風の馬 : 夢の国・亞洲文化宮

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風の馬

20090419

  映画『風の馬』
1998年/アメリカ/1時間37分(劇場で鑑賞)
監 督  ポール・ワーグナー
原 題  WINDHORSE
出 演  ダドゥン  ジャンパ・ケルサン  リチャード・チャン
      テイジェ・シルバーマン  リュウ・ユウ

<あらすじ>
1998年、チベットの首都ラサ。ドルカ(ダドゥン)は成都出身の恋人ドアンピン(リチャード・チャン)の協力で歌手デビューを果たし、テレビ出演を控えていた。政治宣伝目的の歌を要求通りに歌うことが成功への道だったが…。
ドルカの兄ドルジェ(ジャンパ・ケルサン)は酒に溺れ退廃的な日々を送っていた。ある日アメリカ人旅行者のエミー(テイジェ・シルバーマン)を案内しているところを警察に見つかってしまう。
尼僧である従姉妹のペマが、刑務所で拷問された後釈放され、瀕死状態でドルカの家に担ぎ込まれる。彼女が投獄されたのは、市場で「チベット解放」を叫んでいたからだった。エミーはペマに刑務所での出来事を語ってほしいと頼む。
<感想など>
すべてを国家権力で支配しようとする横暴さが画面いっぱいに広がり、やりきれなくなる。
この地では、旅行客は観光用に塗られた部分だけに誘導され、真実を知ろうとする者は力に封じ込まれる。こういう状況はいつまで続くのだろう。

作品はフィクションだがノンフィクション色が濃い。登場人物の台詞がつくられたものではなく、本人の声そのものに聞こえるからだろう。
ダライ・ラマの写真を飾り直すおばあちゃんの行動にはリアリティがあり、ドルカの恋人ドアンピンに見せる敵対心が、演技には見えない。彼女が全身で示す怒りは、ドアンピンを通り越して国家権力に向いている。
市場で「フリー・チベット」を叫ぶ尼僧、カメラに向かって真実を物語るペマは、ドキュメンタリー作品の登場人物に見えた。
両者とも役者ではないという。今は故人のおばあちゃんは絨毯工場の労働者、ペマ役の女性は危険を避けるため名前を明かせないのだという。

酒をラッパ飲みしてふらつくドルジェには無力感が漂う。現代中国の波に乗ろうとする妹と、地下活動を続ける仲間との間で苦しんでいるのだと思う。しかしエミーを案内し始めたときから変わっていく。真実を話せる喜びが彼の顔にあふれている。
ドルカが恋人を連れてきたときの微妙な空気もやりきれない。
終始不機嫌なおばあちゃんと、間を取り持つお母さんとドルカ、そして空気が読めないドアンピン。そんな彼が徐々に状況を理解していく。不幸を背負うのはチベット人だけではない。

ドルカはカメラの前で歌えなくなり、ペマのもとに駆けつけて昔一緒に歌っていた曲を彼女の耳元で口ずさむ。中国で歌手になる夢を捨てた彼女の姿は、演じるダドゥンの人生と重なるのだという。

この作品は真実で固められたノンフィクション。
ルンタ(願いが書かれた紙で作られた「風の馬」)が、チベットの空を自由に飛べるようになるまでにはどのくらいの年月が必要なのだろう。
亡命者が後を絶たないとは、ほんとうに悲しいことだ。

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