台湾人生 : 夢の国・亞洲文化宮

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台湾人生

20090709



 2008年/日本/1時間21分(劇場にて鑑賞)

 監 督  酒井 充子

 出 演  蕭 錦文(ショウ・キンブン)さん
      塔立國 普家儒漾
       (ダリグ・ブジャズヤン)さん
      宋 定國(ソウ・テイコク)さん
      陳 清香(チン・セイコウ)さん
      楊 足妹(ヤン・ツィーメイ)さん

<内容・感想など>
本作が初監督の酒井充子氏が、7年に及ぶ取材活動を経て完成させたのが、
この『台湾人生』。
日本語教育を受けた台湾の方々の語りを中心とした、
ドキュメンタリー作品です。
台湾が日本の統治下にあったのは、
明治28年(1895年)から昭和20年(1945年)。
今回登場した5人の方々は、1925年から1928年の生まれで、
語りはすべて日本語です。
日本の軍国主義教育を受け、さらに国民党支配下で弾圧された人々は、
自分たちの人生を振り返ったときどんな思いが去来するのでしょう。
皆さんの悲喜こもごも、後世に伝えなければならないという強い気持ちが、
想像を遥かに超えた強さで響いてきました。

以下の5名の方々が、テーマに沿ってかわるがわる登場します。


今も茶畑で元気に働く楊足妹さん。
戦時中は日本人経営のコーヒー園で働いたとのこと。
弟の子守のため学校は小学校1年生までしか行けなかったと言います。
辛いことが多かったでしょうが、終始笑顔で語り口は穏やかです。
旧正月、子供や孫に囲まれた楊さんの、
慈愛に満ちた顔が忘れられません。

台湾原住民バイワン族の塔立國普家儒漾(ダリグ・ブジャズヤン)さん。
少数民族の権利確立のため勤めた議員を引退、
今回は家族と共に旧友を訪ねます。
旧友とはバイワン語、家族とは國語(北京語)、取材陣には日本語と、
言葉を使い分ける姿が、ダリグさんの歩んできた道を物語るようです。

宋定國さんは小学校時代の恩師、小松原先生の思い出を語ります。
教師だった頃目標にしたほど、大きな影響を与えてくれた先生
だったそうです。
戦後、先生の出身である千葉県の人と会ったのがきっかけで、
先生を捜し当て、同窓会を主催したという宋さん。
小松原先生を語る宋さんの目が、潤んでいるように見えました。

日本人よりも日本人らしかったという陳清香さん。
負けず嫌いな性分で、見下されないよう、礼儀作法を学び、
勉強に精を出したと、たおやかに、しかしはっきりした口調で語ります。
軍国主義教育を受けて日本人に「させられ」て、
戦後国民党が入ってくると迫害された…。
怒りの矢がスクリーンから飛んでくるようです。
台湾人による政治を訴え、雨の中拳を上げる姿が眼に焼きつきます。
陳さんにより「解けない数学」と表現された台湾の過去。
それでも解こうとする努力が必要なのだと思いました。

台湾総督府とニニ八記念館で日本人観光客を案内する蕭錦文さん。
日本兵として参戦したのに日本政府から
何の謝罪もないことに対する怒り、
記者時代に国民党から拷問を受けた痛み、
さらに白色テロで弟を失った悲しみなどを、
激しい口調で語ります。
最初のうち穏やかだった蕭さんの顔が、
取材が進むにつれ厳しくなっていきました。
蕭さんが発する言葉の一つ一つが重く、
伝えなければならない使命感が伝わってきます。

今まで映画や書籍で台湾の歴史にふれても、
今回ほど強烈な印象を受けたことはありません。
生の声は、どんな演技、どんな文章にもまさると実感しました。
限られた地域のみで公開されるようですが、
もっと広い地域、特に教育機関での上映を、
是非お願いしたいものです。

trackback

台湾人生 :龍眼日記 Longan Diary

台湾が日本の統治下にあった時代に日本人として生きた5人の人々。 彼らの現在の姿を追うと共に彼らの言葉で語られる「あの時代」についてを 綴ったドキュメンタリー。 台湾へ行くたびになぜかホッと心休まる気持ちになる。 それは台湾の人々の穏やかさが心地良い

コメント

静かだけれど重い作品。

公開時に観逃してしまったのですが、今になって公開してくれる劇場があり観ることができました。
どんなに書物で学んだとしても実際にその時代を歩まれた方の語る言葉ほど
心に響くものはありませんよね。
知らないでいることは罪にもなり得ると思います。
1人でも多くの方に観てもらい、知って欲しい過去の事実ですね。

言葉の重み

sabunoriさん。
それぞれの方の言葉に、重みがありましたね。
台湾に行ったときに日本語で話しかけてくださる方に接すると、
歴史の事実を察しても、その先の深い事情まで踏み込むことは
ありませんでした。
今も自分に何ができるかわかりませんが、この作品が考える
きっかけになれば、と思っています。
迫力のある作品でした。
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大切に♪

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