大秦帝国 PartⅠ・PartⅡ : 夢の国・亞洲文化宮

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大秦帝国 PartⅠ・PartⅡ

20090619



2006年/中国/ PartⅠ: 238分 PartⅡ: 277分(劇場で鑑賞)
監 督  黄健中(ホアン・ジエンジョン)/ 延 芸(イェン・イー)
原作ドラマタイトル  新大秦帝国 第一部黒色裂変(全51話)
英 題  The Qin Empire
出 演  侯 勇(ホウ・ヨン) 王志飛(ワン・ジーフェイ) 呂 中(リュイ・チョン)
     孫飛虎(スン・フェイフー) 慮 勇(ルー・ヨン) 尤 勇(ヨウ・ヨン)
     高圓圓(ガオ・ユエンユエン) 斉 芳(チー・ファン) 李立群(リー・リーチュン)
     杜雨露(ドゥ・ユィルー) 劉乃芸(リウ・ナイイー) 許還山(シュー・ホアンシャン)

<あらすじ>
紀元前362年、献公(許還山)率いる秦軍は、奪われた領土を取り返すべく魏に侵攻するが、撤退を余儀なくされる。敵方の公叔痤(杜雨露)を捕らえた次男の贏渠梁(候勇)はその能力を買われ、父献公亡き後第25代君主孝公として即位する。強国となるためには改革が必要と考えた孝公は有能な人材を広く募集。そんなとき魏の宰相だった衛鞅(後の商鞅)(王志飛)と出会う。孝公の志に共鳴した衛鞅は「変法」といわれる改革を断行、猛反発を買いながらもこれを浸透させていく。
<感想など>
「秦」と聞いてまず頭に浮かぶのは「始皇帝」である。それ以前の「秦」については知らなかったが、今回、最強国家の礎を築いた過程を垣間見ることができた。520分すべてが濃密だった。
全51話の編集バージョンで、画面の切り替わりや登場人物に多少違和感はあったものの、
趣旨が貫かれていたからか、最後まで集中できた。

序盤には、父献公が、長男贏虔(慮勇)ではなく次男渠梁を選んだいきさつ、後継者争いを除くための策などが丁寧に描かれている。献公の国への「思い」は孝公に受け継がれ、前代未聞の改革の原動力となる。献公によるこの人選がいかに的確だったかは、後年判明する。

魏国の衛鞅を獲得するため水面下で動く人々や、衛鞅を幽閉しようとする魏の龐涓(尤勇)など、衛鞅を取り巻く人物たちの心模様も見所の一つだ。
衛鞅が秦にたどり着くまでの険しい道のり、さらに孝公と対面するまでの腹の探りあいが丹念に描かれているからこそ、両者の絆がより堅固に映るのだと思う。
後年衛鞅は自らを犠牲にしてまでも「法」を徹底させるが、先に逝った孝公は果たしてこれを予期していただろうか。孝公の兄や息子(劉乃芸)まで法の裁きを受けさせたほどだから、その思考経路は理解していたとも思える。それこそが、孝公の望んでいた法の形なのかもしれない。

ところで、衛鞅の動向に大きな影響を与えた女性が2人登場するが、その存在感は意外に薄い。
一人は渠梁の妹、瑩玉(斉芳)。魏の国で諜報員の役割を果たし、後に衛鞅の妻となるらしい。
もう一人は魏の前丞相白圭の娘、白雪(高圓圓)。衛鞅の魏国脱出に貢献する恋人であるらしい。
「らしい」と言ったのは、その関係がはっきりと描写されていないからだ。
衛鞅と白雪の別れの場面は叙情的でかなり長かったが、それだけの濃いいきさつは描かれていない。
また瑩玉については、前半で諜報活動をしながら衛鞅に気のあるそぶりを見せるものの、後半ではほとんど登場しない。
恋愛場面を最小限にとどめたのは効果的だったと思う。
孝公と商鞅の絆と変法の断行に的が絞られ、政治的背景がよく理解できる。
そして、ラストが素晴らしい。

今回特に興味深かったのは書のある風景である。当時の書物は、竹の札に墨で書かれた「竹簡」と呼ばれるもので、巻物として保管されている。政治家たちがこの巻物をバラっと広げ、眼を通すしぐさが威風堂々として清清しい。さらにその細い竹の札に細筆で文字をしたためる場面では緊張感が走る。当時の文字は、秦の始皇帝が統一する以前の「大篆<ダイテン>」と呼ばれる書体。統一後の「小篆<ショウテン>」よりも動きが大きくて好きだ。
また、部屋の壁に沿って置かれた書からは、このまま作品として展覧会に飾りたくなるほどの、高い芸術性が感じられる。茶色味を帯びた紙に書かれた大篆は、精緻な中に闊達な変化が見られ、政治家たちの質の高さを象徴するようだ。

俳優たちの演技も素晴らしい。侯勇演じる孝公は、即位以前は溌剌として、即位後は威厳に満ち、晩年は苦渋を全身で表していた。張りのある低音も魅力的だ。孝公は享年46歳とのことだが60歳くらいに見えた。役者自身は40代らしいが、若い時代にもあまり違和感はなかった。
衛鞅(後の商鞅)役の王志飛は台詞回しが独特で、変法を断行する固い決意が言葉に漲っていた。ソフトに見えて剛健、というところが魅力的。
さらに長老の方々もそれぞれ味わい深くて素敵だ。

この日は朝9時半から夕方6時半まで映画館にカンヅメだった。初めての体験である。
PartⅠの間に10分、PartⅡの間にも10分の休憩が入ったが、最後の方は疲れが眼や肩にきた。それでも本当に来てよかったと思っている。
ともかくカット部分と渋い男たちの競演をじっくり楽しみたいので、全51話は、いつかきっと鑑賞したい。

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