四川のうた : 夢の国・亞洲文化宮

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四川のうた

20090425



2008年/中国・日本/1時間52分(劇場で鑑賞)
監 督  賈樟柯(ジャ・ジャンクー)
原 題  二十四城記
英 題  24CITY
出 演  陳 冲(ジョアン・チェン) 呂麗萍(ルー・リーピン)
      趙 濤(チャオ・タオ) 陳建斌(チェン・ジエンビン)

<内 容>
四川省、成都の「420工場」が、50年の歴史に幕を降ろすことになった。主に航空機エンジンを製造していたこの工場には、かつて3万人もの人々が働き、敷地内には住宅や学校、病院、さらに商業施設まであった。元従業員やその家族が、これまでの思い出や今後への旅立ちについて本音を語る。
<感想など>
工場入り口にかかる看板文字が一つ一つ降ろされていく。最盛期、従業員の中でこの日を想像した者がいただろうか。すべての設備が取り払われ廃墟同然となった空間に、突如石が投げこまれる。パリーンと窓ガラスの割れる音がしても、見回りの人は意にかえす様子もない。「終焉」の事実を突きつけられた場面だった。

物語には実在の人物と役者とが登場する。技術者としてほとんど不休で働いた人。「420工場」の前身にも詳しい人。リストラの辛さを語る人。子供と生き別れになった人。子供時代の思い出と恋愛体験を語る人。映画のヒロインの名で呼ばれた時代を語る人。技術職をやめてキャスターになった人。「二十四城」を買うためバリバリ働く人。「二十四城」とは工場跡地に建てられる高級住宅地のことだ。

彼らを一人一人見ていくと、過去から未来へのつながりが感じられる。辛く悲しい過去がある一方で、これから築こうとする未来もある。そして実在の人物と役者との壁が、だんだん薄くなっていく。役者たちはあの長台詞をすべて暗記したのだろうか。話者自身の体験談としか思えない、引き込まれる話ばかりだ。

陳冲と呂麗萍が「なりきる」女性は、それぞれ対照的だ。
小花(陳冲)は元職場の花。中年を迎えた今、多くの仲間に囲まれて人生を謳歌する。陳冲主演の映画を観ながら「ヒロインに似ているって言われたものだわ」と語る。彼女は陳冲か、小花か。一瞬錯覚を起こした。
郝大麗(呂麗萍)は子どもへの贖罪を抱えながら病身の身体を引きずっている。役者の実年齢より23歳上の役柄だ。違和感がないのは、役者の、この人物に対する強い思いによるのだろうか。彼女の消えることのない罪の意識を、共有しているような感覚だった。

登場人物が思い出を語るときに挿入される歌がノスタルジーをさそう。「赤い疑惑」の主題歌が流れると、あのドラマが特に好きなわけでもなかったのに、放映していた中学時代にタイムスリップしてしまった。「インターナショナル」にも聴き覚えがある。知らない歌でも、人々が思い出にひたっているのを見ると、懐かしいメロディとなって耳に入ってくる。

号令一つで大勢の人々が方向転換を迫られる国。先日観た『長江に生きる』では闘う女性の信念に心を揺さぶられた。今回の『四川のうた』では、未来を展望する姿勢にエネルギッシュな空気を感じた。ドキュメンタリータッチに興味がわいてくる。

新しく建てられる「二十四城」にはどんな歌が響くのだろう。

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