天雲山物語 : 夢の国・亞洲文化宮

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天雲山物語

20090318



 1980年/中国/2時間10分(図書館VIDEO)
 監 督  謝 晋(シエ・チン)
 原 題  天雲山伝奇
 原 作  魯彦周『天雲山伝奇』
 出 演
 施建嵐(シー・ジエンラン)  王馥茘(ワン・フーリー)
 石維堅(シー・ウェイジェン)  仲星火(チョン・シンフオ)
 洪学敏(ホン・シュエミン)  黄雪姣(ホァン・シュエジァオ)



<あらすじ>
1978年。宋薇(王馥茘)は若い記者周瑜貞(洪学敏)の話から、20年前を思い出していた。
1956年。学生の宋薇は、親友馮晴嵐(施建嵐)と天雲山調査隊に参加する。その時有能な政治委員、羅群(石維堅)と恋に落ちるが、間もなく宋薇は党学校での学習を命じられ、羅群と離れ離れに。やがて彼女は上部から“右派分子”羅群との別離を指示され泣く泣く別れの手紙を書く。実はすべては、調査隊で宋薇を見初めた政治委員、呉遥(仲星火)の画策だった。彼は自分の地位を利用し、宋薇との結婚にこぎつける。一方、貧困生活を余儀なくされ病弱になった羅群を、馮晴嵐が全身全霊で守り、やがて2人は結婚する。
現在、羅群は荷運び、馮晴嵐は小学校教師で生計を立て、天雲山の調査を続けていた。しかし馮晴嵐は文革中患った病が重くなり、余命わずかとなる。それを知った周瑜貞は宋薇に事実を知らせる。

<感想など>
2組の夫婦がいる。一方は裕福な仮面夫婦、もう一方は貧困だが愛情に満ちた夫婦だ。作品では馮晴嵐の勇気をたたえ、呉遥の身勝手さを糾弾する形をとっているが、時代に翻弄された4人(馮晴嵐、羅群、宋薇、呉遥)の選択を単純に判断することはできない。

作品が取上げるのは、50年代末の反右派闘争である。「岩波現代中国事典」には「各職場や党組織に一定の割合の人を右派とすることを指示した」とあり、多くの人々が公職を失い農村での強制労働を強いられたという。羅群が党に忠実で情熱をもって業務を行っていたにもかかわらず、右派分子のレッテルを貼られた背景には、共産党首脳部の、右派に対する恐れがあったのだ。呉遥が20年たっても羅群の名誉を回復させない理由には、妻宋薇を繋ぎ止めておきたい気持ちのほかに、迫害されてなお生き抜いた羅群への恐れがあったのだろう。そんな小心者で勝手な呉遥でさえ、責めることはできない。

過去の羅群と宋薇の台詞からは、2人の父親は共に前の戦争の犠牲者であることがわかる。この戦争とは国共内戦のことだろう。2人にとって革命烈士の父は誇りであるはずだ。2人が熱心な党支持者である背景を考えると、上部の措置はあまりにも理不尽だ。右派分子のレッテルを貼られても自分の思想を貫く羅群。自分の気持ちを封印し、社会的地位を確立していく宋薇。当時、宋薇には別離の手紙を書くしか方法はなかったのか。彼女が党の方針に逆らって羅群のもとに走ったとして、2人は幸せになれたのか。彼らには、当時与えられた運命を受け入れる以外に、道はなかったのかも知れない。

主人公は宋薇かと思ったら、筆頭に書かれている役柄は馮晴嵐だった。彼女の力量は常人の持つ範囲をはるかに超え、神がかっているのだ。病気になった羅群を担架に乗せ、雪道を引っ張っていくその姿はまさに超人だ。そんな彼女の姿を通して、監督は50年代から70年代末にかけて吹き荒れた嵐を徹底的に批判する覚悟だったのだろう。彼女の正義感や愛情が強ければ強いほど、理不尽な社会に対する反発のメッセージがより明確に伝わってくる。やはり主人公は馮晴嵐だ。

結局宋薇は呉遥と離婚する。自分を偽り続けた懲罰の意味合いが感じられる。羅群との再会が果たせなかったのも、彼女が一瞬感じたときめきに対する、天からの戒めなのかも知れない。

文革直後の作品。役者はそれぞれどんな気持で撮影に臨んだのだろう。

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