の目には、かき回すだけかき回して姿を消してしまった、
お騒がせ娘としか映らなかった。

肖天海はこの物語では唯一の、薄幸の人。
幼くして両親を亡くし、一時の過ちで恋人に捨てられる。
激しい嫉妬心から耿林と嘉儀の仲を告発し、
結果的に耿林から職を奪う。
教師の職についてからは成長するが、
心臓病で入院。
死に臨んで嘉儀に語る姿が切ない。

曹詩睿は理解しがたい人だ。
死んだ恋人の友人耿林に金を無心し、
さらに恋人の妻、彭莉から借金しようと乗り込んでいく。
あえて火中に入っていく勇気にはびっくり。
普通の感覚ではない。
しかし後にこの行動がよい方向に回るきっかけとなる。
不思議だ…。
彼女がアメリカで単身勉強できるのも周りの人に恵まれたからだが、
あまりにも都合よすぎるのでは?

彭莉も理解しがたい人物。
友人夫婦(耿林・劉雲)が彼女を騙し続けたのは、
傷つきやすい性格を思いやってのことと知り、
怒りながらも彼らを受け入れていく。
結局すべてを許し、劉雲にかわって曹詩睿の子を育てる決心をするが、
その過程が急激すぎて、普通の人間の心理とは思えなかった。
でもそんな「許し」がテーマの一つとも考えられ、
彼女の変化は注目に値すると思う。

娄嘉儀、曹詩睿が去った後の21,22章は、
ガラリとサスペンス調になる。ここからが面白い。
部屋に押し入った暴力団の男が耿林に襲い掛かる。
劉雲がとっさに突き出した鋏が男の背中に刺さり、男は死亡。
容疑者として連行された耿林は劉雲の正当防衛を主張するが、
警察から夫婦の証言は無効と聞かされる。
そこで彼は窓から逃げた第三者を探し続ける。
ようやく探し当てたその「第三者」、陳大明(段龍)は、
証言台に立つ条件として、母親の闘病費用20万元を要求。
耿林は会社の金を横領して彼に渡す。
大明の証言によって劉雲は釈放される。
耿林は公金横領罪で1年の懲役刑を受ける。
ここでのテーマの一つは「信頼」。
20万を受け取った大明が現れるかどうかに焦点が集まる。
母親思いの大明を信じ続けた耿林と、
耿林の篤い心に動かされた大明。
2人は互いの発する思いを確かにキャッチしたのだと思う。
この一連の展開は、夫婦が元に戻るきっかけになるものと信じていた。
二人の絆は以前よりも深まったと思える。
1年の刑期を終えた耿林を、劉雲が静かに出迎える。
しかしこの後二人がとったのは離婚手続きだった。
一旦かみ合わなくなった歯車は元には戻らないということか。
この物語では、男たちはすべてを失い、
女たちは苦労しつつ独立の道を歩むことになる。

当時の、社会に対する警鐘とも思える作品だった。

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