海堂 尊『医学のたまご』 : 夢の国・亞洲文化宮

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海堂 尊『医学のたまご』

20090317


出版社:理論社


刊行年:2008年4月


<あらすじ>
時は2020年。桜宮中学1年の曽根崎薫は全国統一の潜在能力テストで1番になり、東城大学医学部に特別生として入学することとなる。実は、問題制作者は薫の父親、ゲーム理論学者の曽根崎伸一郎である。勉強が苦手な薫でも、父の実験台としてあらかじめ同じ問題を解いていたので100点満点を取れて当然なのだ。薫は研究室の課題をこなすため、優秀な同級生、三田村優一に協力を求める。研究室には薫を呼んだ藤田教授のほかに、助手の桃倉、スーパー高校生の佐々木、秘書の宇月と、個性的な面々がいた。

<感想など>
海堂尊氏の著書では唯一の横書きではないだろうか。
あとがきによれば、本書は中高生向きに書いたのだという。
主人公の少年、薫は海外在住の父と頻繁にメールを交換している。
父のメールの文章は飄々とした中に慈愛があふれ、どれも深い人生訓となっている。
父から息子への手紙であると同時に、著者から読者にあてたメッセージとも思える内容だ。

ひょんなことから大学の研究室に送り込まれた薫。
そして、あろうことか新発見をして論文を執筆することになる。
ところが、桃倉と共に行った実験で追試に不備があることが判明。
しかし教授は名を売りたいばかりに雑誌への掲載を目論み色々と画策する。
あれこれ悩む薫に、父は毎日アドバイスを送る。
毎日顔を合わせているわけではないのに、2人の関係は密に感じられる。
将来は親子が離れて暮らす例が増えるのだろうか。

今回も海堂作品との関連が楽しめた。
主人公薫は『ジーン・ワルツ』の曽根崎理恵の息子。ただし『医学のたまご』に彼女は登場しない。
薫の同級生平沼雄介は『夢見る黄金地球儀』の平沼平介の息子。(当時はまだ小学生)
各作品で大活躍の田口公平は教授になっている。(いつの間に?どうやって?)
『ジェネラル・ルージュの凱旋』の如月翔子は小児科総合治療センターの看護師長に。
『ナイチンゲールの沈黙』でレティノブラストーマ(眼球にできる癌)のため
手術を受けた佐々木アツシはスーパー高校生に成長していた! 
ハイパーマンバッカスのオタク少年がね~

さてこの作品では、主人公が医学界の泥沼に足を突っ込み、不正にどう対処するか、
また、自分自身の「非」とどう向かい合うかが焦点となっている。
保身ばかり考えている藤田教授は、論文でっち上げ騒動の件で薫に記者会見での謝罪を要求。
そんな中、父の援護射撃もあり、薫は教授に対抗する。
さらに佐々木からの「なぜ医学をやるのだ?」という問いに対し、彼は真剣に考える。
なりゆきで研究室に入ってしまった薫だが、その答が見えてきそうなところで物語は終る。

著者はあとがきで続編を約束してくれているので、今後が楽しみだ。
さてもう一人気になる人物がいる。
幼稚園くらいの、カイという男の子。レティノブラストーマの手術で眼帯をしている。
この子はもしや…と、思わず両親の姿を想像してしまった。
彼もまた続編に登場するのでしょうね。

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「医学のたまご」 海堂尊 :TK.blog

『医学のたまご』  著者:海堂尊  出版社:理論社 ミステリーYA! <簡単なあらすじ> 桜宮中学1年生の曾根崎薫は潜在能力試...

コメント

どうして横書きなんだろう?

こんばんは^^

孔雀の森さんは伊坂幸太郎、私は海堂尊と着々と読書が進んでますね♪
さて、次に読もうと思っている『ジーン・ワルツ』に薫の母親が登場するんですか?!
本書では双子の兄弟:忍の存在が明らかになってるんですが、母親と住んでるのかしら?

>各作品で大活躍の田口公平は教授になっている。(いつの間に?どうやって?)
そう、コレコレ!きっと高階病院長にそそのかされて教授になったんだよ(笑)。
あるいは白鳥が裏で糸を引いてるか。田口先生自身はあれよあれよという間に
教授になってしまったとみた!←いつかこの過程が書かれた本が出るのを期待しましょう♪
そ・し・て!アツシくん。これには驚き!カイくんもいつかどこかで登場しそうですね。

藤田教授の悪役ぶりに腹を立て、薫くんの父親は一体どんな手を?と
期待しながら楽しめた1冊でした^^

やっぱり縦書きが好き。

TKATさん、こんばんは♪

>『ジーン・ワルツ』に薫の母親が登場するんですか?!
そうなんですよ。でも私はこの人に共感できず、感想を書いていません。
でもあとで『ひかりの剣』を読んで清川吾郎が好きになったので、
もう一度『ジーン・ワルツ』で彼の姿を確かめようかと思っているのですよ。
双子の兄弟のことは、またどこかの作品で話題になるのを楽しみにするとしましょう。

田口さんが教授になるいきさつも、きっとどこかで語られるでしょうね。
やっぱりTKATさんが言うように高階教授がらみかなあ。
そうそう、アツシくん、かっこいい高校生に育ちましたね。
瑞人クンの影響も受けていると思えます。(瑞人ファンなので:笑)

薫のお父さんは姿を見せないけれど存在感大でした!!

そうそう、横書きは中高生の共感を期待してなのでしょうか。(わかりませんが…)
でも私は縦書きの方が早く読めるし、内容もすーっと入ってくるんです。
ま、これはこれでいいんでしょうけどね。
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